神戸市内にはアオサナエの確実な産地がないので,お隣の三田市へアオサナエを見に出かけてきました.以前は感動するくらい水がきれいだったこの川も,ある地点から下流ではアオミドロが発生し,底の石には灰褐色の藻が繁茂しています.上流の方に行けばまだましで,少し昔の面影が残っています.それでも川底にはオオカナダモなどの外来種が密に繁茂しており,この川の本来の景観でないことは確かです.この川では,アオサナエ(写真左:同地)の他,アオハダトンボ,タベサナエ,ヤマサナエ,ニホンカワトンボなどが見られます.
アオサナエは意外と簡単に採集できました.アオサナエ幼虫は硬いクチクラを持った斑紋のコントラストがきれいな幼虫です.腹部第7節背面に淡褐色の斑点が出る個体とそうでない個体とがあって,写真下の左側の方が出ていないもの,右側の方が出ているものです.
▲アオサナエ幼虫.レキ底で生活する.ヒラタドロムシが横にいる(右)
アオサナエ以外には,コオニヤンマ2頭,ヤマサナエ3頭,ダビドサナエ10頭程度,コヤマトンボ3頭,アオハダトンボ属幼虫4頭,オニヤンマ1頭を採集しました.このうちダビドサナエは,砂泥中よりレキの多い砂中に多く見いだされたのが印象的でした.アオハダトンボ属幼虫は,この齢期ではハグロトンボかアオハダトンボかは区別がつきません.
▲コオニヤンマ幼虫(左)とアオハダトンボ属幼虫(右)
水は清浄でアミメカゲロウ類やヌマエビ・スジエビ類などは非常にたくさんいました.またヨスジシマドジョウやカマツカもそこそこ網に入り生物相は豊かですが,トンボの幼虫は意外と網に入らない感じでした.
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