デジタルトンボ図鑑
ミナミヤンマ科 Chlorogomphidae Needham, 1903
 ミナミヤンマ科は,国内では1属3種2亜種が分布している.四国南部,九州南部,薩南列島(種子島・屋久島・黒島・口之永良部島),トカラ列島(中之島・口之島),奄美大島,徳之島にはミナミヤンマ Chlorogomphus brunneus costalis が,沖縄島(北部ヤンバル地域)にはカラスヤンマ Chlorogomphus brunneus brunneus とオキナワミナミヤンマ Chlorogomphus okinawensis が,慶良間諸島(阿嘉島・渡嘉敷島)にはアサトカラスヤンマ Chlorogomphus brunneus keramensisが,そして西表島にはイリオモテミナミヤンマ Chlorogomphus iriomotensis が,それぞれ分布している.同定上注意を要するのは,沖縄東北部のオキナワミナミヤンマ♂とカラスヤンマの♂の区別であるが,カラスヤンマの♂の翅の先端には小さな褐色斑があるので区別できる.

図1.ミナミヤンマ科各種の分布地域.
図1.ミナミヤンマ科各種の分布地域.
渡瀬線以南のミナミヤンマ科の分布する島々には必ずハブ類が分布している.
 渡瀬線(悪石島と小宝島の間とする)以南のミナミヤンマ科の分布する島々には,必ずハブ類が分布している.逆は言えない.さまざまの生物の分布とハブ類の分布が重なることがよくいわれているが,ミナミヤンマ科の分布もそれに当てはまるので,南西諸島の地史を考察する上で興味深い.
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ミナミヤンマ科 Family Chlorogomphidae

ミナミヤンマ属
Genus Chlorogomphus
115. イリオモテミナミヤンマ
 Chlorogomphus iriomotensis
116a. カラスヤンマ
 C. brunneus brunneus
116b. ミナミヤンマ
 C. brunneus costalis
116c. アサトカラスヤンマ
 C. brunneus keramensis