今年は川のトンボを中心に追いかけていますので,もうアカトンボが飛び交う季節になっていますが,完全にスルーして,昨日もミルンヤンマを見に行ってきました.結果は完敗!.ブログに上げる写真すらない状態でした.そこで,今日は,少なくとも成果は出るようにと,まず川のアカトンボ,そう,ミヤマアカネを見に行くことにしました.昨年は兵庫県に定着しているアカトンボ類を全種制覇したのですが,ミヤマアカネだけは時期が早かったのか産卵を観察できなかったこともあります.
午前9:00過ぎ,現地に着きますと,早速タンデムになったペアが出迎えてくれました.川は,やはり台風の影響が残っていて,岸があちこち削られ,ブルトーザーで削ったように底がむき出しになっているところもありました.
タンデムのペアがいたとはいえ,まだ朝早いので,ほとんどの個体は,オスメス単独で,草むらに休んでいました.草をかき分けて歩くと,ぱっとミヤマアカネが飛び立ち,ホバリングしたり,くるくると旋回して飛び回ったり,或いはまた一気に遠くへ飛んでいってしまう個体もありました.
まだ水量は結構多くて,ミヤマアカネが産卵するような,レキが水面に顔を出しているような浅場がありません.ミヤマアカネはそこそこいるので,まずは産卵に適した場所を探して歩き回りました.そんなことをしているとき,水際から処女飛行するミヤマアカネを見つけました.9月の末にも羽化する個体があるのですね.
また,マーキングされているオスも見つけました.多分H1-87と書かれています.ここのミヤマアカネは,兵庫県立人と自然の博物館で移動調査などをしています.きっとその中の個体でしょう.
そんなこんなで,時間が過ぎていきました.飛び立ったメスを目の前でつかまえて移精行動をし,交尾にいたるオスも観察しました.9:30ころです.交尾個体をあちこちで見かけるようになりました.交尾時間はほぼ決まっているのか,本当に多くの交尾個体が見られました.交尾のまま産卵場所を探すように水面を飛び回るペアもいました.
中には産卵を始めるペアも出てくるようになりました.でも,産卵の「撮影」に適した場所がなかなか見つからず,産卵ペアは,ヨシの密に茂った中に潜り込んで産卵をしています.とてもではありませんが,写真に撮ることはできません.どうしたものかと,仕方なく歩いて産卵ペアを探しました.すると,開けた場所の.えぐり取られたような岸部で産卵しているペアを見つけました.
この岸部は,台風の大水で削られたのではないようで,コケや草本が水際に生えた状態でした.今回は,できるだけ打水の瞬間を撮ろうと,タイミングを計ってシャッターを切りました.ミナミヤンマの成功体験があるのですね(笑).しかし,ミヤマアカネは動作が結構早く,なかなかうまくいきません.打水の直前直後のショットが大量にできあがってしまいました.
そんななかで,やっと数枚,打水の瞬間が写っているものがありました.ミヤマアカネは,レキの間のわずかな水を狙って腹端を差し込むようにして卵を置いていました.こういう産卵をすることが多いので,ミヤマアカネの産卵観察は,水量が少ないときの方がいいように思えます.ここに始めてきたときがそうでした.
もっとも,ふつうに,水に中に腹端を浸け込んで産卵している場合もあります.この場合も,角度は結構急になっていて,腹端を突き込むように産卵しています.もっとも下の写真ではあまりはっきりしませんね.
ここへは2組が続けて産卵に来ました.ヨシが邪魔をせず,撮影にはもってこいの場所でしたので,ここでしばらく待つことにしました.ところが,急に太陽が雲に隠され,陰になってしまいました.不思議なもので,飛び回るペアの姿が非常に少なくなってしまいました.秋のアカトンボは日射しに左右されますね.と,そんなとき,草陰でメスが単独産卵しているのを見つけました.
オスに見つからずこっそりと産卵しています.メスにとってはどちらの方が楽なんでしょうかねぇ.11:30くらいまで待ちましたが,産卵のピークが過ぎたのか,曇りになったことが影響したのか,ちょっと静かな感じになってしまいました.今日も懲りずにこの後ミルンヤンマを探しに行くので,このあたりで切り上げることにしました.帰りに,私の足音で飛び立って水面でホバリングするオスメスがいましたので,それをおみやげに撮影して,ここを離れました.
ここでは,ミヤマアカネの他に,マユタテアカネ,オニヤンマ,ハグロトンボ,そしてヤブヤンマらしい個体,コシボソヤンマかもしれませんけど.が現れました.この後のミルンヤンマですか? 今日も全くの完敗でした.昨日は長靴に止まりそうなほど接近遭遇したメスもいたのですが,今日は完全完敗!
今日はこの辺で.