H006. ニホンカワトンボ Mnais costalis
<特ちょう>
ニホンカワトンボはカワトンボ型の幼虫です.体全体が固い感じです.写真3のように,
尾さいの長さは腹部の長さの半分か,それより少し短いくらいです.
尾さいは固く,両側の
尾さい(
側さい)はぶ厚く,中央の
尾さい(
中央さい)はうすく板のようです.
触角(しょっかく)は第1節が長くなっています.写真2上のように,
側さいの後ろの角は,角ばっています.
<よく似た幼虫との区別>
ニホンカワトンボは,
アサヒナカワトンボととてもよく似ています.写真3のように,ニホンカワトンボの方が,
アサヒナカワトンボよりひとまわり大きくなっています.それ以外でいちばんよく使われる区別点は,
尾さいの形のちがいです.写真2のように,ニホンカワトンボでは,後ろの角が角ばって,とがっています.それに対して
アサヒナカワトンボでは,角ばらず,まるい感じです.ただし,
尾さいはちぎれて再生するときがあり,そのときは,ニホンカワトンボでも,角ばらずまるいときがありますので,注意してください.
<さがす場所のヒント>
ニホンカワトンボは川の住人です.兵庫県では,かなり上流から,平地をゆったりと流れる川にまで,はば広く生活しています.写真4のように,メスは川にころがっているかれ木に,好んで,卵を産みつけます.成虫は春に現れます.産みつけられた卵はすぐにかえって幼虫になり,秋までには
終齢幼虫になります.幼虫は,川の落ち葉の下などにもぐりこんで生活しています.
写真4.川に転がっている,しめったかれ木に,産卵しているメス.