今日は,神戸ブランドのナニワトンボを見に行きました.池に入って驚いたのは,絶滅危惧種のアサザがいっぱい自生していたことです.いろいろため池を回っていてガガブタ程度には驚きませんが,さすがにアサザが一面に咲いている群落を見ると感動しました.思わずトンボを忘れて,カメラを向けた次第です.神戸のRDBでは,「今は見られない」の絶滅種になっていますので,これは大発見か,と思って水辺ネットワークの方に連絡したら,既に知っておられて,誰かが投げ込んだんだろうというお話でした.過去のデータがあるから「投げ込み」という可能性をはっきりと指摘できるのですね.自然を守るには,地道な調査は大切です.しかし翻ってみて,この池がアサザが自生できる環境であるという点には注目すべきです.この池はそういう意味では貴重な池だといってもよいと思います.
▲今日の観察地.下三枚はアサザ群落.ナニワトンボは向こう岸などに見られる.
池には9;30ころに入りました.もうオスたちはメスを待って,岸辺に陣取っていました.ここのナニワトンボは,他の池で見るように日陰に止まっているのが多いのですが,日向に出て活動している個体が結構いて,静止個体はそれを中心に撮影しました.
▲上4枚:日向で静止するナニワトンボのオスたち
下3枚:日向でタンデムになっているペアと,交尾しているペア.
上の写真の中央の♂の複眼の色.ナニワトンボを見るのは日陰が多く,写真もストロボに頼ることが多いのですが,太陽光で撮った複眼の色のきれいなこと.マリンブルーに輝いており感動しました.タンデムで飛び回っているペアも,日向に出ているものがいて,まだ9月の中旬で結構暑いのによく頑張っている感じでした.ただ,止まっているオスは肩で息をしている?ように,翅をピクピク動かしていました.交尾は合計で3ペア見ました.すぐに木の上に上がってしまい,写真はうまく撮れません.
▲単独産卵のメス.その1.10:30ころ.
10:30ころに,初めて単独で産卵にやってきたメスを見ました.すぐ側にオスはいるのですが,気がつかないようでした.その後しばらくあちこち動き回りました.産卵のピークは11:30ころでした.
▲連結打空産卵をするペア.
ここの連結打空産卵をするペアは,オスが比較的早い段階でメスを放し,単独産卵に移行します.オスは少しの間メスの近くを飛んでいますが,ずぼらな個体は,すぐに止まってしまいます.メスが単独で産卵しはじめても,近くのオスは気づかないようです.
▲単独産卵のメス.その2,12:00ころ.
今日はメスが単独で産卵するのを多く見ました.そろそろ引き上げようかと考えているときに,足元でメスが産卵していました.枯れ葉や枝が散乱する岸辺の色と,メスの色がごっちゃになって,なかなか見分けにくかったです.
ナニワトンボがいたら当然リスアカネも,ということで,次のコーナーへ続きます.