トンボ歳時記
No.192. 兵庫県南部にある公園 /2010.8.13.

今日は薄曇りの空で,特に目的もないので,自転車で県南部の公園まで運動がてら出かけることにしました.片道1.5時間あまりかかりました.行き先は公園ですから,足元もよく,普通種をねらうにはむしろこういったところがいいのです.

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▲観察地の景観.上:入り口にある大きな池.
 下:今日の観察の中心,ビオトープ池.

実は暗黙のねらいにハネビロエゾトンボがあったのですが,これはあまり期待していませんでした.去年に引き続いて水が枯れており,ここでは繁殖はできないでしょう.別の所に供給地があればいいのですが....エゾトンボ属が本当に少なくなった気がしますし,オニヤンマの数も減っていると感じます.温暖化が原因なのか,山が荒れているのか,あちこちで細流や湿地が乾燥化しています.今後湿地性のトンボの状況に注目しなければならないような感じです.

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▲タイワンウチワヤンマの産卵,腹部先端から糸を引いている.

今日は自転車なので長靴を持っていません.入り口の大きな池でタイワンウチワヤンマが止まっているのを見ながら,ここへメスが来れば靴で入るか靴を脱ぐか,なんて勝手なことを考えていると,本当にメスがやってきました.オスがすぐに見つけて交尾.十数秒で終わって,メスが産卵を始めました.あわてて靴を脱いで裸足で池に入り撮影に挑みましたが,私の動きに驚いたのか,残念ながらすぐにどこかへ行ってしまいました.唯一撮れたのが,私に驚いて草陰に飛んだときに,卵が糸を引いて岸辺の草に絡まった瞬間でした.あまりに考えていた通りのことになって,少しあわててしまいましたね.それに自転車なので派手な服装ですから目立ったのでしょうねぇ.

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▲今日の普通種たち.上から,アオモンイトトンボ同色型交尾
 オオシオカラトンボ,クロイトトンボ,シオカラトンボ,チョウトンボ.

結局一番粘ったのは,上の写真のビオトープ池でした.ここではチョウトンボやショウジョウトンボがいましたので,これらのメスが産卵にやってこないかと,かなりの時間待ちました.結局は来ませんでしたね.ショウジョウトンボは,メスが特に若い個体が多く,羽化して処女飛行の個体もいました.

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▲ショウジョウトンボ.オスよりメスが目立ったがみな未熟だった.

普通種ねらいを続けていますが,意外と産卵にシーンに出会いませんね.私は写真家ではありませんが,昆虫を写真に撮るっているのは大変だと思います.結局のところ,普通種も希少種も,どちらもエネルギーは同じくらいいります.

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▲コシアキトンボのパトロール飛翔.

池へ流れ込んでいる流れが滞留したところに,コシアキトンボがいました.じっくりと飛翔写真を撮りましたが,なかなか難しい.チョウトンボも結局失敗に終わりました.今日は橙色のシャツを着ているので,これが相当に気になるのでしょうね.いくら待ってもトンボが一定の距離以内に絶対に近づきません.緑色のシャツを持っていかねばなりませんね(笑).