新 トンボ歳時記
No.463. シコクトゲオトンボの産卵.2014.7.5.

たしか,去年のこの時期にも同じことを言っていましたが,北のほうが天気が悪く南が良いという予報なので,徳島県まで遠征してきました.ミナミヤンマの産卵をビデオにとることを第一目標にしましたが,今日は姿を見ることがありませんでした.ということで,第二のターゲットシコクトゲオトンボの産卵を観察することにしました.

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シコクトゲオトンボの産卵中のメスはたいへん神経質で,ちょっとした動きにも産卵をやめ,がさごそしたりすると,すぐに上の方に逃げてしまいます.でも産卵中のメスを見つけるのは大変難しいので,いったん飛び立って上へ逃げたものを,じっと産卵再開まで待つという方法をとりました.だいたい20分くらいで下りてきて産卵を再開するようです.

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しかし産卵を再開するときも,しばらく朽木などに止まったままじっとしていて,周りの様子を確かめるかのように非常にゆっくりと腹部を曲げて,産卵を再開します.この辺りはビデオに録りましたので,また興味があれば見てください.

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南の方もガンガン晴れとはいかず,曇りベースで時々雲の間から日が射す程度でした.でも暗い林の中のトンボにはこれくらいで十分です.ということで,今日はほかのトンボの観察はやめて,シコクトゲオトンボとずっと過ごしていました.小さなトンボもじっと観察しているといろいろなことが見えてきて興味が尽きません.




 シコクトゲオトンボのメスは非常に神経質です.産卵をする前も,始めてからも,周りに神経をはりめぐらせている感じに見えます.観察者がそばを歩いた時は言うに及ばす,オスがそばを飛んでも産卵を直ちに中止し,さっと上の方に逃げてしまいます.その後その場所でじっとしていて,20分ほど様子を見たのち,おもむろに流れに降りてきますが,それでもすぐには産卵を始めません.硬直したようにじっとしてまわりの様子をうかがっているようです.そしてゆっくりと腹部を曲げ初め,やがて産卵に移行します.退屈かもしれませんが,こういった「動かない」様子をビデオで紹介しています.
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