トンボの生態学
モノグラフ:南西諸島のトンボたち 目次

南西諸島のトンボたち/南琉球のトンボたち
南琉球のトンボ相概観
西表島.大原−石垣航路の船上より.
写真1.西表島.大原−石垣航路の船上より.西表島の上にだけ積雲がかかっている.まわりの海より陸上の方が温度が上がっている.
 南西諸島はいくつかのブロックに分かれています.その中で一番南に位置するのが先島諸島です.先島諸島は宮古列島(宮古島,池間島,伊良部島,下地島,来間島,多良間島,水納島など)と八重山列島(石垣島,西表島,与那国島,鳩間島,竹富島,小浜島,黒島,新城島,波照間島など)からなっています.このうち,私は宮古島へは訪問したことがありませんので,ここでは主に八重山列島の石垣島・西表島のトンボたちを紹介することにします.

 南琉球はかつて台湾と陸続きになっていた時期があったので,台湾との共通種が結構たくさんいますし,近年も台湾から与那国島を経由したと考えられる飛来種,アカスジベッコウトンボ,サイジョウチョウトンボなどが報告されたりしています.台湾のトンボとの関係については別のページで紹介しています.

 さすがにここまで南下してくると,北の方に分布中心があって日本本土から九州を経て南西諸島沿いに分布を広げてきたと思われるトンボは見られないようです.ただし,南北広域分布種や南方種が北上して九州本土,本州・四国,朝鮮半島,ロシアにまで分布を広げている種はいます(概論図7,サブグループE,Hに属する18種).これらの中のいくつかは,ひょっとしたら北から分布を広げてきたのかもしれませんが,確証はありません.

 具体的には,サブグループEのうち3種,オオヤマトンボ,ギンヤンマ,オオシオカラトンボです.オオヤマトンボは石田(1969)に南方から分布を広げてきたことを示唆する記述があります.オオシオカラトンボは,中琉球では,亜種オキナワオオシオカラトンボに分化しています.ギンヤンマは『八重山では,(中略),9月から10月初めにかけて個体数が激増する(渡辺・小浜,1986)』との記述があって,これは何処かから大量に飛来するらしい(尾園ら,2007)ことが記されています.ただし,南北どちらからかは分かりません

 サブグループHのうち15種は,ウスバキトンボ,タイリクショウジョウトンボ,コシアキトンボ,ムスジイトトンボ,アオモンイトトンボ,ベニトンボ,アオビタイトンボ,リュウキュウベニイトトンボ,タイワンウチワヤンマ,コフキヒメイトトンボ,ハネビロトンボ,ハラボソトンボ,オオハラビロトンボ,オオメトンボ,ミナミトンボです.いずれも南方の種ばかりです.


南西諸島のトンボたち/南琉球のトンボたち
石垣島・西表島の固有種・固有亜種
 南琉球の主な島々では,石垣島,西表島,小浜島,与那国島が高島で,宮古諸島すべて,竹富島,黒島,上地島,下地島,鳩間島,波照間島が低島です.このうち南琉球の固有種・固有亜種が存在するのは,高島の石垣島と西表島だけです.しかし興味深いことに,石垣島にはその島にだけ見られる固有種・固有亜種がいません.南琉球の固有亜種は,すべて台湾に別亜種が存在します.

 それではまず,これら両島の固有種・固有亜種についてまとめて,各種を紹介していきましょう.

台湾 西表 石垣 種名 沖縄 奄美 大隅 本土
    ヤエヤマハナダカトンボ (G1)        
    イリオモテミナミヤンマ (G2)        
  クロイワカワトンボ (G3)        
  チビカワトンボ (G4)        
  コナカハグロトンボ (G5)        
  ヒメホソサナエ (G6)        
  ヤエヤマサナエ (G7)        
ヒメハネビロトンボ (J7)      
イシガキヤンマ (J15)      
マサキルリモン(タイワンルリモン) (K1)        
サキシマヤンマ(リスヤンマ) (K2)        
ワタナベオジロ(タイワンオジロ) (K3)        
亜2 ヤエヤマオオシオカラトンボ (E1) 亜1 亜1
表1.南琉球の固有種・固有亜種.亜種に関しては,原名亜種を「●」で示し,「亜」はその亜種.( )の記号は概論図7のサブグループと通し番号.種イシガキヤンマ Aeschnophlebia ishigakiana ishigakiana の台湾亜種は Aeschnophlebia ishigakiana flavostria で,奄美大島の亜種は Aeschnophlebia ishigakiana nagaminei である.マサキルリモントンボ,サキシマヤンマ,ワタナベオジロサナエは台湾に原名亜種が分布する.亜種ヤエヤマオオシオカラトンボ Orthetrum melania yaeyamense はオオシオカラトンボ Orthetrum melania melania の八重山亜種である.奄美・沖縄などに分布する「亜1」はもう一つの亜種オキナワオオシオカラトンボ Orthetrum melania ryukyuense である.台湾のオオシオカラトンボ「亜2」は Orthetrum melania continentale と記載された (Sasamoto & Futahashi, 2013).ヒメハネビロトンボの「亜」はコモンヒメハネビロトンボである.
 石垣島と西表島は,石垣−大原航路で22.5kmと比較的近くにあり,面積も200km2を越える高島で,両島ともに分布する固有種が多いのが特徴です.よく知られている天然記念物セマルハコガメも石垣島と西表島にいます(宮古島にいるものは後に進入した国内外来種です).これらの島はある意味地史的な運命を共有してきた島だといえます.

