■見分けのチェックポイント
羽化殻全長40mm前後.腹部第1節から第7節にかけて徐々に横幅が広がり,腹部第8節から第10節肛錐の頂点にかけて直線的に横幅が狭まって三角形状を呈する.少なくとも腹部第7,8,9節背面の前縁から側縁にかけて濃い褐色斑が存在する.側棘は腹部第3節から第9節にかけて存在し,第7節のものが大きく側方に突出する.背棘は腹部第1節から9節にかけて存在する(杉村ら,1999)というが,第1節と第9節のものは見にくい.下唇側片の内葉片は先が鋭く尖る.触角第3節は棒状をしている.
■分布と類似種
本州,四国,九州に分布する.粟島,佐渡島,壱岐,平戸島,福江島などの島々にも分布する.類似種はなく,一目見ただけでウチワヤンマと分かるので,同定上の問題はない.
■生態
湖や比較的大きなため池などに生息している.幼虫はかなり深いところで生活しているようで,ほとんど採集されることがない.6月上旬から羽化殻が見つかり始める.羽化殻は垂直な位置に着いているものが結構多い.