No.571. ヨツボシ・トラフが活動を開始していた.2018.4.26.

今日は,兵庫県南部の源流域へ,ムカシトンボの羽化を探しに行きました.だいたいがそうですが,ムカシトンボのいるような源流域へは,急峻な山を一歩一歩登っていかねばなりません.きょうも足が上がらなくなりそうな感じを抱きながら,登っていきました.結果は,全く見つからず!.まあ,なかなかムカシトンボの羽化は難しいですね.

▲ムカシトンボの羽化を探しに行った源流域.水量が多い.

そこで,転進.今日の川は,上の写真でもそうですが,きのうまでに降った雨でかなりの増水.したがって,池の方に行くことにしました.ヨツボシトンボのいる池に寄ることにしました.

▲ヨツボシトンボのいる池.泥深いガマ帯があって,トンボが飛ぶところまで入ることができない.

この池はなかなかアプローチしにくい池で,写真を撮るには適していません.まあ,きょうは,いるかいないかを確かめるだけでいいと思って,やってきました.最初はトンボの姿が見られない感じでしたが,ギンヤンマが1頭飛んでいるのを見つけました.するとギンヤンマがいろいろなトンボにちょっかいをかけ,ヨツボシトンボがあちこちから飛び立ちました.トラフトンボも追いかけられて,いることが確認できました.ヨツボシトンボがやや近くに止まった以外,遠くに飛ぶ姿を撮るしかありませんでした.

▲パトロールしているギンヤンマ.つまりもう成熟しているオスなのだ.

▲.ヨツボシトンボのオス.5,6m先に止まっているのを撮影.

▲ヨツボシトンボのオスここは入っていける位置なのだが,敏感に察知して飛び去った.

トラフトンボは交尾態が池に入ってきました.いつものように,どこに産卵するか探しながら,飛んでいましたが,メスを放す前に見失ってしまいました.

▲パトロールするトラフトンボのオス.

▲.時期的に早いですね.もう交尾して飛んでいる.残念ながら,どこで卵塊をつくっていたかは不明.

次に,先日羽化していたコサナエ属の成長度合いを見に行きました.コサナエ属のトンボたちはたくさん飛んでいて,とても楽しかったです.フタスジサナエはまだ未熟な個体が多かったですが,タベサナエ,オグマサナエは大分成熟していました.もうすぐ産卵を始める時期になりそうです.

▲新緑の葉の上に止まるタベサナエのオス.まだ若干黄色い色が残っている.

▲どんぐりの木の葉に止まるタベサナエのオス.

▲池の上にオーバオハングしている気にとまる,成熟したタベサナエオス.

春のこの時期は,新緑のまだ汚れていないきれいな葉の上に止まるコサナエ属のトンボたちが,トンボ屋の私にとっては早春の季節感を抱かせてくれる色彩です.それにしても,この池,タベサナエの数が一気に増えたように思います.一昨年までは姿を見たことがなかったのに.

▲オグマサナエは地面に止まるのがお好きなようだ.

タベサナエ,オグマサナエは水辺に出ていました.そしてフタスジサナエも1頭,水辺に出ている個体がいました.

▲葉上に止まるフタスジサナエたち.フタスジサナエがたくさんいるというのは本当に嬉しいことである..

▲1頭のフタスジサナエが,すでに水辺に出て繁殖活動を始めていた.

最後に定点池に寄りました.しかし,やはり全くトンボの姿がありません,いや,トラフトンボが1頭だけ通り過ぎました.今年はこの池はだめかもしれません,昨年水を相当長期間落としたのではないかなぁ...などと想像しています.

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No.570. 源流域にはまだ春は来ていなかった.2018.4.22.

早春のサナエトンボ,コサナエ属は4種とも羽化を確認できました.今日は源流域へ,ダビドサナエの羽化を見に行きました.

▲今日の観察地.日当たりの良い源流域である.

流れに沿って歩き,羽化殻などを探してみました.すると,幼虫が1頭,石の上を歩いているのを見つけました.羽化するかとも思いましたが,しばらくするよ再び水の中へ帰って行きました.これ,一体どういう行動なのでしょうね? 写真で種名を確認すると,ヒメクロサナエであることが判明しました.

