トンボ歳時記
No.286. オオイトトンボの観察の付録(1). 2011.7.17.

さて,オオイトトンボの観察地へ行く前に,ミヤマサナエが来ていないか,一昨年の幼虫・成虫の観察地へ寄ってみました.

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▲一昨年の幼虫の観察地にて.
 上:白矢印がコシボソヤンマのいた河畔林.
 中:コシボソヤンマの未熟なオス.複眼がまだ茶色.
 下:コシボソヤンマのメス.メスは成熟程度が分からない?.

ミヤマサナエはおろか,まだハグロトンボも川には出ていませんでした.こちらもあまり期待していませんでしたので,ウェーダーを履かず普通の長靴で,横の河畔林を抜けて川に降りることにしました.これがよかったのですね.コシボソヤンマのオス・メスの未熟個体がそれぞれ1頭ずつ,その林の中を弱々しく飛んでいました.特にオスはまだ力もなく,よい位置に止まるまで追い立てて何度も撮影しました.

朝一番,コシボソヤンマと戯れて,次に一昨年の成虫の観察地へ行きました.こちらはまったく何も飛ばず.まだ時期が早いのでしょうか,オナガサナエが1頭川の真ん中の石に止まっていただけでした.一歩川に踏み出したとたん,どこかへ飛んでいってしまいました.

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▲上:一昨年成虫を観察した場所,下:ナゴヤサナエの生息する川.

そこで,次はナゴヤサナエの生息する川へ,様子を見に行きました.オナガサナエもまだ早いようですから,こちらも飛ぶことはないということで,環境だけを確認に行きました.しかし,現場は立ち入り禁止措置になっていて,アプローチすらできなくなっていました.


ということで,オオイトトンボを観察に出かけました.オオイトトンボが見られたことは上で紹介しました.ここでは,それ以外のトンボについて紹介します.まずはキイロサナエです.先日見に行って,からぶり同然に終わったキイロサナエが見られました.細々と生息しているんですね.

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▲キイロサナエとそれが見られた細流.驚かせるとすぐに樹上に止まる.

次はウチワヤンマです.ここのウチワヤンマは変わっていて,小川に止まっていました.まさか小川に産卵しているということはないと思いますけどね.

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▲ウチワヤンマ.小川やその縁の柵に止まっている.

あと夏の普通種はすごく多くて,シオカラトンボは非常にたくさんいました.でも写真に撮っていないんです.だめですね.代わりにオオシオカラトンボを撮っておきました.

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▲オオシオカラトンボ.暑いのかだらんと止まっている.

無農薬にするとこれほどトンボが殖えるわけですから,最近トンボの数が激減したのは,薬品のせいであるということが,本当に実感できます.