以前はサナエ類の羽化をよく見に行ったものでしたが,最近は川のサナエの羽化を見に行かなくなりました.そこで今年は何とかダビドサナエでいいからということで,かなり確実性の高いアオハダトンボのいる環境のよい川で観察を行いました.
▲定位から静止状態まで.11:29〜11:44まで.
ダビドサナエは直立型の羽化をします.川に入ったとき,定位した幼虫がうまく目に入り,久しぶりの経過観察ができました.ゆっくりと背中が割れて,盛り上がるように肩の部分が出てきます.静止状態になる前には,足をばたつかせて,体をくねるようにして静止位置を決めます.
▲腹部を抜く瞬間.11:54.今年はこのシーンが多い(笑).
静止状態でしばらくとどまった後,ぱたっと前に手をつき,腹部を抜きにかかります.前にも書きましたが,この瞬間が一番感動的です.さほど苦労もせずに腹部を抜き去り,曲がった腹部を背中側に反らせました.
▲翅が伸びる経過.11:54〜12:18まで.
腹部が抜けると,翅が伸び始めます.直立型の場合,翅はつけ根から伸びていきます.しわの部分がだんだんと先に方に行き,最後にピンと翅が伸びきります.
▲翅が伸びた後腹部が伸びる.12:18〜12:45まで.白矢印は肛門水.
このころになると,雲が厚くなり,気温が下がって,雨までぱらついてきました.そのせいか,腹部の伸びに時間がかかったような気がします.腹部が伸びると,最後に肛門水が滴下されます.
▲翅を開いた.12:47.
突然翅を開きました.その瞬間は,ストロボを閉じていたので,暗い写真になってしまいました.その写真を確認するために羽化個体からほんの少し目を離しているすきに,飛び立ってしまい,その瞬間を確認できませんでした.これ,去年オオサカサナエの羽化でも失敗したのに,まったく教訓が役に立っていませんね.