トンボノート
No.757. 意地になったマイコアカネの産卵撮影.2020.10.11.

マイコアカネの産卵をビデオ記録しようと連日のように出かけ,今日やっとのことで,何とかぎりぎりカメラに収めることができました.観察に出かけたのは,まず9月29日,10月1日の二日間.いずれも産卵にやって来ましたが,見つけたタイミングが悪く,まったくモノになりませんでした.しかし生息地の中で産卵によく入るポイントは,この二日間の観察でだいたい分かりました.続いて10月2日.この日,晴天続きのせいか,残念ながら産卵によく入るポイントの湿地部分が完全に干上がっていました.水のないところにはマイコアカネは産卵しませんので,この日はヒメアカネやオオアオイトトンボに転進.そして台風がやって来て長雨.

この長雨が,あの湿地部分に水がふたたびたまるという幸運をもたらすのではないかという予想で,台風一過の10月10日にふたたび出かけました.ありました.水がたまっています.そしてマイコアカネもちゃんといました.しかし,9月の末に比べるとオスの数は半減していました.もうマイコアカネはピークを過ぎているのですね.また台風の影響で減った可能性もあります.しかしこの日,12:00ごろに,メスが単独で産卵に入ってきました.予想通りのポイントに入りましたが,スゲの間に潜り込んで産卵するので,すぐに姿を見失うのとピントが合わせづらいのとで,結局ほんのワンカットだけの記録となりました.

こうなったら意地になってきました.今日10月11日もう一度出かけました.9:30に現地に入り,じっと同じポイントで待ちます.2時間経っても,オスがときどき飛ぶだけで,敗色濃厚になってきたとき,交尾態で飛ぶペアが目の前を横切りました.でも湿地で縄張りを張っているオスに追われ,姿を見失いました.しかし遠くへ飛んだ気配がないので,目指すポイントへ産卵に帰ってくることを信じ,待ちました.11:40,ポイントのすぐ後ろ側で産卵をしているペアを見つけました.場所は手持ちカメラの接近戦が良さそうです.かなり産卵し始めてから時間が経っていたようで,十分な記録ではありませんが,なんとかぎりぎり形にできました.5回通っての観察完了でした.

いやはや意地になった観察でした.