No. 883. アカトンボとオオアオイトトンボ。2022.10.13.

今年はアカトンボ類が少ないように感じています.9:30,まず最初に近くのオオキトンボがよくやってくる池をのぞいてみました.少し風は強いですが,暖かい日差しが指し,池の畔に水草も生えていて,環境としてはよい感じでした.池の縁を半周しましたが,トンボが全くいませんでした.ちょっと信じられません.全くいないなんて.どういうこと?

そこで,確実にトンボに出会えるところへ行くことにしました.そこには,ネキトンボ,キトンボ,コノシメトンボがいます.まずはネキトンボ.10:30頃に着いたときトンボの姿が少なかったのですが,日が射したとたん,ネキトンボがぷわーっと現れ,産卵を始めました.秋のトンボは日差しに誘われますね.


▲日が差し始めるとあっという間にあちこちでネキトンボの産卵が始まった.▲

多くのネキトンボがペアで産卵していますが,あぶれているオスも結構いて,時々水面を飛んでメスを探しているようです.メスを見つけると,タンデムになって,池を少し離れます.


▲あぶれたオスが単独で水面を飛んでいる.▲


▲メスを捕まえると,ペアはいったん池を離れる.▲

ネキトンボの産卵を横目で見ながら,キトンボを探しに行ってみました.キトンボは1ペアだけ,岸近くで産卵していました.しかし日陰で暗く,ピントが甘い写真ばかりになりました.


▲産卵するキトンボ.▲

ネキトンボが産卵し始めてから30分ほどしたとき,コノシメトンボがちらほら産卵に入ってきました.今年はコノシメトンボの数が少ないようです.去年などはネキトンボを凌駕するほどたくさんいたのですが...


▲産卵するコノシメトンボ.下2枚のメスは腹部背面が赤いタイプである.▲


▲コノシメトンボの打水は結構深く水をかいている.▲

やはりいるところにはいることが分かり安心しました.

今日の午後は,ルリボシヤンマを見に行くことにしていました.高速に乗って移動し,ルリボシヤンマが飛来する池に行きました.池に着いてほどなく,1頭のルリボシヤンマのメスが入りました.産卵場所を探すような仕草をしましたが,池の周囲を数回飛んで,飛び去っていきました.去年も同じような動きを見たのですが,この池は産卵に適していないのかもしれません.

ルリボシヤンマはそれだけでしたが,オオアオイトトンボがたくさん木の枝の間を飛び交い,繁殖活動を始めていました.


▲木の枝の間を動き回るオオアオイトトンボのオス.▲


▲かなり高い木の上でもたくさん活動していた.▲


▲木の枝先に止まって交尾をするペア.▲

オオアオイトトンボは,タンデムで長時間過ごします.午後になると繁殖場所ではタンデムのペアがたくさん見られますが,それらはだらんとぶら下がったり,あちこち飛んで,いろいろなところに止まったりして,時間を潰しているように見えます.


▲タンデムペアは,木の中だけでなく,あちこち飛んで移動し時間を潰している.▲

飛び回っている間に交尾をします.交尾は複数回行われることもあります.産卵管を突き立てる行動をとることもあります.ただし実際はまだ卵を産下していないようです.


▲飛び回っている間の産卵管を突き立てる行動.実際には産卵をしていないようだ.▲

産卵管を突き立てる行動をしたあとにもう一度交尾をする場合もあります.下の写真は木の枝の形から同じペアがということが分かります.この産卵の動きをとったあと,再び交尾をしました.ただ,最初の内は何度も失敗しましたが...


▲産卵行動を行ってから再び交尾するペア.▲

久しぶりにオオアオイトトンボがたくさん活動する姿を見ました.やはりオオアオイトトンボは秋本番になって気温が下がらないと本格的な繁殖活動に入らないようです.今日は午後はどんより曇って,気温も18℃ほどでしたが,平気で飛び回っていました.低い気温に強いトンボです.

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