トンボ観察記
No.561.兵庫県のトンボ写真がオンラインジャーナルの表紙に…

まだトンボ観察記の再開はできないのですが,一つうれしいお知らせを.といっても自慢話になってしまうかもしれませんが(スミマセン!).私の撮った写真が Ecological Society of America のオンラーンジャーナル ECOSPHERE 2017年11月号の表紙に採用されました.兵庫県加西市で撮影したギンヤンマの連結植物内産卵の写真です.日本人のトンボ愛好家にはめずらしくもないパフォーマンスかもしれませんが,やはり大型のヤンマの連結産卵は海外ではそれなりにインパクトがあるのでしょうね.

これが採用されたのは,その前々号9月号に,NORIKO IWAI さんが筆頭著者になった論文,Examination of the link between life stages uncovered the mechanisms by which habitat characteristics affect odonates の一著者として私が参加させていただいたという経緯からでした.この論文は,国立環境研究所の生物多様性チームの方々と兵庫県南部のため池のトンボの調査をした結果を分析して書かれたものです.私のトンボ歳時記でも,2008年あたりの記事にため池調査をしていることが記されていますが,それらがこの論文のもとになっている調査です.

この論文が明らかにしようとしたのは,この表紙写真の解説に端的に書かれています.それは「トンボ成虫が幼虫の個体群(群集)に影響を与えているということ,そしてトンボ成虫は陸上や水域の環境要素によってその個体群(群集)が決まってくる」ということで,我々が普通に感じていることをデータをもとに解析したものです.ご興味があれば読んでみてください.