▲石の上を歩いていたヒメクロサナエの幼虫.決してやらせではありませんヨ.

▲しばらくして,水の中へ帰って行くヒメクロサナエの幼虫.

ヒメクロサナエだとすると,まだ羽化にはちょっと早いかもしれませんね.以前にこの場所近くで,ヒメクロサナエの処女飛行個体を見つけたことがあります.それが5月23日でしたから,まだ1ヶ月も先のことになります.

その後もかなり探しましたが,ダビドサナエの方は成果なしでした.カワトンボ類の姿もなく,まだこの源流には春は来ていないようでした.ここは標高が500mを超えていて,まだ水温が結構冷たいのかもしれません.長靴を通して水の冷たさが伝わってきました.ということで,ちょっとだけ幼虫すくいをやってみたところ,ダビドサナエが採れました.翅芽は膨らんでいるものの,まだ羽化するほどパンパン状態ではありません.あと1週間以上はかかりそうです.

▲ダビドサナエの幼虫.採集して撮影した.

あと,ムカシトンボの羽化を見に行きましたが,源流域が数年前の山津波で激しく荒れていました.コンクリート張りの改修も行われていて,なんか,だんだんといい場所がなくなっていきますね.ここでは探そうという気が起きませんでした.またムカシトンボは別の場所へ行って探すことにしたいです.

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No.569. コサナエの羽化が最盛期.2018.4.21.

一昨日,コサナエを探しに行きました.羽化殻があちこちに付いていたので,まだ羽化が続いていると判断し,今日,もう一度兵庫北部へコサナエの羽化を見に行きました.現地に着いたのは9:00過ぎ.池の岸近くで,1頭が羽化をしていました.

▲本日最初に見つけた羽化個体.コサナエのオス.腹部を高く持ち上げるような姿勢をとる.

▲羽化している場所の微小環境.岸辺(左下)のすぐ横で,落ち葉の堆積している上で羽化している.

フタスジサナエと同じように,池の岸近くの落ち葉の上などの位置で羽化しています.コサナエは,フタスジサナエに比べると,羽化の終わり近くになると,腹部を高く持ち上げるような姿勢をとっている個体が多かったように思います.

この池には,たくさんの羽化殻が残されていて,片っ端から採集してみました.ざっと採っただけで55個ありました.探しているときにクロスジギンヤンマの羽化殻も見つけましたもう羽化しているんですね.

▲羽化殻は落ち葉の上で半分水につかっているものが多かった.意外と倒木などには這い上がらないようだ.

▲ざっと採集した結果.左がコサナエで55個.右はクロスジギンヤンマ.左右で倍率は異なるので注意.

この池では,別に1頭羽化していたようで,処女飛行に飛び立つ姿を見ることができました.あといくら探しても羽化途中の個体はなく,もう時間的に羽化が終わったか,あるいは時期的にもう終盤で,羽化個体数が少なかったのか,そんな印象を持ってしまいました.ところが,少し離れた小さな湿地状の人工池の横を通り過ぎたとき,足下から1頭のコサナエが処女飛行に飛び立ちました.

▲湿地状の小さな池から飛び立って止まった個体.この個体のおかげでたくさんの羽化が観察できた.

池をのぞいてみると,あちこちに羽化殻が付いています.羽化している個体がいないか目を凝らしましたが,全然見つかりません.しかししばらくすると,1頭,羽化している個体が目に入りました.この個体は池のど真ん中で羽化しているのに,全然見えていないんですね.そして1頭見つかると,すぐにその少し横で,また池岸の近くで,と次々目に入るから不思議です.

▲見つけたときには翅の伸張過程に入っていた.

▲翅が伸び終わり,腹部ももうほとんど伸びきっている.

▲羽化の終盤,このように腹部を高く持ち上げる個体が結構多い.