 トンボでは,クロイワカワトンボ,チビカワトンボ,コナカハグロトンボ,ヒメホソサナエ,ヤエヤマサナエが両島に分布する固有種です.日本でミナミカワトンボ科に属する2種が見られるのは,この両島だけです.
写真2.クロイワカワトンボのオス(西表島)(左),コナカハグロトンボのオス(石垣島)(右).いずれも石垣島・西表島に分布する固有種である.
写真3.ヒメホソサナエのメス(石垣島)(左),ヤエヤマサナエのメス(石垣島)(右).これらも石垣島・西表島に分布する固有種である.
 石垣島にだけ見られる固有種はいませんが,西表島だけに見られる固有種がいます.イリオモテミナミヤンマとヤエヤマハナダカトンボです.これも有名なイリオモテヤマネコが西表島にだけしかいないということと似ています.話は脱線しますが,西表島の外周道路には,右欄外のような標識がたくさん立っています.

 東南アジアなどへ行くと,ミナミヤンマ属のトンボは,谷筋が一つ違えば別種になっているというほど種分化していると,よく採集に出かけて新種記載をしている研究者から聞いたことがあります.あまり移動しないということでしょうか.台湾にはいくつかのミナミヤンマ属がいますが,やはり西表島のものとは別種です.

 ハナダカトンボのなかまは熱帯・亜熱帯のトンボといってよいでしょう.日本ではあと,小笠原諸島にハナダカトンボがいるだけです.国内産のハナダカトンボ科を見るにはこのどちらかへ出かける必要があります.しかし川の上流の方に生息しているので,西表島で見つけようとする場合,入林許可が必要で,ちょっとした探検モードになります.私も入林許可を取って観察に出かけました.
写真4.ヤエヤマハナダカトンボのオス(左)とメス産卵(右).ヤエヤマハナダカトンボは西表島の固有種である.
 次に,石垣島・西表島に見られる固有亜種をみてみましょう.これらはすべて,台湾に別の亜種がいます.イシガキヤンマについては,さらに奄美大島に別亜種アマミヤンマがいます.ここでも,石垣島・西表島から途中の島を飛ばして奄美大島に同種がいるという現象が見られます.
写真5.幼虫:サキシマヤンマ(左),ワタナベオジロサナエ(右).成虫:イリオモテミナミヤンマのオス(左),チビカワトンボのオス(右).
写真6.マサキルリモントンボの産卵(西表島)(左),イシガキヤンマのメス(西表島)(右).
 オオシオカラトンボに関しては Sasamoto & Futahashi (2013) が,日本各地,台湾,中国,韓国の標本を用いて分子系統分類を行っています.それによると,北海道から北琉球までのものは原名亜種オオシオカラトンボ Orthetrum melania melania,中琉球のものは亜種オキナワオオシオカラトンボ Orthetrum melania ryukyuense,南琉球のものは亜種ヤエヤマオオシオカラトンボ Orthetrum melania yaeyamense,台湾,朝鮮半島,中国のものは亜種 Orthetrum melania continentale※1 として記載しています.

 このうち,日本国内に分布する3亜種を紹介しておきましょう.特にメスは,腹部の黄色い色の節数が異なっています.なお種オオシオカラトンボ Orthetrum melania は,北海道からベトナムに至るまで分布する(尾園ら,2022)ので,このページでは南北広域分布種と定義しています.
写真7.ヤエヤマオオシオカラトンボ(西表島)(左).右はオキナワオオシオカラトンボ(沖縄島)(上),オオシオカラトンボ(兵庫県)(下).
写真8.ヒメハネビロトンボのオス(西表島)(左),コモンヒメハネビロトンボ的なオス(西表島)(右).コモンヒメハネビロトンボはもう少し赤斑が小さいと思われるので,これは中間的な個体と言っていいかもしれない.
 ヒメハネビロトンボ Tramea transmarina yayeyamana には亜種とされているコモンヒメハネビロトンボ Tramea transmarina euryale が存在します.これは翅基部の赤斑がヒメハネビロトンボのそれに比べて小さいことが特徴です.ただDNAにはあまり差がない(尾園ら,2022)ともいわれています.西表島など,どちらも同所的に見つかっていますので,亜種とせずに同種の個体変異と解釈可能です.ただ面白いことに,この翅基部の赤斑が広いヒメハネビロトンボは,中琉球や台湾にはいないようです.そこで別亜種だとするならば,国内で見つかっている個体は,台湾などからの飛来個体と考えれば,同所的に存在することは問題になりません.分類学者の研究を待ちたいと思います.



