トンボ歳時記
No.084. わずかの晴れ間に近くのポイントへ. 2009.7.26.

このところ週末に雨が降ることが多く,開店休業状態です.今日も雨の予報でしたが,早朝,ほんの少し晴れ間が出たので,神戸市北区にある昔からの観察ポイントへあわてて出かけてきました.ここは水田横の湿地でモートンイトトンボが発生しているところなのですが,季節が進んだのか,もうその姿はありませんでした.

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▲今日の観察地にある池.水田は放棄され,周りは荒れ地になっている

水田の畦を歩くと,ホソミイトトンボの夏型が飛んでいました.今年は川ばかりへ出かけているので,止水域の季節がずいぶんと進んでいるのを感じました.

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▲ホソミイトトンボ夏型のオス.

キイトトンボのメスが草むらで摂食をしていました.完全な緑色型のメスです.池によっては,黄色型のメスばかりが目につくことがあるのですが,ここでは,3頭見たメスはどれも緑色型でした.

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▲キイトトンボのメス(緑色型).黄イトトンボというより緑イトトンボだ

老熟したハラビロトンボが,まだまだ元気に水田を飛んでいました.その横ではオオシオカラトンボが我が物顔で飛んでいました.

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▲左:オオシオカラトンボのオス,右:ハラビロトンボのオス

真夏のトンボたちは明るい開けた場所で活動をしていますが,林の中ではひっそりとヒメアカネが秋の訪れを待ちながら止まっていました.一方で,リスアカネはもう繁殖活動に入っています.昨年も7月20日ころに産卵活動を見ています.リスアカネは夏に産卵を始めるアカトンボのようです.

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▲左:池に出てメスを待つリスアカネオス,右:林の中で静止するヒメアカネメス

これ以外には,水田でギンヤンマやシオカラトンボが羽化していました.また池ではチョウトンボやショウジョウトンボも飛んでいました.ヤブヤンマも1頭目の前を横切りました.ウスバキトンボはまだ数が少ないですが,ふわりふわりと飛んでいました.

まだ梅雨明けもしていませんが,これからが夏のトンボの本番でしょう.