例によって,コサナエもフタスジサナエと同じで,翅を開くやいなや飛び立ってしまいますので,開翅した瞬間を撮ることが非常に難しいです.幸い翅を開いてしばらくじっとしている個体がいましたので,それをゆっくりといただきました.

▲翅を開いてしばらく止まっていた個体.おかげで,こういう姿勢の写真が撮れた.

ここに写真を紹介した以外にも,数頭,処女飛行に飛び立ったのを見ていますから,まあ,10頭は羽化していたでしょうね.時刻は大体11時少し前でしたから,羽化時刻はフタスジサナエなどと大差ないような感じです.

▲岸近くで羽化していたオスのコサナエ.

▲これも池の中央で,見つけたときには休止期に入っていた.

▲もう1頭は日陰で羽化していた.やはり休止期の状態であった.

▲腹部を抜くところ.この瞬間が好きなのでいつも撮影している.

▲腹部を抜き取った瞬間.

▲処女飛行に飛び立って樹上に止まったコサナエのメス.羽化していたのは池の真ん中だったが気づかず.

十分楽しめましたので,あとは別のトンボの未熟個体を探しに草地や林縁を歩いてみました.いたのは,シオカラトンボのオスと,ハラビロトンボのメスでした.

▲シオカラトンボの未熟なオス.メスと同じ麦わら色をしている.

▲ハラビロトンボのメス.ハラビロトンボも結構早くから出現するトンボだ.

シオヤトンボは十分成熟し,あちこちで縄張り活動や追尾行動を展開していました.いよいよトンボシーズン開幕という感じです.それにしても,この時期に気温30度は,異常としか言いようがないですね.

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No.568. フタスジサナエが一斉に羽化を始めました.2018.4.20.

今日は,そろそろ羽化を始めるだろうフタスジサナエを見に行きました.朝のうちちょっと用事があったので,現地に着いたのは11時少し前でした.もう気温は十分すぎるくらい上がっていて,羽化の条件としては十分です.早速池に降りてみますと,あちこちにフタスジサナエの羽化殻が着いていました.

▲フタスジサナエの羽化殻.あちこちにたくさん着いていたので,羽化は最盛期を迎えたようである.

▲上がフタスジサナエの羽化殻.下はタベサナエの羽化殻で,分解が進んでいるようで透き通り始めている.

▲今日の観察ポイント.2頭の羽化個体のを加えて,合計6個の羽化殻(黄矢印)が見える.

そして慎重にまわりを見渡してみますと,羽化途中のフタスジサナエがいました.数個の羽化殻が付近に着いていて,この場所は羽化場所としてに好まれているみたいです.羽化している個体はオスでした.この池では,この数年毎年フタスジサナエの羽化を観察していますが,いつも4月の下旬に来ているので,メスの羽化ばかりが目立っていました.今年は少し早いせいか,オスの羽化を見ることができました.

▲10:56.着いたときに羽化途中だったオスの個体.

▲翅が伸びきった.後翅の肛角がとがっているのでオスであることが分かる.

腰を落としてまわりの羽化殻を見てみますと,一つだけ,中身の入っているものがいました.先日タベサナエの時は家に帰ってから写真を見て気づいたのですが,今日は見落とししませんでした.こちらは腰を落ち着けて観察することにしました.毎年のようにフタスジサナエの羽化過程の観察から一年が始まっています.今年もそうなってしまいました.タベサナエかオグマサナエから始めるよう,来年は頑張るつもりです.

▲10:56,羽化殻に混じって中身の入っている幼虫.腹部を反らしており,まもなく殻が割れる前兆.

▲11:02,背中が開裂し,胸部が見え始めた.

▲11:03.盛り上がるように胸部が浮き上がってくる.

▲11:04,複眼が完全に殻から抜けた.

▲11:05,前肢と中肢が抜け,体を後ろの方に反らせるようにして後肢を抜こうとしている.

▲11:26,6本の脚を脇にしっかりと引きつけ,休止期に入っている.休止期は5分間ほど続いた.

▲11:11,突然前に屈曲し,腹部を抜き始めた.

▲11:12,翅の伸張期に入る.

▲11:14,翅はつけ根から徐々に伸展していく.