南西諸島のトンボたち/南琉球のトンボたち
南琉球と台湾の共通種
 南琉球には台湾との共通種・近縁種が多く存在します.上では台湾と南琉球で亜種に分化したものをいくつか紹介しましたが,ここではまだ亜種にまでは分化していないものを紹介しましょう.このうちコフキオオメトンボやヒメハネビロトンボの亜種であるコモンヒメハネビロトンボは大東諸島でみることができます.しかしそれ以外は,国内では,南琉球に行かないとみることができないトンボたちです.

台湾 西表 石垣 種名 沖縄 奄美 大隅 本土
与那国島  アオナガイトトンボ (K4)        
  タイワンコヤマトンボ (K5)        
  コフキオオメトンボ (K6)        
  ホソアカトンボ (K7)        
  キイロハラビロトンボ (K8)        
  サイジョウチョウトンボ (K15)      
ヤエヤマトゲオトンボ (K9)        
ヒロオビオニヤンマ (K10)        
サキシマヤマトンボ (K11)        
ヒナヤマトンボ (K12)        
アカスジベッコウトンボ (K13)      
コフキショウジョウトンボ (K14)        
表2.南琉球と台湾の共通種.( )の記号は概論図7のサブグループと通し番号.アオナガイトトンボは石垣島・西表島には分布せず与那国島にだけ生息している.アカスジベッコウトンボは東京でオスメス各1頭の採集例がある(喜多,2021).
写真9.アオナガイトトンボのオス(台湾)(左),ヤエヤマトゲオトンボのオス(石垣島)(右).アオナガイトトンボは国内では与那国島だけに生息する.
写真10.左から,ヒロオビオニヤンマ幼虫(石垣島),タイワンコヤマトンボ幼虫(西表島),キイロハラビロトンボ幼虫(西表島),コフキオオメトンボのメス(南大東島).
 アオナガイトトンボは与那国島に行かなければ出会うことができません.与那国島は高島で一部に低島的な部分が見られる島です(目崎,1985).石田(1969)によると,1963年に与那国島に生息することが確認され,『サンゴ石灰岩のがけにかこまれた清流で採られた』とありますので,低島的性格を持つ地域に見られたようです.海外では広くフィリピンからオーストラリアの方にまで分布しています.私は国内のものを見たことがありませんが,台湾でその姿を見ることができました.

 ヤエヤマトゲオトンボは,かつては九州本土に見られるキュウシュウトゲオトンボと同じ種 Rhipidolestes aculeatus とされていました.その後九州本土に見られるものはヤクシマトゲオトンボ Rhipidolestes yakusimensis と同種であるとされ(朝比奈,1993),八重山諸島のものだけが Rhipidolestes aculeatus となりました.生態は他のトゲオトンボ類と大差なく,薄暗い森林の中の浅い流れで暮らしています.

 先島諸島のオニヤンマ科はヒロオビオニヤンマです.以前は日本国内のオニヤンマとの差異が認められながらもいちおうオニヤンマ Anotogaster sieboldii とされていましたが,Karube et, al.(2012)でヒロオビオニヤンマ Anotogaster klossi とされました.和名の由来は腹部の黄斑がオニヤンマより幅広いというところから来ています.このオニヤンマ,実際に石垣島や西表島に出かけてもなかなか出会えません.

 タイワンコヤマトンボは,かつては西表島の縦走路に入り込まなければ見られないトンボでした.しかし私は1994年3月6日に,外周道路から川に入ってすぐのところで若齢幼虫を3頭見つけていました.その後この川も知られるようになり,2024年に出かけた時にも幼虫が確認されています.成虫はかなり気合いを入れないと見ることができないようです.私は台湾で観察したことがあります.

 キイロハラビロトンボは,西表島でときどき山道などに止まっているのが見られるということですが,どうも運に左右されるところもあるようです.またコフキオオメトンボは1996年,西表島で発見されるまでは(西田,1996;田端,1997),大東諸島へ出かけないと見られないトンボでした.最近は激減しているらしく(幸田,2019),その姿を見ることは結構難しいようです.大東諸島でもほとんど姿が見られなくなっており,国内から姿を消す危険性もあります(苅部ら,2019).

