今年は,やはり春が遅いように思えます.桜の花も遅かったし,今日の暑いくらいの晴れの日でも,トラフトンボは全く池を飛んでいませんでした.去年の4月30日は,産卵の真っ盛りでしたのに,今年は,まさかいなくなったのではないと思いますが...
▲フタスジサナエの羽化殻.2017.4.23.撮影.
一方,4月16日に続いて先週の4月23日にもコサナエ属の羽化観察に出かけましたが,フタスジサナエの羽化殻が13個ついていました.また,昨日は夕方の産卵ねらいで5時ころから池で待っていました.しかし,何にも飛びませんでした.産卵にもまだ早いようです.
ということで,超晴天の今日,行くところがなく,結局コサナエ属を見に行くことにしました.4月下旬はフタスジサナエのメスの羽化が全盛のころのはずです.ところが現地に着いて羽化を見たのはオスのものでした.
実はこの羽化個体,オグマサナエかフタスジサナエか迷いました.フタスジサナエは,羽化しているときには二つの黒条のうちの第一黒条が薄いのですが,じっくりとビデオを見ていると,尾部上付属器に突起のようなものが見えます(下の写真白矢印).これで一時はオグマサナエと判断しましたが,それ以外の特徴は,幼虫の体型も含めて,すべてフタスジサナエを示しています.やはり羽化殻を採って来なければいけませんね.最終的にはフタスジサナエと同定することにしましたが,いまだに迷いがあります.飛び立つ直前の写真を載せておきました.
▲フタスジサナエのオスの羽化.下は飛び立つ直前の写真.
▲フタスジサナエのメスの羽化.
フタスジサナエは多く羽化していました.合計6頭羽化を見ました.羽化殻は20個ほどはついていたでしょうか.ただし,詳細に調べていませんので,オグマサナエが混じっている可能性はあります.フタスジサナエ2個体の羽化全長をビデオに収めて,周辺を観察しました.フタスジサナエの未熟な個体がいました.シオヤトンボも繁殖活動を開始していました.
▲フタスジサナエのてネラルな個体.
タベサナエが池に帰ってきて,縄張り活動を行っていました.この池では今までタベサナエの成虫を見たことがなかったのですが,数を増やし始めているのかな…
▲タベサナエのオスの成熟個体と未熟個体.成熟オスはすでに水辺で縄張り活動をしていた.
昨年幼虫で確認したように,この池ではコサナエ属3種が同所的に生息しています.タベサナエが一番早く,次にオグマサナエ,そしてフタスジサナエという順序だと考えています.オグマサナエは例年ですとフタスジサナエより早く活動を開始しているはずですが,今年は成熟した個体は見ていません.
今年は5月の第一週の終わりくらいからやっと池がにぎやかになりそうな気がします.