▲11:22,翅がすっかりと伸び,あとは腹部が伸びきるのを待つ.

この羽化個体はメスで,最初に見つけたオスの羽化個体のすぐ横で羽化していましたので,ダブル羽化ですね.ツーショットをとっておきました.

▲オスとメスの羽化ツーショット.手前がオスで向こうがメス.

なお,いずれの個体も,翅を広げたかと思ったらその瞬間に飛び立ってしまいましたので,翅を広げた写真は撮ることができませんでした.処女飛行に飛び立ったときも,一気に樹上に上がってしまい,後追い撮影はできませんでした.しかたなく,他の場所からも何頭かが処女飛行に飛び立ちましたので,それを撮影しておきました.

▲処女飛行に飛び立ったメスのフタスジサナエ.

フタスジサナエが羽化していたこの池は,先日,タベサナエとオグマサナエが羽化していた池で,この池は珍しく3種のコサナエ属が共存しています.No.512の記事では幼虫で3種を確認したことをお知らせしました.フタスジサナエは,他の2種と羽化する場所もよく似ていますが,時期を少しずらせることで羽化場所をめぐる競争は起こらないようになっているようです.オグマサナエとタベサナエは完全に同じ時期に羽化しています.この池にタベサナエが姿を現したのは昨年です.オグマサナエの数が多くないので,タベサナエに押されて消えないことを祈りたいです.

さて,この池を離れる前に,先日羽化したタベサナエやオグマサナエがどうなっているかを確かめることにしました.周辺を探してみると,オグマサナエは見つかりませんでしたが,タベサナエは3頭ほど確認できました.いずれもオスで,まだ淡色部が黄色でした.繁殖活動を始めるにはまだ少し時期尚早という感じです.来週の曇り続きの日々が終わって晴れのサイクルになったあたりがねらい目でしょう.

▲タベサナエのオス.まだ淡色部が淡い黄色をしていて,うすみどりになっていない未熟個体.

▲タベサナエのオス.樹上に止まってもぐもぐタイム.

▲やはりまだ複眼も透明になっていなくて未熟状態のタベサナエのオス.

このあとは再び成虫越冬種,特にホソミイトトンボとオツネントンボを探しに行きました.いつもの小野市の定点池では,ホソミイトトンボが1頭だけ通り過ぎましたが,成虫越冬種をはじめ,フタスジサナエ,シオヤトンボ,トラフトンボ,ヨツボシトンボ,クロイトトンボなど,4月下旬に姿を見せ始めるトンボの姿が全くありませんでした.ちょっと異様なほど静寂です.水温が低いのかもしれません.

最後に近くの公園に行きました.アジアイトトンボの処女飛行個体をみました.アジアイトトンボはすでに青くなっている個体も通り過ぎました.

▲アジアイトトンボのメス.処女飛行の直後.

これで,コサナエ属4種をすべて確認したことになります.4月20日,結構早い時期に出そろうのですね.まとめとして,これらの羽化殻の写真を並べてみました.みなさんは,どれがどの羽化殻かお分かりでしょうか.腹部第10節の幅に対する長さ(白矢印),そしてこのうちの1種には背棘があります(黄矢印).でも,腹部第10節の幅に対する長さは,1個体だけを見ていてはなかなか区別がつかないものですが,並べて見るとやはり違うことが分かります.標本はこのために必要なんですね.

▲コサナエ属4種の羽化殻.タベサナエ,オグマサナエ,フタスジサナエ,コサナエ,どれがどれでしょう.

さあ,明日も晴れそうです.またトンボを探しに行くことにしましょう.

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No.567. 早春の兵庫県北部.2018.4.19.

今日はガンガンの快晴の予報.フェーン現象のせいか,県北部の方が気温が高くなり25度の予報.ということで,今日は早春の県北部の様子を見に行くことにしました.こんな日に限って朝よく眠れて,久しぶりの寝坊….,通勤渋滞に巻き込まれながらのんびりと運転し,県北部を目指しました.