写真11.ホソアカトンボのメス(左)とオス(右)(西表島).ホソアカトンボは国内では西表島にのみ生息する.
 ホソアカトンボは国内では西表島にだけしか分布していません.後翅の後角部がオスメスとも円くなっており,前翅・後翅の幅もほぼ同じという,他ではあまり見られない形態のトンボです.西表島では比較的普通に見られ,少し頑張れば出会うことができます.メスは真っ黒な色彩をしていますが,もっと若い時には黄色や褐色部が広がっています(欄外写真).この黒いトンボが16:00ごろに薄暗い池で高速に飛び回って打水産卵しますので,どこにいるのかさっぱり分からず写真に撮るのは一苦労です.まあ,それがこの色彩の意味なんでしょう.
写真12.サキシマヤマトンボ(石垣島)(左),ヒナヤマトンボのオス(石垣島)(右).
 サキシマヤマトンボは1963年に石田省三氏によって石垣島と西表島で採集され,Asahina(1964)により記載されました.その後台湾にも分布することが知られました.林内を流れる川の小さな淵にやってきて,旋回するようにその上を飛ぶのを観察したことがあります.林内でも上空に空が見えるような場所がポイントのようです.なお石垣島では採集禁止になっているようです.

 ヒナヤマトンボはキイロヤマトンボに似て,砂がたっぷりと堆積した場所にやってきます.しかし2024年の観察では,小さな砂だまりでも幼虫が見つかりました.キイロヤマトンボでも時々そういった場所で幼虫が見つかります.

 コフキショウジョウトンボは,極めてふつうに見られるシオカラトンボ属のなかまです.しかしツートンカラーのこのトンボはとても南国的な色彩で,私は好意を持っています.こういう南国らしい普通のトンボがいつまでも見られる南琉球であってほしいものです.
写真13.コフキショウジョウトンボのオス(西表島)(左)と産卵メス(石垣島)(右).コフキショウジョウトンボはオスメスでかなり色彩が異なる.
写真14.アカスジベッコウトンボのオス(西表島)(左)と産卵にやって来たメス(石垣島)(右).6月ごろ,ものすごい数が見られる.
 アカスジベッコウトンボは,2006年に与那国島で初記録され(尾園ら,2007b),2009年に西表島に継続的に発生しています(尾園ら,2022).2024年現在,このアカスジベッコウトンボは,西表島の風景を変えてしまっているように感じました.私がそれ以前に西表島に来たのは1994年で,実に30年ぶりの訪島でした.そのときにはこのトンボは全く見られなかったわけで,翅に色の付いたトンボといえば,オキナワチョウトンボぐらいでした.しかし2024年6月,9月に西表島に入った時,ありとあらゆる場所にこのアカスジベッコウトンボがいました.池,湿地,川,水田,コンクリート張りの溝川,湧き水で水浸しになった山道など,あらゆるところに入り込んで,どぎついチョコレート色の翅でその存在感を誇示していました.また未熟な個体は川から離れた山道に止まっていました.

 昔はもっと南の外国へ行かなければ見られないトンボで,一度見てみたいと思っていましたが,今はうんざりするほどです.このトンボは,コフキショウジョウトンボがなわばりを形成するような場所に入り込んでおり,種間競争が激しく展開されているように見えました.コフキショウジョウトンはまだ負けずに頑張っているようですが,個体数はアカスジベッコウトンボの方が断然多くなっています.同じように湿地や溝川を好むヤエヤマオオシオカラトンボは薄暗い森の中の湿地にひっそりと暮らしており,今のところ明るい場所を好むアカスジベッコウトンボとは大きな種間競争は起きていないように見えました.もっとも,競争の結果そのようになっているのかもしれませんが.

写真15.サイジョウチョウトンボの雑種でないと思われるオス個体(左),サイジョウチョウトンボのオスは,オキナワチョウトンボのオスと闘争し(中),メスがやってくると追尾する(右).いずれも西表島.
写真16.サイジョウチョウトンボのオキナワチョウトンボの種間雑種と思われる翅が真っ黒な個体(左).オキナワチョウトンボに見られる翅胸背面の淡褐色条は,雑種の背面にも現れる(矢印).またこの個体の胴体はオキナワチョウトンボのような緑がかった色をしている.いずれも西表島.
 サイジョウチョウトンボは,2020年に国内で初めて与那国島で発見されました(小浜,2021).その後波照間島で2022年に(小浜ら,2023),西表島で2023年(北山ら,2024)に採集されました.あっという間に南琉球に広がったトンボです.このトンボ侵入の深刻な側面は,オキナワチョウトンボとの種間雑種形成です.それがまれに見られる珍しい現象ではなく,かなり頻繁に起きていると西表島の観察で感じられました.北山ら(2024)は,この雑種を介したオキナワチョウトンボ個体群への遺伝子浸透が示唆されると述べています.

