■見分けのチェックポイント
	 羽化殻全長22mm前後.表皮は比較的薄い感じで,身体の大きさに比して肢が細く感じられる.側棘は第8,9腹節,背棘は第5−9腹節にある.杉村ら(1999)では,背棘が第4−9腹節にあると記されているので,第4腹節に背棘のある個体があるのであろう.側刺毛は5本程度,腮刺毛は10本前後である.尾毛先端部は肛側片の先端部位置より少し短い(rc/rp=0.70程度).
	
	■分布と類似種
	
 奄美大島と沖縄島北部に生息し,分布は限られている.類似種のミナミトンボ,オガサワラトンボとは分布域がまったく重なっていない.側棘配置,背棘配置,腮刺毛数,側刺毛数が本種と同じものは本種の分布域には生息していなくて,以上を確認すれば本種と同定できる.
	
	
	■生態
	
	 沖縄本島では,川の流れがよどんだ淵の,植物の根際で採集された.体全体が赤褐色の泥でおおわれていたので,底,あるいは植物の根際にしがみついているうちに泥をかぶっていったものと思われる.
	
	
  


