新 トンボ歳時記
No.446. キトンボはまだまだ繁殖の盛りです.2013.12.15.

昨日は天気がよかったのですが,やはり私事があって観察に行けず,今日は朝からやや薄曇り的な晴状態でしたが,キトンボを中心としたアカトンボの観察に出かけてきました.もう生き残り調査段階に入っていますので,今年のキトンボがいつまで頑張るか,興味はそれだけになってしまいました.今日は天気の状況を見ながら,現地に11時ころ着くように出かけました.

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池に着くと,オスたちが元気に飛び回っていました.風は冷たく,私はコートを着ているのですが,キトンボたちは日向で体を温めながらも,オスどうしが追いかけ合いを続けていました.オスは全部で8頭確認できましたが,もう少しいたように思います.今日は産卵時刻を狙ってきたので,来て間もなく目の前でオスがメスを捕まえるのを目撃したかと思うと,産卵カップルが姿を現しました.

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日が射しているので,元気で産卵を続けています.しかし,今日は快晴とはいきませんので,太陽は雲に頻繁に隠れます.太陽が陰って暗くなりましたが,今日のキトンボはそれでも産卵を続けています.

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岸の方から撮ると逆光になるため,池の中に入って撮影を続けました.今日は水が少し増えていて,岸辺がかなり急激に深くなっているので,滑ってはまらないように注意しながらの撮影でした.また日が射してきました.心持ちトンボにも元気が出てきたように感じられました.

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やはり,この方がトンボがきれいに写りますね.時々休むのはいつも通りですが,このペアは約6分間産卵を続けました.この時期としては結構長い方だと思います.ところが,止まったときにまたも日が陰ってきて体感温度が下がったように感じられました.空を見上げると雲が厚くかかっており,雲の切れ目もなくなりました.このペアは飛び立てないのではないでしょうか.試しに手でさわってみることにしました.

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このペアは,手でさわると,オスが翅を振るわせて,タンデムを解いて飛び立ちましたが,メスはそのまましばらく地面に止まっていました.これ以外にも,手で触れられる状態のオスやメスがいました.また,私が歩くのに驚いて飛び立ったのはいいのですが,上昇できず,地面の上を転がりまわるように飛ぶオスもいました.これは翅をつまんでもあきらめたようにじっとしていました.

しばらく待ちましたが,日が射す気配は全くなく,彼らは池に取り残されたまましばらく日が射すまで待つしかないようになりました.

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このメスも,次に日が射すまでは,この状態でひとまずお休みですね.こんな状態のキトンボをセキレイなどが見つけたら,それこそ格好の餌になってしまいます.いつかそういった状況を確認できればいいなと思っています.キトンボのメスのことを気にしながら,今日は池を後にしました.わずか1時間ほどの観察でした.

去年もこの時期にはまだまだ活発に産卵をしていましたが,年を越すことはなかったようでした.今年はどうでしょうか.池の水がこれからどんどん増えてくるので,キトンボが嫌がる可能性もありますね.まあ,成り行き次第.次週はまたもや3連休ですが全部仕事で潰れます.トホホ.キトンボさん,年末まで生き残っていてください.