 種間雑種は,翅が黄色みを帯びるのが特徴であるといわれています(北山ら,2024).しかし2024年9月の観察では,翅が真っ黒になっている種間雑種と思われる個体を見ました.私は,種間雑種は翅胸背面に見られる,淡褐色の2本のスジ(写真16)が特徴であると思っています.写真15の,雑種でないと思われる個体は,そのスジが現れていません.この翅の真っ黒な個体にはそのスジが現れていますし,翅を透かして見える斑紋がサイジョウチョウトンボのそれに似ています.真っ黒な個体はメスでも見られ,翅の先に透明部分があって,まるでチョウトンボのメスにように見えます.

 サイジョウチョウトンボとオキナワチョウトンボは,同じ場所でなわばり活動を行っています.そしてしょっちゅうオスどうしが闘争を行っているのを観察できます.ただオスどうしの闘争ではオキナワチョウトンボの方に分があるように見えます.オキナワチョウトンボのメスが産卵にやってくると,接近を試みて,交尾に至ることも少なくありません.ちなみにサイジョウチョウトンボどうしがメイティングするのは見たことがありません(写真15).

 アカスジベッコウトンボにしても,サイジョウチョウトンボにしても,侵入してきた移入種が在来種に生態学的,遺伝学的な脅威を与えていることが感じられる西表島の現状です.これが気候変動によるものがどうかは全く分かりませんが,ベニトンボなど見るからに南方系種の北上と合わせて,日本のトンボ風景が変わりつつあるように思えてなりません.



南西諸島のトンボたち/南琉球のトンボたち
南琉球と中琉球・北琉球の共通種
 次に,飛来を除いて,九州本土以北にまでは分布が広がっていないトンボたちを見ていきましょう.つまり,南琉球と中琉球の共通種で,一部北琉球にも広がっているトンボたちです.これらのトンボたちも,原則的に南西諸島に行かなければ見ることができないトンボたちということになります.またこれらのトンボたちはすべて台湾にも分布しています.なおウスバキトンボは南琉球では冬を越せるということなので(尾園ら,2022),それより北を飛来としました.  

台湾 西表 石垣 種名 沖縄 奄美 大隅 本土
ウスバキトンボ (H19)
アカナガイトトンボ (J2)      
ヒメキトンボ (J3)      
ホソミシオカラトンボ (J7)      
オオキイロトンボ (J6)    
ヒメイトトンボ (J8)    
リュウキュウカトリヤンマ (J9)    
トビイロヤンマ (J4)    
ウミアカトンボ (J10)    
オキナワチョウトンボ (J12)    
コシブトトンボ (J11)    
アメイロトンボ (J5)    
リュウキュウギンヤンマ (I1)  
ヒメトンボ (I2)  
表3.南琉球から中琉球・北琉球へと分布が広がっているが,日本本土へはまだ分布は広がっていないトンボたち.( )の記号は概論図7のサブグループと通し番号.
写真17.ウスバキトンボの交尾(西表島)(左),このあと産卵に移行した.ヒメキトンボのオス(石垣島)(右).
写真18.アカナガイトトンボの連結飛行(西表島).アカナガイトトンボは流水性のイトトンボである.
写真19.アカナガイトトンボの産卵(西表島).潜水産卵(左)はよく行われるようだ.通常は歩哨産卵(中),そしてグループ産卵も見られる(右).
 ウスバキトンボは西表島では冬を越して繁殖していると考えられています.水田で活動するウスバキトンボを数多く観察しました.あちこちで連結産卵する姿が見られました.石垣島では,道路の轍にできた水たまりでも産卵していました.一時的水域生活者の面目躍如というところです.2024年の訪島ではヒメキトンボに出会うことができませんでした.

