トンボ観察記
No.525. オジロサナエの観察.2016.7.21-24.

今年もオジロサナエの観察にやってきました.実はこの観察も今年で最後になりそうです.生息地が開発されてしまうからです.工事の槌音はもう聞こえています.そこで,連日の観察を行いました.日付は21,23,24日の三日間です.21,23日はビデオを,24日はスチル写真を中心に記録しました.

0724-008▲腹部挙上姿勢でメスを待つオス.オスはメスの来る場所をよく知っている.2016.7.23.

今年はまだこの時期,オジロサナエは早いようです.オスもメスも観察できましたが,いずれも若々しい個体ばかりです.今年はいつのも産卵場所にはほとんど来ず,少し離れた,川岸近くに砂利が堆積して浅くなっていて,小石のすき間を水がちょろちょろ流れるような場所に,複数回産卵にやってきました.まずはビデオ(最下段)で見ていただきましょう.YouTube からの配信です

では次はスチル写真で紹介していきます.これは,ビデオと同じポイントに降りてきたメスで,ビデオは7月23日,これは7月24日です.

0724-001▲降りてきてすぐに卵塊をつくり始めたメス.白い矢印の先に卵塊が見える.

産卵に降りてきたらすぐに石の上などに静止します.そして,腹端に卵塊をつくり始めます.上の写真の白い矢印ぼ部分に,卵塊ができているのが分かります.そして卵塊がある程度大きくなると,飛び立って打水する位置を決めます.

0724-002▲卵塊がある程度の大きさになると飛び立って打水するポイントを探す.白い矢印の先に卵塊が見える.

打水する位置が決まったら,2,3回,その付近に打水し,放卵します.写真のように,小石のすき間に腹端をたたきつけています.

0724-003▲打水の瞬間.小石のすき間に卵を置いているのが分かる.

あとはこれの繰り返し.2〜3分程度産卵を続けて,終われば一気に樹上へ逃げていきます.打水の瞬間が結構撮れたので,紹介しておきましょう.水がほんの少しだけ流れているような場所を選んでいるのが分かります.

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0724-007▲いろいろなポイントに放卵している.

スチル写真は,このワンチャンスでしたが,目の前に降りてきてくれたので,メスを驚かせることなく,十分に接近して,楽な姿勢で撮り続けることができました.実はカメラも新しくなっています.では最後にもう一度打水前の雄姿(いや雌姿?か)を見ながら,ここのオジロサナエたちの将来をちょっぴり心配しながら,紹介を終わります.

0724-004▲打水するポイントを見極めるメス.