トップ写真の解説
羽化してまだ間もない若いメスです.池から100mほど離れた草地で見つけました.枯れ草と同じような色彩で目立ちません.ここには,未熟なオスやトラフトンボの未熟な個体などもいて,春の日差しを受けながら成熟を待っていました.
未熟なメスの静止.1993.4.22.
成虫
兵庫県下では典型的な一年一化の春季種です.すなわち,個体群のすべてが終齢幼虫で越冬し,翌春に短期間で一斉に羽化します.だいたい4月の中下旬に羽化が行われます.羽化した成虫は付近の草原に潜り込みます.そのころの草原はまだ冬枯れが残り,ベッコウトンボの体色がそれにとけ込みます.4月下旬にはからだが黒くなった成熟成虫が水辺に現れ始めます.その後5月いっぱいまで繁殖活動が見られ,6月中には成虫が姿を消します.産卵は単独打水産卵です.
成熟したばかりのオス.2001.4.29.