 アカナガイトトンボはとてもエキゾチックな色彩のトンボです.頭部・胸部から腹部にかけての赤色は,やや朱色がかったベニイトトンボなどとは違い,ワインレッドに近い感じがします.そして腹部が黒く,赤と黒のコントラストが鮮やかです.この流水性のイトトンボには,ちょっと出会いにくくなったように感じました.産卵に適した水生植物が茂っている場所が見つけにくかったことが原因かもしれません.透き通った水が流れ,よく晴れていた観察場所には,複数の産卵個体が集まっていました.歩哨姿勢をとる種がよく行うグループ産卵です.
写真20.ホソミシオカラトンボのメス(西表島)(左),オオキイロトンボの産卵(石垣島)(右).中央のがメス,上が交尾オス,下が干渉するオス.
 シオカラトンボ属のなかまは,南方へ行くと種類数が増えます.ちなみに兵庫県ではシオヤトンボ,シオカラトンボ,オオシオカラトンボの3種しかいません.しかし今回の訪島ではシオカラトンボ属に出会うのが意外と難しく,特にこのホソミシオカラトンボは見ることがあまりなかったトンボの一つでした.若いメスは褐色をしていますが,写真のメスはやや老熟が進んでいるのでしょうか,全体的に青灰色の粉を吹いています.日齢が進んだシオカラトンボ属の複眼は透明感があり,体に付着した汚らしい感じの青灰色粉と対照的に,青から緑色に輝きとても美しいと感じています.

 オオキイロトンボは,6月の訪問時には非常にたくさんのペアが産卵に訪れていました.通常は連結打水産卵をしています.水草などが生えているところにやってきて,突然空中停止したかと思うとさっと打水し,また飛び始めます.もう一つ別の産卵様式があって,まずオスがメスを放し,メスは同じ場所でホバリングを始めます.卵塊を形成しているようです.卵塊が形成されると少し旋回して打水し,またホバリングを再開します.写真20のメス(中央)はハスの葉の上でじっと停止飛翔しているところです.その間オスはメスを警護します.これが結構長時間継続されます.オオキイロトンボの卵塊は蛍光緑色をしています(欄外写真).なぜ光るのかは分かりません.

写真21.トビイロヤンマのオス(沖縄島)(左),リュウキュウカトリヤンマの産卵(西表島)(右).
写真22.リュウキュウギンヤンマのオス(奄美大島)(左)と産卵メス(西表島)(右).
 トビイロヤンマは南西諸島でもっとも数を減らしたトンボといってよいかもしれません.かつては石垣島・西表島の水田地帯で何百何千という個体が飛ぶのが観察できた(石田,1969)と記録されています.6月9月に西表島に訪れた時,全くその姿を見ることがありませんでした.黄昏活動性が強く,沖縄島の観察では,夕方日が西に傾いたころに水田地帯にやって来て飛び回り,草の間に沈み込むように潜ったかと思うと,ふわっと草の上に浮き上がり,また飛び回るような行動を繰り返します.おそらくメスを探しているものと思われます.

 リュウキュウカトリヤンマは薄暗い池の住民です.オスは,林にかこまれた池にやって来て,水面近くを飛んでメスを探しています.メスの方は,岸の泥面に産卵をします.兵庫県のカトリヤンマと同じような産卵様式です.ただ真っ暗と言っていいほど薄暗いところで産卵しますので,飛び立たないといるのが分からないほどです.時々産卵を中断して池畔の木の枝などに静止することがあります.カトリヤンマに比べると分布域は狭いようです.

 リュウキュウギンヤンマは南西諸島では一番数多く出会ったギンヤンマ属でした.ふつうのギンヤンマよりも数は圧倒的に多かったです.奄美大島では池から少し離れた林縁の道路上でなわばりを形成して飛んでいるのをふつうに観察しましたが,西表島ではギンヤンマのように水面上を飛ぶオスがふつうでした.
写真23.オキナワチョウトンボのオス(西表島)(左)とメス(石垣島)(右).オキナワチョウトンボの翅の斑紋には明るい色彩のものと濃いものがある.
写真24.オキナワチョウトンボはチョウトンボと同様に群れて摂食する.
 オキナワチョウトンボは,南西諸島の代表的トンボでしょう.訪島時に出会った女性旅行者も名前を知っていました.翅の模様はでたらめでなく一つのパターンがあるようですが,濃い部分淡い部分の広がり方に個体差があるようです.南大東島の個体は濃い部分が大きく広がっています.チョウトンボでもよく見られるように,たくさんの個体が群れていえることが多いです.木の枝に群れて止まっていたり群れて飛ぶ性質があります.
写真25.ウミアカトンボのオス(西表島)(左),ウミアカトンボの交尾(西表島)(右).その他産卵も見られ,西表島では繁殖しているものと思われます.
 ウミアカトンボは非常に広い範囲に分布しているトンボです.台湾,フィリピン,インドネシア,パプアニューギニアを経て,南はオーストラリアへ,また南太平洋の島々であるパラオ,グアム,フィジー,サモア,ニューカレドニアなど,さらに東南アジアのマレーシア,タイから,インド,スリランカ,オマーンと中東を経て,ソマリア,モザンビーク,マダガスカル,南アフリカとアフリカの東海岸沿いの国々へと分布しています(津田,2000).Odonata of China の情報を参照すると,アフリカのほぼ全地域,中東のほぼ全地域,中国南東部,ニュージーランドなどにも分布するようです.

