以前採集してきたヒメサナエの幼虫が,先日自宅羽化しました.そこで,そろそろ成虫が活動をはじめているだろうということで,産地へ出かけてきました.まだヒメサナエは未熟だろうと思われるので,朝の摂食時間帯をねらって,川のそばにある草地を探索することにしました.
▲産地の川のようす.
最初にお目にかかったのは,アジアサナエ属のメスでしたが,写真で確認すると,どうもヤマサナエのように見えます.腹部横の黄色の斑紋がキイロサナエより後方まで伸び,長い.残念ながらそばに寄れなかったので,確認はできませんでした.また少し歩くと,小さなサナエが舞い降りてきました.翅がぼろぼろになったダビドサナエでした.
▲左:ダビドサナエ,右:アジアサナエ属のメス.多分ヤマサナエ.
どんどん上流に進み,樹林の際まで登っていくと,川から小さなサナエが飛び上がりました.それがしばらくすると葉上に下りてきました.腹部横の独特の黄色の斑紋が見え,ヒメサナエのメスであることが分かりました.
▲ヒメサナエのメス.まだかなり若い感じがする個体である.
少し日が射し始めてからは,1匹,また1匹と小さなサナエトンボが見つかりはじめました.結局,ヒメサナエ,オジロサナエなどを数頭確認することができました.
▲ヒメサナエのオス.もう川にでて縄張りを形成している.
川に戻ると,オジロサナエの羽化や,コオニヤンマの産卵なども観察でき,同時に,淡色部が薄緑色をした成熟オスが,石の上に止まりました.もう繁殖活動をはじめているようです.
▲左:オジロサナエオス,右:コオニヤンマの産卵.
1時間ほどの間でしたが,春のサナエトンボから夏のサナエトンボまでが入りまじった,ある山間部の上流域の風景でした.
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