昨日は池に行ったので,今日は川へ出かけることにしました.その前に少し寄り道をして,宝塚市の方まで,タベサナエやオグマサナエを見に行ってきました.
▲山道にツツジがきれいに咲いていた.
ツツジがたくさんあって,とてもきれいでしたので,一枚撮ってしまいました.まあ,トンボの季節感をかもし出すためには,こういう脇役は大切です.
▲上左:調査池の風景
上右:水際にタベサナエの羽化殻が8つついていた.
下:山道の横を流れる水路から羽化していたタベサナエオス.
ここは去年来たところで,道にオグマサナエやタベサナエが止まっていたのですが,まだ道に出てきて休んでいるトンボの姿は見られませんでした.見たのは,タベサナエが山道横の水路から羽化しているのと,草に止まっていたサナエが,足音で驚かせたためか,樹上へ飛び去るのを見ただけです.
ここもまだ季節は早いと感じました.今年はやはり少し昨年よりは遅そうです.
さて,目的の三田市の川へ行きました.まずはニホンカワトンボの羽化個体の探索です.去年は,4月29日には,未熟なニホンカワトンボがたくさんいて,タベサナエやダビドサナエも道に出てきていました.今年はどうでしょう....
▲ニホンカワトンボの未熟なオス.
ニホンカワトンボはいましたが,わずか3頭だけの目撃です.まだほとんど羽化していないようです.昨年は道路にもたくさん舞っていましたが,道路にはまだ全く姿はありませんでした.
そこで,幼虫をすくってみて,水の中の状態を調べてみることにしました.少し移動して水に入る場所へ行ったとき,「あっ」と思わず声を出してしまいました.川が浚渫されている.....
▲上:浚渫されたアオハダトンボの生息場所.
下:同じ場所の昨年の状態.
浚渫された場所は,去年アオハダトンボがたくさん産卵していたところでしたが,根こそぎやられてしまいました.あーあ,こうやって生息地がだんだんとつぶされていくのですね.ただ,この写真の奥の方や,ここより下流側はまだ手つかずでしたが,時間の問題のような気がします.この川のアオハダトンボも数が非常に減っていて,このポイントがアオハダトンボが群れている最後の砦みたいな感じだったのですが,ここがやられると,かなり大きな打撃になる可能性があります.兵庫県北部の産地も,こういった浚渫によって,産地が失われてきましたから.....
まあ,気を取り直して,残されたポイントで網を入れてみました.いましたいました,まだ春のトンボたちは幼虫で水の中にいる状態です.ダビドサナエもたくさん網に入りましたし,春一番のタベサナエもいくつか網に入りました.アオハダトンボやグンバイトンボはここでは健在でした.
▲網に入った幼虫たち.
上:アオハダトンボのメス.
2列目左:ヤマサナエ,右:タベサナエ
3列目左:ダビドサナエ,右:オジロサナエ
4列目左:コオニヤンマ,右:コヤマトンボ
下:グンバイトンボ
ここに写っている幼虫たちのなかまで少し上流にいた連中は,浚渫の際のショベルカーで砂泥ごとすくい上げられて,何千・何万という数が死んだのでしょうね.ここは非常に幼虫の密度の濃いところでしたから....