 特に南太平洋上のかなり離れた複数の島国に分布していることから分かることは,海洋を長距離移動できる能力を有するトンボであることです.このように渡海移動力の高いトンボであるが故に,南西諸島南部で見られるウミアカトンボも,果たして定着しているのかどうか疑問であるとする見方がありました.今回の観察では,交尾や産卵も観察しましたし,6月,9月の2回訪島しても同じような個体数を観察できましたので,西表島でも定着している可能性は高いと思われます.ちなみに産卵様式は連結打水産卵です(欄外写真).
写真26.ヒメイトトンボのメス(沖縄島)(左),アメイロトンボ(西表島)(右).
 ヒメイトトンボは準絶滅危惧種(NT)に指定されています.そのせいか,今回の南西諸島訪問では,沖縄島でその姿を見ただけでした.分布は奄美大島以南与那国島までということになっています.アメイロトンボは午後遅くから夕方になると止水域に現れるトンボです.そのため日中の明るい時期に出会えず,いるのかいないのか分からない感じです.南大東島では夕方に群飛するのを見ましたが,石垣島・西表島では見たことがありません.
写真27.コシブトトンボのオス(左)とメス(右).いずれも西表島にて.
写真28.ヒメトンボのオス.未熟なオス(左)は若いメスと同じ色彩をしている.成熟するとナニワトンボのように青白粉をふく.
写真29.ヒメトンボのメス.若いメス(左)はオスの未熟な個体と同じ色彩をしているが,これで産卵をする個体がいるので,成熟しているといえる.
 コシブトトンボとヒメトンボは南の小さなトンボたちです.ハッチョウトンボほどではありませんが,ヒメアカネなどよりは小さく見えます.コシブトトンボは小さな湿地で生活しているのをよく見ます.メスはオスが警護する打泥産卵を行います.ヒメトンボはとても素早く飛び回るトンボで,水田の横などを歩くと,ハンミョウのように飛んでは少し向こうに止まるのを繰り返します.いずれもそれほど珍しいトンボではありません.



南西諸島のトンボたち/南琉球のトンボたち
中琉球以北にも分布する種・亜種
 最後のカテゴリーは,南西諸島からかなり北にまで分布を広げているトンボたちです.兵庫県でも見ることができるトンボも多いです.また最近の気温上昇によるのか,分布を北に広げてきた新参者も含まれます.

台湾 西表 石垣 種名 沖縄 奄美 大隅 本土
リュウキュウベニイトトンボ (H6)
コフキヒメイトトンボ (H10)
ムスジイトトンボ (H8)
アオモンイトトンボ (H9)
ギンヤンマ (E3)
タイワンウチワヤンマ (H11)
オオヤマトンボ (E2)
タイリクショウジョウトンボ (H2)
コシアキトンボ (H14)
ベニトンボ (H13)
アオビタイトンボ (H12)
ハネビロトンボ (H7)
ハラボソトンボ (H5)
オオハラビロトンボ (H4)
オオメトンボ (H3)  
ミナミトンボ (H20)      
表4.南西諸島から九州やさらに本州・四国に広く分布を広げているトンボたち.50年以上も前(トンボの分布記録がたくさん出てきた時代)から本州に分布している種から,この数年の間に本州に分布を広げた種も含まれている.今後も,このなかまに入るトンボが増えてくるかもしれない.「久」は久米島を表す.
写真30.リュウキュウベニイトトンボのタンデムがサガリバナに止まっている(左),同じ場所でのオオメトンボの産卵(右).ともに西表島.
写真31.コフキヒメイトトンボのオス(台湾)(左).水田でなわばりを持つハラボソトンボのオス(西表島)(右).
写真32.オオハラビロトンボの老熟気味のオス(左)とまだ若いメス(右).いずれも西表島.
 これらのトンボは,まだ兵庫県には姿を見せていないトンボたちです.

 サガリバナは,初夏の西表島の名物です.訪島時,暗い池にたくさんのサガリバナが落ちていました.水生植物がほとんどないこの池にリュウキュウベニイトトンボのペアが飛んでいましたが,止まるところがないからでしょうか,水面に落ちたサガリバナに止まっていました.さすがに産卵行動は見せませんでした.

 同じ池では,16:00を過ぎたあたりからオオメトンボが飛び始めます.オスはホバリングを交えながら,水面近くを高速で飛び回ります.翅が木漏れ日に反射する時にはその姿を確認できますが,そうでない時はその姿を見失います.この時間にオスが活発に活動を始めるのは,メスが産卵にやってくるからです.私たちにはオスもメスも区別が付かないほど暗いのですが,よく見ていると,ときどき打水しているのが分かります.それは打水した時の水紋が木漏れ日に反射して見えるからです.写真を撮って気づきましたが,卵塊が蛍光緑色に光っています.

