今日から五連休.天気もよさそうです.でも,トンボの出現が例年より遅れていて,どこへ行っていいか分からない状態です.とにかく家にじっとしていても仕方がないので,まずは定点観測の池へでかけ,その後,加古川市,小野市,加東市と近隣を周回して,トンボの出現状況を確かめに行きました.
まずは,定点観測の池.今年もここでトラフトンボの撮影をしようとねらっているのですが,羽化して飛び立った個体は見ているものの,まだ池に帰ってきた成熟した個体の姿を全く見ていません.今日も池面上にトンボの姿はありませんでした.
▲上:ギンヤンマの羽化.
中左:フタスジサナエ.まだ成熟しているとは言い難い.
中右:トラフトンボの羽化不全.頭が抜けていない.
下:クロイトトンボ.だいぶん色が付いている.
今日見られたトンボは写真のようなトンボたちでした.トラフトンボがまだ羽化をしている状態です.このトラフトンボ水際から約2m離れたところまではい上がって羽化していましたが,羽化不全で頭が抜けずにばたばたしていました.それからギンヤンマの羽化を今日も見ました.
次に以前フタスジサナエの羽化を見た池に行きましたが,オツネントンボを見たのとコサナエ属が1頭横を通り過ぎただけで,トンボの姿はありませんでした.そこでシオヤトンボの状況を見に行きました.
▲シオヤトンボの観察池.
シオヤトンボはすでに成熟していました.オスは湿地の上を飛び回り,メスが2度入って,産卵を行いました.一方で明らかに今日羽化したと見られるテネラルなメスもいました.今年の低温状態で,羽化がだらだらと続いている感じです.
▲池で見られたシオヤトンボたち.
上:シオヤトンボの新鮮な成熟オス.
2列目左:護岸壁に止まる成熟オス.同右:交尾.
3列目左:羽化直後のメス.同右:ほぼ成熟したメス.
下:産卵に訪れたメス.
産卵に訪れたメスはすぐにいなくなり,まだ完全に成熟しきっていないようにも感じます.写真で見ても,腹部はまだ卵でいっぱいという感じではありません.
さて,シオヤトンボの産卵観察は後日また来ることにし,昼食をとって,次の池に行ってみました.ここは小さな谷で,冬の間耕作を放棄しており,トンボたちはのびのびと暮らしています.
▲この谷には3つのため池がある.そのうちの一つ.
ここへ来てやっと春が来たと実感できるようなトンボとの出会いがありました.まだ羽化して間もない個体が多かったものの,たくさんのフタスジサナエが午後の日だまりに遊んでいて,これを探していたんだという感じでした.
▲フタスジサナエたち.
上・段目左右:ゼンマイの葉上に止まる未熟なメス.
3段目:ゼンマイの葉上でオスとメスが隣り合わせで静止.
4段目左右:メス.下:複眼も色づき成熟が近いと思われるオス.
まだ羽化して1,2日といった感じの個体がほとんどで,昨日の暖かさで出たのではないでしょうか? 5月ですから,もう成熟個体が池に帰って繁殖活動を初めてもいいくらいの時期です.今年のトンボたちの春は1週間から10日くらい遅れているようです.ここではトラフトンボの摂食飛翔とシオヤトンボの成熟個体も見ました.まあ,そんな感じでやっと春が来たというところですね.