K037. ウチワヤンマ Sinictinogomphus clavatus clavatus
オスの静止.2010.9.4.,神戸市北区.
ウチワヤンマは神戸市の西部に多く見いだされています.どの池でもせいぜい2〜3頭程度がいるだけで,多数が集合しているという観察例はあまりありませんが,近隣の稲美町では一つの池に44頭のオスがいたのを見たことがあります.
本種は彷徨性(ほうこうせい)が強いといわれており,どこで羽化してどこに行くのかよく分からないところがあります.オスは普通は池のほとりや中につきでた棒の先などに静止していることが多く,よく目立ちます.メスは池のほとりの草原や樹木の天辺や枝の先などに静止しています.特に高い木の天辺に止まって池の方をうかがっているのを見つけることが多いです.また比較的若い個体は,オス・メスが入り交じって谷の奥の方に移動し,そこに広がる湿地,草原,休耕田などの,背丈の高い草が密生するような所で,その先端に止まっていたりします.