トップ写真の解説
春早くに出現するトンボの一つです.オスは,ヨシ原をせわしなく飛び回って縄張りをパトロールします.生息密度が高いと,しょっちゅう追尾行動を繰り返しています.そんなところへメスが産卵に来ると,オスはすぐにタンデムとなり,短時間交尾した後,メスの産卵を警護します.メスは短い間隔で打水産卵を繰り返します.動きがすばしこく,写真には撮りにくい対象です.
産卵に来たメス.2018.5.1.
成虫
ヨツボシトンボは,兵庫県下においては,一年一化の春季型トンボです.ベッコウトンボにおいては,越冬中の幼虫はすべて終齢幼虫になっていますが,ヨツボシトンボでは一部亜終齢幼虫が混じる点が異なっています.産卵は典型的な連続打水産卵です.水を前方に飛ばすように打水しています.
縄張り活動中のオス.2010.5.15.
幼虫
幼虫はシオカラトンボ属と体型が似ていますが,やや丸みが強く,背棘がはっきりとしています.終齢・亜終齢幼虫で冬を越し,それらが春に羽化をして,産下された卵が短期間で孵化して,夏から秋にかけて幼虫が成長するという生活史を持っています.
スタジオ写真.2009.5.2.