ホンサナエの観察はこれくらいにし,空の雲が切れてきたので,このまま神戸市北区の川へ,ヤマサナエを見に出かけました.
▲観察地の北区の川.水はきれいで,雨の予報でも天気も上々.
最初に出迎えてくれたのはキイロサナエでした.神戸市内で羽化を見るのは,本当に久しぶりです.この冬に幼虫を確認していますが,成虫を見るのはやはり嬉しいものです.
▲キイロサナエオスの羽化.
ゆっくりと観察をして,続いて上流に向かって川を歩いていきました.ニホンカワトンボの数が非常に多く,あちこちで飛び立ちます.タンデムになったペアが飛び立ち,葉上で移精行動を始めましたので,写真を撮りました.交尾と違って,移精は一瞬で終わるので,なかなかシャッターチャンスがありません.
▲ニホンカワトンボの移精行動.移精は十数秒で終わり,すぐに交尾態になる.
さらに少し上流に向かっていくと,産卵に出会いました.カメラを5cmまで近づけても逃げる気配もありません.
▲流れの中の枯れ枝に産卵している淡橙色型のメス.水がきれい.
そうこうしていると,すぐそばに,ハーレム状態のオスがいました.産卵に適した倒木に陣取って,周りでメスが3頭産卵しているのを見守っています.そこへさらにメスが来て,それをつかまえて交尾.交尾後このメスも3頭に混じって産卵を始めましたので,きっと産卵している3頭も,このオスと交尾したものでしょう.
▲ニホンカワトンボの縄張りと,その中で産卵するメス,さらに交尾をするオス.
よくみるとあちこちで産卵が行われています.今日はニホンカワトンボの産卵デーという感じで,十分に,飽きるほど,観察を堪能しました.
この他には,コヤマトンボを1頭,クロスジギンヤンマのオスを1頭目撃しました.結局目的のヤマサナエは見つけることができませんでしたが,思いつきで出てきた割には十分に成果があった3時間でした.