H101.ベッコウトンボ Libellula angelina
生息環境の写真
生息環境
 元来は,氾濫原にあって,できからてあまり時間が経っていないような池を求めて平地を飛び回っていたのではないかと推察されます.それは,海岸の埋め立て地にできた水たまりなどに大量に発生することがあるからです.氾濫原である平野が開発され移動できる環境がなくなったとき,平地や丘陵地の池に遺存的に生き残った個体群が見られることになります.現在残された多くの産地は,こういった状況にあるのではないでしょうか.池は放置しておくと遷移が進みますので,ベッコウトンボにとって棲みにくくなり,一方で移動するにも移動先がない,といった状況が生じ,消えていくと私は考えています.ベッコウトンボはいわゆるr-戦略者なのでしょう.環境が安定してくるとK-戦略者に負けていくのだと思われます.そういう意味で,ベッコウトンボの保護には,生息地に適度な攪乱を加えるのが必要ではないかと思っています.
貧栄養でヨシやガマなどが繁茂する池.