最初はムカシトンボが羽化を始めていないかを確認に行きました.ムカシトンボは標高の高い源流域に生息しています.10時過ぎに着きましたが,気温はまだ20度を超えたくらいでした.2014年にムカシトンボの羽化を観察に来たときは,4月27日でした.そのときは羽化殻が着いていて,すでに羽化を終えていました.

   ▲2014年4月27日,今日の観察地と同じ場所で見つけたムカシトンボの羽化殻の一つ.

そこで,今日くらいには羽化しているかもしれないと予想して出かけたのですが,羽化個体も,羽化殻もありませんでした.もう少し後なのでしょうか.ムカシトンボは木漏れ日の差す薄暗い源流域を飛んでいる印象があります.この生息地は夏緑樹が中心の源流で,羽化が始まるこの時期まだ葉が開き始めなので,林床が非常に明るい.これなら太陽の光を受け,暖かい状況で羽化ができそうです.まあ,いずれにしても,羽化は間近でしょうね.

▲林床を覆う樹木はやっと芽吹いたばかり.太陽の光が林床にまで達して明るく暖かい.

ということで,平地のトンボたちを見に行くことにしました.県南部では,今年4月10日に,タベサナエやオグマサナエの羽化を確認していますので,コサナエの羽化の確認を目的としました.コサナエは5月5日にはたくさん産卵していますから,タベサナエやオグマサナエと同様に,多分羽化しているだろうという見込みです.コサナエの探索は,生息する池の奥の方にある,林縁の休耕田の草地で行いました.

今は新緑の季節でこの時期しか見られない緑色の世界,山桜も混じってコントラストを与えてくれていました.春の晴れわたった空のもと,本当に気持ちのいい観察でした.

▲コサナエやカワトンボを観察した,林縁の休耕田の草地.春いっぱいこの雰囲気が好きです.

見つけた成虫はメスが1頭だけでした.羽化殻は3個見つけました.もっと探せばあったのでしょうが,ホソミオツネントンボが多数産卵していましたので,そっちに気をとられて,探すのをやめてしまいました.こちらは後ほど紹介します.

▲コサナエのメス.同じ個体.今日羽化したという感じではない.

▲コサナエの羽化殻.腹部第10節は短い.

さて,この林縁の草地には,たくさんのニホンカワトンボが入り込んで止まっていました.歩くと,ひらひらと未熟な個体が飛び立ち,樹木の葉に上がります.ニホンカワトンボもすでにたくさん羽化していたということですね.

▲林縁の草地で成熟を待つニホンカワトンボのオスとメス.どの個体も成熟度が近い.

▲このように集団で止まっていて,近づくと,ひらひらと飛び立って,樹上へ上がる..

▲樹上に上がって止まっているニホンカワトンボのメスとオス.

ニホンカワトンボの中に,アサヒナカワトンボも混じっていました.アサヒナカワトンボの方は個体数が少なく,見つけたのはオスだけでした.1頭はまだ縁紋が白く未熟な個体でしたが,もう1頭はすでに流れに止まって縄張りを形成していました.縁紋は赤くなっています.

▲アサヒナカワトンボのオス.縁紋がわずかに赤みを帯び始めているのが分かる.

▲流れで縄張りを持つオス.縁紋も赤くなっていて,成熟している.

ここには,たくさんの未熟なシオヤトンボも入り込んでいました.日だまりの枯れ木には5,6頭の未熟個体が止まっていましたし,横にある湿地では未熟個体が飛び立ったりもしていました.その横の湿地には,1頭の成熟したオスがメスをつかまえて交尾をしていました.交尾が終わったメスは産卵せずに飛び去りましたので,まだ産卵する気がなかったのでしょうね.この成熟オス,十分に成熟しているように見え,かなり早く羽化していたのでしょう.

▲テネラルなシオヤトンボのオス.

▲処女飛行のあと止まったシオヤトンボのメス.今日もいくつか処女飛行個体を見た.

▲交尾するシオヤトンボ.オスは成熟していて,メスも複眼が透き通っているので成熟していると思われる.

▲交尾していたオス個体.もうしっかりと成熟しているように見える.

