新 トンボ歳時記
No.493. キイロサナエの観察.2015.6.14.

今日も昨日に続いて晴れの予報.そろそろいい時期だと思い,先日キイロサナエの羽化を見た場所へ,状況を観察に行きました.いましたいましたキイロサナエたち.細い溝川に集結していました.

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キイロサナエたちが追いかけあったり,メスを探すように水面を飛んだり,本当に久しぶりに活発に活動するのをみました.キイロサナエは自分の生活史の研究材料だったので,感慨もひとしおです.研究に使ったかつての産地は壊滅状態で,今は見る影もありません.

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オスの写真をいっぱい撮って,産卵を待ちました.メスの方は,到着と同時に若い個体が目の前に止まったので,それを写真に撮ることができました.実はキイロサナエのメスの写真が今までなかったのです.かつてたくさんいたので,いつでも撮れるなどと考えていたら,いつの間にか姿を消し,実に20年ぶりくらいに間近でキイロサナエのきれいなメスを見たのでした(羽化不全のメスは一昨年見た).

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メスは合計5頭ほど姿を見ました.少し離れたところで打水産卵する個体を発見しましたが,まるでコヤマトンボの打水産卵のようなすばしこさで,写真にはなりませんでした.あとは冷やかしで入ってきたり,オスに追われて逃げて行ったり,1頭だけ水面低く産卵したそうなメスが入りましたが,これは見失ってしまいました.ということで,産卵は記録できず...1頭だけ葉に止まって何やらもじもじしているメスを見つけ,これは産卵を始めるかと思って近づいたら,なんとヤマサナエのメスでした.

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12時ころまで観察を続けましたが,暑くなってきたのか,オスも山へ帰っていき,トンボの動きが止まりました.暑さの中で頑張っているのはオオシオカラトンボ.さすが夏のトンボです.

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一息ついてから,今度は周辺探索をしました.すると外道として面白いトンボを二つ見つけることができました.一つ目はムカシヤンマです.メスがピタッと木の柵に止まっていました.

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もう一つは,モートンイトトンボ.休耕田が湿地状になっているところに複数飛んでいました.数はあまり多くないように感じました.

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というところで,小さな場所ですが,キイロサナエが集まっているところを見つけ,今日はそれだけで満足して観察を終えました