■見分けのチェックポイント
羽化殻全長40mm前後かそれ以上.クチクラは比較的薄い.細長い羽化殻で,特に腹部第9節が長く,4.0mmを超えることが多い(大野,2018).前肢・中肢脛節先端の突起がない.側棘は腹部第6節から第9節に存在する.背棘は明瞭なものが腹部第9節に存在するが,腹部第8節後縁正中線上にも小さな出っ張りが見られる個体がある.触角第3節は棒状で細い.下唇側片を閉じたとき,内葉片先端が交差する(白神ら,2014).内葉片先端は鈎状に曲がり鋭く尖っている.下唇前基節はメガネサナエ属中では最も長い.
■分布と類似種
青森県,秋田県,宮城県,茨城県,埼玉県,東京都,新潟県,福井県,長野県,愛知県,滋賀県,京都府,大阪府,奈良県,兵庫県の各都府県に分布,または記録がある.愛知県でメガネサナエ属3種が見つかっており(吉田,2018),同定には注意を要する.京都府,滋賀県,大阪府の各府県では,オオサカサナエと同所的に羽化殻が付く可能性があるので,注意して同定作業をする必要がある.
■生態
成虫は湖岸や大きな河川の湖への流入口付近をよく飛んでいる.幼虫はかなり深いところで生活しているようで,粘土混じりの砂泥底(吉田,2018)にいるという.羽化は,岸の護岸壁や石積みの上で行われる.