この池では,キトンボを期待して来ました.期待通り,キトンボが農道にペタペタ止まっていました.
▲上:現地にある農道.すっかり秋景色になっている.
2段目,3段目右・4段目右:農道に止まるキトンボのオス.
3段目左:池で見つけたアオイトトンボとオオアオイトトンボの異種間連結.
下:池の風景.
農道にはマユタテアカネがたくさんいました.キトンボも3頭ほど止まっていました.だんだんと暖かくなってきましたので,池に入りました.写真のように池の水が落とされていて,湿地状の岸辺が広がっていました.たくさんのマユタテアカネが出ていて,活動を行っていました.11月の下旬にもかかわらず,秋まっ盛りという感じです.1ペアが産卵を行っていましたが,メスは翅がボロボロ.疲れたのか,見つけたらすぐに止まってしまいました.
▲マユタテアカネ.
上:途中で止まってしまった産卵ペア.
下3枚:池や農道に静止するオス.
池にはアキアカネも入っており,目の前に交尾態のペアが静止しました.案の定すぐに産卵を始めました.ただ場所が気に入らないのか,あちこち移動しまわるので,途中で見失ってしまいました.
▲アキアカネ.
上:池内で静止するオスたち.
2段目:交尾,3・4段目:産卵するペア.
この池にはここ3,4年ほど毎年来ていますが,まだキトンボが産卵するのを見たことがありませんでした.ところが,今年は池に出ているキトンボの数も多く,産卵に来るのではないかという期待を持たせられる状況でした.予想通り,2ペアが産卵にやってきました.ほとんど12時前後でした.
▲キトンボの1組目の産卵ペア.
上2段:はじめはなかなか岸辺に近寄らず,開水面で打水産卵をしていた.
以下:そのうち産卵場所を見つけて,岸辺の泥の部分で産卵を始めた.
近づいていくと,このペアはどんどん遠ざかり,逆光なので相手の向こう側にまわりたかったのですが,それは叶いませんでした.去年のキトンボの観察池は遠くで産卵するばかりでしたので,逆光でも十分楽しめました.
▲キトンボの2組目の産卵ペア.典型的なキトンボの産卵シーン.
1段目:まず,水面に腹端をつけて,卵を水になじませる.
2段目:続いてホバリングを行い,打泥の目標を定める.
3段目:目標が定まったら,急降下して打泥の体勢に入る.
4段目:泥の部分に腹端を打ちつけて,卵を置く.
2組目はやや発見が遅れましたが,キトンボの典型的な産卵を行っていて,しかも順光という好条件.ゆっくりと近づき,好位置で撮影ができました.
今日はキトンボの産卵が見られるとは思ってもいなかったので,儲けものという感じでした.振り返ってみると,この池では,マユタテアカネ,アキアカネ,キトンボと3種のトンボが繁殖活動をしていたわけで,まだまだ晩秋の生き残り調査という感じではありませんでした.これに気をよくして,次に,加東市へ出かけることにしました.(続く)