 コフキヒメイトトンボは,水田などでよく探せば見つけられると思うのですが,今回の西表島・石垣島訪島では出会うことがありませんでした.非常に小さいトンボなので,鮮やかな大きなトンボたちが飛び回ると,なかなか目に付かないような感じです.写真は台湾で撮影したものですが,ここは川でした.

 ハラボソトンボは兵庫県でいえばシオカラトンボほどにふつうに見られるトンボです.水田や浅い湿地,池などによく見られます.行動はシオカラトンボとよく似ています.兵庫県から訪れた我々にはやはり南国のトンボという感じですが,九州にはかなりふつうに見られます.四国や山口県にはまだ定着していないようです.

 オオハラビロトンボはやや薄暗い湿地状の場所付近で見られることが多いです.宿泊した西表島のホテルでまわりに全く水気がないと思われる場所などにも,止まっている姿が観察できたりします.よくその姿が見られる割には,繁殖活動は今回の南西諸島訪問では観察することがありませんでした.とにかく薄暗いところに止まっているばかりという感じです.オスは未熟な時は腹部が明るい黄色をしています(欄外写真)が,次第に赤味を帯びてきて橙朱色に変わり,老熟すると真っ赤な色になります.
写真33.タイリクショウジョウトンボのオス(石垣島)(左),ベニトンボのオス(石垣島)(右).
写真34.ハネビロトンボの産卵(西表島)(左),アオビタイトンボのオス(西表島)(右).
 タイリクショウジョウトンボは,亜種ショウジョウトンボが兵庫県にもいます.見た目はほとんど同じです.染色体の核型の違いで日本本土に分布するものが亜種になりました.産卵行動は単独打水産卵で,その行動はほとんど変わりません.ベニトンボは最近近畿地方でも次々に発見され,一部の県では,もうほぼ定着しているような感じです.南琉球では春(4月)に個体数が多く見られました.秋にも見られますが個体数は減少しています.

 南琉球にはヒメハネビロトンボが分布しています.ハネビロトンボはそれに混じって生活していますので,うっかりすると同定を間違えてしまいます.メスは後翅基部の褐色部の内側(基部側)に明るく透き通る部分が出るので判別できます.このうすい部分はオスにも出ますが,小さく翅の基部が腹部に隠れて見にくく,角度によっては生きているのをさっと見ただけでは区別が付かないことがあります(写真35).
写真35.ハネビロトンボのオス(左)とヒメハネビロトンボのオス(右)の比較.矢印部分に色のうすい部分があるのがハネビロトンボである.
 アオビタイトンボは南琉球では見つけにくい印象がありました.このトンボは,1977年に沖縄島で発見(成見,1978)されるまでは,国内では大東諸島でしか見ることができないトンボでした.沖縄島で発見後,現在は南は与那国島,北は山口県にまで分布が広がっています.兵庫県でも,移入だと思われますが,一例だけ発見されています.

 残ったトンボたちは,兵庫県でもふつうに見られる,広域分布種です.タイワンウチワヤンマは私の生きてきた間に兵庫県に定着したトンボですが,もう福井県(高橋・和田,2024)や千葉県にまで分布を広げており,もはやアオモンイトトンボなどと比べても遜色ないくらい日本本土のトンボの一員になっています.
写真36.タイワンウチワヤンマのオス(西表島)(左),コシアキトンボの産卵(兵庫県)(右).
 コシアキトンボは,久米島を除いて中琉球に分布していないトンボです.北琉球の種子島や屋久島には見られますし,この南琉球では石垣島や西表島に分布しています.小浜島にも記録はあるようです.台湾にも分布していることから,おそらく台湾の方から分布を広げてきたのではないかと思われます.ただ,私の訪島ではコシアキトンボに出会うことはありませんでした.「中琉球のその他のトンボたち」のところで書いたように,オオヤマトンボも台湾から来ているみたいです.

 あとギンヤンマ,ムスジイトトンボ,アオモンイトトンボ.これらは本当に南の島々でよく出会うトンボたちです.ギンヤンマは連結で産卵することが多いのですが,私が出会ったメスは単独で産卵していました.個体群密度があまり高くないのかもしれません.ムスジイトトンボ,アオモンイトトンボは産卵もしていました.
写真37.ギンヤンマの単独産卵(西表島)(左),オオヤマトンボの産卵メス(石垣島)(右).ギンヤンマが連結で飛ぶ姿は見かけなかった.
写真38.ムスジイトトンボのオス(西表島)(左),アオモンイトトンボ(西表島)(右).


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