故十亀静彦氏は,宝塚市にムカシヤンマが産することを報告しています(十亀,2008).今日は,その報告の後を追って,そのムカシヤンマの産地を訪れてみました.
▲十亀氏が報告した付近の(と思われる)わき水の状態.
結果から言いますと,十亀氏の報告時の状態よりやや乾燥化が進んでいるようで,わずかにわき水湿地が広がるものの,ムカシヤンマの痕跡(羽化殻や幼虫)を見いだすことはできませんでした.しかし,まだあきらめるのは早いので,もう一度成虫の飛ぶ時分に訪れてみようと考えています.
ムカシヤンマは見られませんでしたが,近くの谷津に広がる農道には,たくさんのサナエトンボが飛んでいました.調べた限りでは,オグマサナエとタベサナエで,フタスジサナエは含まれていませんでした.
▲イノシシよけの電線を固定する杭に止まるオグマサナエのメス.
特にタベサナエが多く,道にできた轍の跡にわき水がたまってできた湿地や,農道の横を流れる溝川の上で,追いかけ合いをしていました.
▲花にとまるタベサナエ.別に蜜を求めているわけではありません.
農道の近くにはヒルムシロ類の繁茂する池もあり,トラフトンボが2頭飛んでいました.
▲ヒルムシロの繁茂する池.
ホソミイトトンボも10頭ほど,またここにもタベサナエがいて,クロスジギンヤンマの羽化殻も2つついていました.おそらく外来魚も入っていなくて,なかなかおもしろそうな池です.
▲クロスジギンヤンマの羽化殻(左)と採集確認したホソミイトトンボ.
<参考文献>
十亀静彦,2008.ムカシヤンマの観察記録.Sympetrum Hyogo, 10:7-8.
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