■見分けのチェックポイント
羽化殻全長31mm前後.厚いクチクラで覆われ,全体的に固い感じがする.終齢幼虫では翅芽が大きく左右に開いていて他種と異なる外見を有するが,羽化殻では翅芽はほとんどの種で開いているので,区別点として用いるには注意を要する.側棘は腹部第2節から第9節にまで存在する.背棘は先端が尖らず丸まっており,腹部第2節から第9節にまで明瞭なものが存在する.下唇側片の内葉片先端は尖らず円い.下唇中片は丘状に円く突出している.触角第3節は棒状である.
■分布と類似種
青森県より南の各都府県に分布するが,中部・関東・東北地方ではかなり産地は限られる.一見した外観はオナガサナエに似ている.オナガサナエは触角第3節がだ円形で,側棘も腹部第7節から第9節にしかなく,それらを確認すれば間違うことはない.
■生態
清浄な河川中流域の瀬や淵の岸近くで,礫や砂が混じっているような底に潜って生活している.大きな湖にも生息していることがある.羽化を観察したことはないが,夜間に行われているようである.幼虫期間は2年以上である.