さて,最後になりますが,今までなかなか見つからなかった成虫越冬種の産卵活動を,今日は観察することができました.ホソミオツネントンボです.私の観察フィールドでは,ホソミオツネントンボは一番見つけにくいトンボです.しかし今日は,うじゃうじゃ状態,「兵庫のトンボたち」に載せるいい写真も撮れました.産卵しているペアの中で一つ面白かったのは,まだ水色になっていないメスとタンデムになって産卵しているペアがいたことでした.はじめはオツネントンボとの異種間タンデムかと思ってしまいましたが,間違いなくホソミオツネントンボのメスでした.

▲ホソミオツネントンボの交尾.風に吹かれながら,旗のように左右に振られていました.

▲ホソミオツネントンボの産卵.太陽の位置の関係で,みな同じ向きになっている.13:30ころ.

▲このメスはまだ青色になっていない.越冬状態の褐色をしているままで産卵をしている.これは珍しい?.

ホソミオツネントンボに混じって,ホソミイトトンボが1頭だけ飛んでいました.最後にこれを紹介して,今日の観察記を終わります.

▲ホソミイトトンボのオス.

あそうそう,シオカラトンボが飛ぶのを見ました.以上追伸.

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No.566. 成虫越冬種成果なし.2018.4.13.

今日は気温が低めとの予報でしたが,太陽はしっかりと顔を出していました.昨日に比べてうんと体感温度は高い感じです.ということで,午後から成虫越冬種を探しに行きました.例年集まってくる池を2つ回りました.しかしトンボの姿は全くありません.

▲ホソミイトトンボがよく集まってくる池.しかしトンボの姿はなし.

やはりトンボたちは例年通りの感じで出てくるのでしょうか.成果なしは嫌なので,オグマサナエのもう一つの産地へいってみることにしました.といっても,まだ未熟なはずですので,池ではなく,オグマサナエが集まる農道での観察です.

▲オグマサナエを観察に行った農道.

晴れてはいましたが風が強く,どうかなというふうに思いながら農道を歩くと,コサナエ属のトンボが飛び立ち,一つは離れた場所へ,一つは樹上へ,もう一つはすぐ目の前に止まりました.まずは目の前に止まった個体を撮影.まだ翅が開ききっておらず,今日羽化したことは明らかでした.もう一つは止まったあたりに目星をつけて近づいていくと,再び飛び立ち,すぐ近くに止まりました,こちらも羽化して間もない感じです.あと,シオヤトンボを1頭見かけました.

▲羽化直後と思われるオグマサナエのメス.

▲まだまだテネラルなオグマサナエのメス.

▲シオヤトンボの未熟なメス.

今年は3月は暖かだったですが,その前の冷え込みもあったのか,水生植物の生育が遅い感じがします.成虫越冬種は植物内産卵ですから,まだ池に集まってきていないのかもしれません.どちらにしても,成虫越冬種以外はほぼ例年通りの感じで羽化してきているように思います.

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No.565. 成虫越冬種なかなか姿を見せず.2018.4.12.

今年は春が早くやってきたので,さぞかしトンボたちも早春から暴れ回っているかと思いきや,意外と静かです.今日は成虫越冬種をさがしに行きました.ほとんど毎年これらが春一番にお目にかかれるトンボなのですが,例年の場所へ出かけても全く姿がありません.きっと探し方がまずいのでしょうね.まあ,今日はやっとのことで,ホソミオツネントンボを3頭見つけました.

▲ホソミオツネントンボのオス.天気が悪く,ぼんやりと止まっていた.

朝から晴れるとの予報も当てにならず,どんよりとした天気も災いしたようです.あとはシオヤトンボが2頭ほど飛んだだけで,それ以外は成果がありませんでした.また気を取り直して出かけることにしましょう.

▲タチツボスミレ.

今日のゲストは,タチツボスミレです.普通のスミレより色が淡くてきれいですね.

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No.564. サナエたち一気に羽化,シオヤは産卵も.2018.4.10.

