トンボ歳時記
No.220. オオアオイトトンボの観察. 2010.10.23.

さて,去年は実現できなかったオオアオイトトンボの繁殖活動を見に,加東市の池に行きました.池の写真を取り忘れてしまいました.

池に着いたのは14:30くらいです.池にはいるとすぐにオオアオイトトンボのペアが2頭ほど飛び出し,幸先のよいスタートという感じです.

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▲タンデムのオオアオイトトンボたち.

しかし,タンデムにはなっているものの,なかなかメスが産卵行動に入りません.あちこち飛び回っているだけです.ストロボの光にも敏感に反応し,すぐに飛び去ってしまいます.オスは産卵を促すような動きをするのですがメスは全く反応しません.時刻が早いのかもしれません.

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▲交尾をしても,すぐに産卵を始めない.

そのうち交尾をしているカップルを見つけました.タンデムで飛び回っているペアが既に交尾を終えているかどうかはよく分かりませんでしたが,この交尾ペアを見守ることにしました.やがて交尾を解きましたが,やはり移動するだけで,産卵行動に入りません.

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▲こちらのペアは産卵行動に入ったが,すぐにやめてしまった.

紅葉している木に止まって交尾や産卵をしているペアの写真は,色彩のコントラストがよく,おもしろいものになりました.この後,この木で産卵することを期待しましたが,残念ながらこの木には来ませんでした.

だんだん目が慣れてくると,あちこちにいるオオアオイトトンボが見え始めるのですが,水面から5m以上もあろうかというドングリの木の上の方で,産卵しているペアがたくさんいることに気づきました.15:30を過ぎたあたりでした.これでは写真になりません.

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▲高い木の枝で産卵するペア.

16:00前,低い位置で産卵するペアを見つけました.驚かせるとすぐに高い位置へ移動してしまうようなので,慎重に慎重に撮影しました.ところがこのペアはストロボに動じることなく,黙々と産卵を続けました.すぐ近くにも産卵ペアがいて,これもほとんど動じることなく産卵を続けました.どうやら彼らは,産卵を始めるまでは神経質ですが,産卵を始めると大胆になるようです.カメラの最近距離まで近づいて撮影を繰り返しました.

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▲無心に産卵するオオアオイトトンボのペア.

今日は最後にオオアオイトトンボの産卵に出会えて,終わりよければすべて良し,という一日でした.