■見分けのチェックポイント
羽化殻全長37mm前後.クチクラは比較的薄い.細長い羽化殻で,特に腹部第9節が長く,3.5mm前後(大野,2018).前肢・中肢脛節先端の突起がない.側棘は腹部第6節から第9節に存在する.背棘は小さなものが腹部第9節に存在する.触角第3節は棒状で細い.下唇側片を閉じたとき,内葉片先端は交差せず,先端がふれあう程度である.内葉片先端は鈎状に曲がり鋭く尖っている.下唇前基節がやや濃い褐色をしている(大野,2018).
■分布と類似種
北海道から九州に至るまで,飛び飛びの都道府県に分布している.分布が重なっている府県では他のメガネサナエ属の可能性を考慮して,同定作業を進める必要がある.
■生態
成虫は幅広い川の中流域から下流域にかけて生息している.幼虫は岸近くの浅いところでも採集できる.兵庫県の観察でも,吉田(2018)が言うように,底質は粘土混じりの砂泥底の場所である.羽化は,岸の護岸壁,石積みの上,岸辺の植物の葉につかまったりして行われる.