トンボ観察記
No.519. ゴールデンウィークのトンボたち.2016.4.30-5.8. GW-5

ゴールデンウィークも今日で終わりになります.結構晴れの日が続き,充実した観察ができたように思います.このゴールデンウィークに見られたその他のトンボたちを紹介して,ゴールデンウィークのまとめとしておきます.

0501-07▲クロイトトンボの産卵.青色型のメス./5月1日.

0501-11▲クロイトトンボの産卵.緑色型のメス./5月1日.

まずはクロイトトンボです.トラフトンボ観察の時から数多くが水面を飛び,お昼近くになるとタンデムのペアが交尾・産卵などの繁殖活動を行っていました.クロイトトンボのメスには青色型と緑色型の多型があります.どちらも見られました.倒れたカンガレイやヒメガマの葉に産卵していました.

0504-17▲パトロールするクロスジギンヤンマのオス./5月4日.

0504-01▲クロスジギンヤンマの産卵./5月4日.

次はクロスジギンヤンマ.コサナエの観察時に,メスが3頭産卵に入りました.落ち着いて産卵したのは1頭だけでした.あとはオスがお持ち帰りしました.彼らも早春のトンボですね.十分に成熟して,元気に繁殖活動をしていました.

0505-10▲オオイトトンボ幼虫越冬世代の交尾./5月5日.

次はオオイトトンボの登場です.オオイトトンボの幼虫越冬世代は夏世代に比べて体格が大きく「大糸トンボ」の名にふさわしい.彼らの十分に成熟し,お昼前にはタンデムになって飛んでいました.数は少々少ない感じがしました.

0504-18▲ホソミオツネントンボの産卵./5月4日.

今年はホソミイトトンボやオツネントンボなどの成虫越冬種の姿を見ていません.少数のホソミオツネントンボが各地で見られました.もちろん彼らも春の代表的なトンボで,繁殖活動も早春に行われます.

0501-12▲ヨツボシトンボのオス.ヨツボシトンボはたくさんいて繁殖活動も盛んであった./5月1日.

春早くから繁殖活動を行うトンボ科の代表種は,やはりヨツボシトンボとシオヤトンボでしょう.どちらもたくさんいました.ヨツボシトンボはすばしこくてほとんど写真になりませんでした.シオヤトンボはビデオで産卵活動を紹介します(最下段).翅の音が聞こえるほど激しく羽ばたいて産卵しています.オスがしょっちゅう干渉して産卵を邪魔しています.

サナエトンボは,コサナエとフタスジサナエを重点に観察しました.オグマサナエとタベサナエの姿を,今日散歩がてらに観察してきました.

0508-01▲タベサナエの産卵./5月8日.

0508-03▲オグマサナエのオス./5月8日.

オグマサナエの産卵観察にはかなりの力がいります.去年に挑戦してやっとそれを果たしたところですが,今年は観察に行くことができませんでした.タベサナエは今日少し時間を取って,産卵にやってくるのを待ちました.全部で6回くらいの産卵を見ました.ビデオで撮影しようとしたため記録はあまりうまく録れていません.

0505-11▲ダビドサナエの未熟なメス./5月5日.

早春の,とはいきませんが,春のサナエトンボも羽化をしていました.ヤマサナエ,そしてダビドサナエです.このゴールデンウィークは池で観察していたので,ダビドサナエは明らかにどこかから飛んできたものです.ヤマサナエの方は近くに細流があって,たくさん生息しています.

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0504-08▲ヤマサナエの未熟なオス(上)と未熟なメス(下)./5月4日.

さてこの時期には,秋までずっと姿を見続けることができるシオカラトンボやギンヤンマも活動を開始しています.また今からしばらくの間活動をするハラビロトンボも,気の早い個体は成熟して繁殖活動を行っています.このうちハラビロトンボを紹介しておきましょう.

0504-20▲ハラビロトンボの成熟オス./5月4日.

春はたくさんの種類のトンボたちが活動を一斉に開始し,池が一気ににぎやかになる季節です.ゴールデンウィークが終わるこれからは,川のサナエトンボたちが盛んに活動を開始するはずです.また来週から観察を続け,ご紹介します.