神戸のトンボたち
K032. オオルリボシヤンマ Aeshna crenata
メスの産卵.2012.9.2., 神戸市灘区.
メスの産卵.2012.9.2., 神戸市灘区.
 オオルリボシヤンマは六甲山地を中心に多産しています.大型のるり色の斑紋が美しい種であるためか記録も多くなっています.六甲山を代表するヤンマでしょう.
 成虫は盛夏の8月に標高の高いところにある池などで数多くみられます.もともとは寒冷地に適応したトンボですが,本種は暖地への適応が同属のルリボシヤンマより進んでいるからかもしれません.
 本種は普通,明るいときに池の中を飛び回っていますが,黄昏飛翔(たそがれひしょう)もします.1991年に観察た北区での黄昏飛翔は壮観(そうかん)でした.カトリヤンマの群れが足元を飛ぶかのように,本種が低いところを乱れ飛んでいました.
 秋深くなってきますと,よく止まるようになりますが,このとき,ムカシヤンマのように木の幹にべたっと止まる習性があります.また,昼間に悠然(ゆうぜん)と高所を摂食飛翔(せっしょくひしょう)したりと,盛夏の頃にはあまり見られない行動パターンが現われるようになってきます.また低地へも降りてきて,西区のため池などでその姿を見ることもあります.