No.784. トンボは次の季節に.2021.5.29.

今日は朝から青空が見えていました.昨日のロケハンでは,トンボが次の季節に移り初め,今が端境期の様相を呈していました.この時期はアオサナエが一番最盛期なので,大雨が降って二日目ですので,まず川の様子を見に行きました.残念ながら,まだ水位は高く,ちょっと入るのにはばかられる感じでした.ただ水がきれいになっており,増水によって泥や藻に巻き付く藍藻類などがきれいに流され,清流になっていました.アオハダトンボが足下を飛びました.これ以外に姿はまだ見えませんでした.

▲アオハダトンボのオス.複眼が茶色で,まだ羽化して間もない個体だ.▲

アオサナエはあきらめ,次に,いつもヤマサナエが集まっている某公園に,状況を見に行きました.しかし今年はまったくヤマサナエの姿を見ません.ここでは通常6月上旬には老熟する感じなのですが,本当に姿がありません.兵庫北部でも同じようなことを経験しました.どうも今年はヤマサナエの少ない年のように思います.ヤマサナエは昨日のロケハンの場所へいずれ出かけてみることにします.ここでは,フタスジサナエとタベサナエが生き残っていました.ただ,個体数はもうほとんどこれのみという感じでした.

▲フタスジサナエのオス.▲

▲タベサナエのオス.▲

次は池のトンボの移り変わりを確認することにしました.コフキトンボから見に行くことにしました.5月の下旬には羽化して出てきます.昨年群れていた池に行ってみることにしました.コフキトンボはまだ個体数は少なかったですが,十分成熟している個体もいて,個体群の一部はもう活動を始めているといった感じでした.

▲クロイトトンボを食するコフキトンボの成熟オス.▲

▲コフキトンボの未熟オス.▲

▲コフキトンボのメス.▲

そして驚いたのは,ウチワヤンマがすでに活動を始めていたことでした.この十数年でウチワヤンマの活動時期が早くなっているようです.さらにオオヤマトンボも飛んでいました.オオヤマトンボは産卵もしていましたが,写真にはなりませんでした.その後でオスがメスを連れ去るところを見ました.また産卵に来ていたのでしょうか.

▲5月下旬にもう池に出て活動を始めているウチワヤンマのオス.▲

▲オオヤマトンボのパトロール飛行.▲

今日の最後は,アオモンイトトンボのいる池に,イトトンボを探しに行くことにしました.クロイトトンボがいましたが,この池に以前いたセスジイトトンボは見つかりません.本当にセスジイトトンボの数が減っているように思えてなりません.以前セスジイトトンボがいた池のあちこちにアカミミガメがいて,タヌキモなどの沈水植物が消えてしまっています.まだ感覚ですが,兵庫県では,かなり深刻な状態ではないかと案じています.アオモンイトトンボは,スズメノヒエ類に産卵できますので,あまり減らないのでしょう.

▲アオモンイトトンボはたくさんいて,二化目と思われる小さな個体が多くいた.▲

ここには,真っ赤なショウジョウトンボも活動をしていました.この時期に川に入れないと,見るトンボがないというのが正直な気持ちです.

▲ショウジョウトンボのオス.▲

明日は快晴になりそうですが,どうしましょうか.

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