トンボ歳時記
No.154. やっと出会ったホンサナエ. 2010.5.16-(1).

今日もホンサナエを探しに出かけました.キイロヤマトンボが飛ぶ川に出かけ,様子を見ました.朝9:00過ぎでしたが,ムカシヤンマのようなトンボが1頭樹上に舞い上がったのを見ただけで,それ以外全くトンボの姿を見ませんでした.そこで,田園地帯の谷へ出かけました.

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▲未熟な成虫がよく入る谷.
 小径の右側に湿地状の細流があって,そこに何種類かのトンボが生息する.

現地に到着し,日射しが暖かい小径を歩いていると,ふと地面に止まるのを見つけたのが,なんとホンサナエのまだ未熟なメス.思いもよらない場所でしたが,やっと出会うことができました.この谷に入っているということは,この谷の入り口にある川に生息している可能性が高いということです.ここでは,去年ヤマサナエの未熟な個体も見ていますので,可能性はあるでしょう.

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▲上:やっと出会えたホンサナエ,下:タベサナエのメス.

ホンサナエ以外のサナエトンボは,去年と同じく,タベサナエとオグマサナエがいました.タベサナエは小径横の水路や奥の池で羽化しているのを今年見ていますが,オグマサナエはどの池から羽化しているのでしょう.一度確かめる必要があります.

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▲上:アサヒナカワトンボ,下:ニホンカワトンボ.

この谷には,アサヒナカワトンボとニホンカワトンボが混じって飛んでいます.アサヒナカワトンボは,小径横の水路が発生源である可能性が高いと思いますが,ニホンカワトンボはよく分かりません.この谷には三面張りの小川が流れているので,それに沿って本流から上がってきているのかもしれません.

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▲上:ハラビロトンボの未熟なオス.
 下:シオヤトンボの未熟オス(左)と羽化直後のメス(右).

あとシオヤトンボの数が多かったです.ただし,写真でも分かるように,まだ羽化直後の個体もいます.中には青白粉をふき始めたオスもいましたが,いずれにせよ5月中旬に未熟なシオヤトンボが多数いるということは,この谷はまだトンボにとって4月下旬の生物季節といえますね.