神戸のトンボたち
K031. ヤブヤンマ Indaeschna melanictera
オスの静止.2006.7.29., 神戸市西区.
オスの静止.2006.7.29., 神戸市西区.
 夏に黄昏飛翔(たそがれひしょう)する代表的なヤンマです.薄暗くなったころ谷すじに現れ,飛び回ってエサをとります.ふつう昼間はあまりその姿を見ることはできませんが,オスは林内の水たまりなどを探して飛び回っていますし,メスは明るいときに,そういった池の岸辺の土の中に,卵を産みにやってきます.
 幼虫は林の中の小規模な水たまりや,木立に囲まれた薄暗い池で見つかります.こういった水たまりは,人家の近くですと蚊の発生の予防のため,山中ですと自然公園整備やハイキングコース整備などのために,人目につくとすぐに埋め立てられたり排水されたりしてなくなってしまいます.この写真に撮られた場所も,通路の邪魔になるのか水たまりが埋め立てられ,ヤブヤンマは産卵場所を失ってしまいました.神戸市内もだんだんと開発が進み,また山も整備が進んでいって,ヤブヤンマの棲んでいる場所が減っていきつつあります.
 神戸市内では2010年現在でも,西区・北区の丘陵地を中心に,各地でその姿を見ることができるようですが,これは主に夕方上空を飛ぶ個体の目撃です.