トップ写真の解説
これは川のワンドでの産卵です.普通は池で繁殖しますが,水が停滞しているときには川にも入りこみます.なおクロイトトンボのメスにはオスと同色型の青い個体(写真)と,下の写真のような緑色型の個体があります.
青色型メスとの産卵.2018.5.20.
成虫
クロイトトンボはほぼトンボのシーズン中見られるトンボです.春のトンボの出現とほぼ同じころに,幼虫越冬個体が羽化をしてきます.5月中旬ともなると、池にたくさんのオス・メスが飛来し,繁殖活動を行います.夏になってもその勢いは衰えず,秋になってやっと数が減少する感じです.あまり詳しく観察したことはないのですが,10月になるまで生き残っているようです.産卵は通常はオス・メスが連結して水面の位置にある植物組織に行われますが,時に単独で産卵したり,潜水産卵も行います.
緑色型メスとの交尾.2010.5.15.
幼虫
幼虫はいろいろな環境で見いだされます.樹林に囲まれた池に比較的多く見つかります.水生植物の根際や,冬ならば枯れた植物体にもよく着いています.側陵にはっきりした黒点が並ぶことと,尾鰓に3つの褐色斑が見られることが特徴です.しかし同じクロイトトンボ属 Paracercion の他種とは判別が非常に難しいです.
スタジオ写真.2009.4.26.