トップ写真の解説
メスは波打ち際にやってきて卵塊をつくり,寄せ来る波頭に打水します.なかなかダイナミックな産卵です.この日は台風の影響で風が強く,湖岸にオスはほとんどいませんでした.安心したのかこのメスは悠然と長時間産卵を続けました.本種は元来兵庫県には分布しませんが,神戸市の須磨海岸で偶然飛来した1個体の採集記録があります.
波打ち際で産卵しているメス.2017.9.3., 滋賀県.
成虫
多くの個体は7月中旬から8月上旬にかけて羽化します.8月後半には水域に帰ってきて,オスが湖の岸に止まり始めます.メスは波打ち際で産卵します.湖のオスはよく止まりますが,河川に生息するオスは,結構飛び続けています.普通9月の下旬まで見られます
湖岸でメスを待つオス.腹部先端は著しく広がっている.2009.9.6., 滋賀県.
幼虫
メガネサナエは湖岸で羽化します.早朝や夕方に羽化するのを見ることが多いです.このように8月下旬にも少数見られることがあります.幼虫は数メートルの深さに生息しているようで,貝引き網などにときどき幼虫が入るといいます.羽化の時に岸辺に泳いでくるのですが,体長15cm以上のブルーギルがたくさん羽化場に集合し,泳いでくる幼虫をねらっているのを見たことがあります.これではさすがに数は減るでしょうね.
羽化殻.2010.8.28., 滋賀県.