H029. ネアカヨシヤンマ Brachytron anisopterum
<特ちょう>
ヤンマ型をした幼虫で,全体に角ばった感じがします.ネアカヨシヤンマには,ほかのヤンマの幼虫にはない大きな特ちょうがあります.それは背中にとげ(
背棘:はいきょく)があることです.腹の背中の先のほうを見てみましょう.下の写真2のようにとげがあれば,ネアカヨシヤンマに間違いありません.ほかのヤンマには,ここにとげのある幼虫はいません.そのほか,写真3のように,腹の横の部分にもとげ(
側棘:そっきょく)があります.
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写真2.ネアカヨシヤンマの背中のとげ.第8,9節にあります. |
写真3.ネアカヨシヤンマの横のとげ.第5〜9節にあります. |
<よく似た幼虫との区別>
ネアカヨシヤンマにそっくりな幼虫に,
アオヤンマがいます.でも,アオヤンマには背中のとげがありません.
<さがす場所のヒント>
この幼虫は,浅い湿地(しっち)や小さな水たまりで生活しています.ふつうの池でも,岸の部分に浅い湿地のようなじゅくじゅくしたところがあれば,見つかることがあります.成虫は,下の写真4のような,水のない泥(どろ)の上で卵を産んでいます.ここは雨がふると水につかって,卵からかえった幼虫が生活できるようになります.ですからそういったところにある水たまりで幼虫がとれます.羽化を観察したいときは,6月のはじめくらいにとりに行くとよいでしょう.そのころに羽化が近い
終齢幼虫が見つかります.秋から冬にかけての幼虫は小さいので,飼って羽化させるのはむずかしくなります.
写真4.ネアカヨシヤンマの産卵.ネアカヨシヤンマは夏に水がなくなるような湿地に卵を産みます.