トンボ歳時記
No.163. サラサヤンマの観察. 2010.6.5.

今日は,サラサヤンマが飛び始めたという情報を得たので,それを観察に行きました.

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▲観察地の湿地.

朝早く出かけたので,結局10:00ころまでサラサヤンマは湿地に姿を現しませんでした.もっとも,近くの道の上を飛んでいる個体は見かけました.10:00過ぎに,オスが湿地に入って縄張りを形成しました.

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▲縄張りを形成して,テリトリー領域を飛ぶサラサヤンマ.

サラサヤンマの縄張りは,以前兵庫県北部で観察したのと全く同じで,湿地の中にある水のないくぼ地に形成されていました.

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▲くぼ地がだいたい縄張りに一致する.矢印の先にオスが止まっている.

くぼ地の上をホバリングを多用しながらパトロールし,しばらくすると,くぼ地の縁の低い位置に止まります.他のオスや他種(ヤマサナエが何度か通り過ぎた)に敏感に反応し,すぐにスクランブルします.一度ヤマサナエを追ったオスが,ヤマサナエもろとも私に体当たりしてきました.縄張りにとどまるオスは相当長時間そこにいるようで,4時間経ってもほぼ同じ縄張りにとどまっていました.

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▲くぼ地の上のパトロール.また,くぼ地の縁に止まり縄張りを監視する.

今日はかなり時間を費やしましたがメスは訪れませんでした.今日のオスはまだ若い個体で,この地域のトンボの発生はまだ少し遅れているように感じました.