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H025.サラサヤンマ Sarasaeschna pryeri
サラサヤンマは遷移の進んだ湿地に生息している.生息地は一見草地のようだが,所々に水たまりが残っているのが特徴だ.この水がたまった凹地は,実はイノシシが掘った穴なのだ.5月の下旬,こういった所を訪れると,オスがホバリングを交えて飛んでいるのを目にする.オスは,この凹地の周辺を縄張りにして,そこを往ったり来たりしてパトロールする.ときどきその周辺の草に静止する.一方メスは,湿地にやって来ると,草の間をかき分けるようにしてもぐり込み,湿土や朽木に産卵を行う.そのうちオスに見つかり,交尾に至る.交尾は木に止まって,やや高いところで行われる.湿地の遷移がさらに進んで乾燥化すると,サラサヤンマはやがて姿を消す.