昨日,ヒメサナエの数が激減しているのを見て,いよいよ季節もまた一つ前へ進んだという実感がしました.これからは真夏のトンボを相手にしていくことになります.真夏のトンボというのは,多くが里山で見られる普通種なんです.難しいのはヤンマのなかまですが,これは多産地へ行くのが出会いには一番確実な方法.ということで,今日からしばらくは,身近なところで,真夏の普通種を追いかけることにしました.
普通種は出会いは簡単ですが,写真に撮るのは意外と難しいのです.またその困難に立ち向かうこちらのテンションを維持するのも結構難しいです.そこで手始めに,ホソミイトトンボの夏型をねらいに出かけました.
▲最初の観察地(定点の池).カンガレイがいっぱい生えている.
ここは,3週間くらい前に,たくさんのホソミイトトンボが羽化していました.ですから,もうそろそろ戻ってきているだろうというのが読みです.池に着くと,ホソミイトトンボの姿はなく,チョウトンボが出迎えてくれました.これも普通種ですが,この産卵の写真撮影は結構難しい.メスは池の中程で動き回って産卵するし,オスに追いかけられてすぐに逃げ回るし,じっとしていないのです.今日もメスが産卵に入りましたが,もうオスに追われて大変.
▲チョウトンボのオス.静止位置の周辺を飛び回る.一応なわばりがあるみたい.
池に着いたのは9:00過ぎでした.曇っていて,あまりいいコンディションではありませんでしたが,10:00過ぎには晴れ間が見えだし,そのころから,ホソミイトトンボが出てくるようになりました.
▲ホソミイトトンボのオスとメス.夏型のメスは薄緑色をしている.
オスは,メスを探しているのか,摂食しようとしているのか,カンガレイの間を飛び回ります.飛翔力が小さいので,追いかけながらどんどんシャッターを切りましたら,何枚か飛んでいるところがうまく撮れました.
▲ホソミイトトンボのオスの飛翔.
今日は産卵がねらいです.11:00を過ぎたころからメスが現れ始め,ついに交尾態になる個体が出てきました.これを逃すわけにはいきませんので,交尾が終わるまで待ち,産卵を期待しました.しかし,交尾が終わると,どんどん沖の方に行ってしまって,とうとう見失ってしまいました.これ以外にもタンデムペアをもう一組見ましたが,丹念に探したにもかかわらず,産卵は見ることができませんでした.うーん,普通種といえども,やはり希少種と同じだけの馬力がいりますねぇ.
▲ホソミイトトンボの交尾,タンデム.
ということで,12:00を過ぎましたので,次は,ナニワトンボの未熟個体探しに行くことにしました.