今日は朝から快晴の一日でした.この2,3日寒の戻りで冷え込んで,その前は天候不順,少し間が空きましたが前回の観察から一週間.トンボたちは出てきているか!,観察に出かけました.

▲まずはシオヤトンボの生息する湿地のある池へやってきた.

まずはシオヤトンボ.4月3日に成虫が飛ぶのを見ましたので,もうかなり数が増えているのじゃないかということで,小野市の同じ場所に出かけました.いましたね.池の周囲の日だまりの中に止まっていました.まだ未熟な個体ばかりでした.オスもメスも入り交じって飛んでいました.全部で10頭近くを見ました.

▲未熟なシオヤトンボたち.上の2頭はオス,下の2頭はメス.

そんな中で,上の写真の湿地に,気の早いオスが縄張り活動をしていました.いやはや今年は早いですね.腹部に粉を吹いている個体は,別の場所でもう1頭見かけました.

▲腹部に粉を吹き,上の写真の湿地で縄張り活動をしていたオス.

さて,シオヤトンボがもはや縄張り活動を始めていましたので,これは春一番のコサナエ属,タベサナエが出ているのじゃないかということで,タベサナエが見られる加東市の方へ出かけてみました.いましたいました.日当たりの良い草地を歩くと,次々にひらひらと羽化直後のタベサナエが飛び立ちます.ざっと見ただけでも20頭以上はいたと思います.いや,トンボ屋にとってうれしい春のシーズン開幕の風景です.最近はコサナエ属も減って,こういう風景は見られなくなってきましたけど.冷え込んだ後の暖かい晴天の日というのが,一斉羽化を実現し,こういう風景を見せてくれたようです.

▲これが唯一見たタベサナエのメス.やってきて一番最初に見つけた個体である.

▲他は見る個体すべてオスであった.あまりにたくさんいたので見落としのある可能性は十分にある.

飛び回っている個体は,オスの方が圧倒的に多く,雄性先熟の可能性が示唆されました.あちこちにある浅い水たまりや湿地,溝川から羽化しているようでした.処女飛行に飛び立った個体も何頭か見ました.溝川では羽化殻も見つかりました.どの個体も翅がまだ完全に乾いていないような感じで,この数日寒かったことも考え合わせると,今日の午前中に一斉に羽化したように思われます.

▲上:羽化殻を見つけた水田横の溝川.下:そこで見つけたタベサナエの羽化殻.

ここで驚いたのは,シオヤトンボが交尾・産卵をしていたことでした.もっともメスはまだ十分に産卵ができるほどに成熟していないのか,弱々しく打水して,短時間で飛び去ってしまいました.4月3日に初見,4月10日に交尾・産卵というのは,気の早いシオヤトンボといえども兵庫県ではめずらしい記録といえるんじゃないでしょうかね.

▲交尾した後に産卵を行ったメス.

さて,シオヤトンボが産卵し,タベサナエがこれほどいるということは,同じように気の早いオグマサナエも羽化しているのではないかということで,さらにオグマサナエの生息する池に出かけてみました.

▲オグマサナエのメス.

いやはや,いましたね.オグマサナエ.このほかにもタベサナエも見られましたし,コサナエ属の処女飛行個体が何頭か樹上へ上がっていくのも目撃しました.

▲処女飛行の後着地したタベサナエのメス.

羽化している途中の個体がいないか,先の場所も含めて探してみましたが,羽化殻が見つかるばかりでした.タベサナエだけでなく,オグマサナエの羽化殻もありました.タベサナエは集団で羽化殻が着いていましたが,家に帰ってよく見ると,そのうち1頭は,中身の入ったもの,つまりこれから羽化を始めようとして個体でした.ちょっと早とちりしましたね.

▲タベサナエの集団羽化殻.白い矢印の個体が中身の入ったもの.

▲タベサナエの羽化殻.背棘が並んでいるのがはっきりと見える.

▲オグマサナエの羽化殻.採取して確認済み.フタスジサナエではない.

まあ,いずれにしても,暖かかった今日の一日,サナエトンボたちがたくさん出てきて,一気にトンボシーズンに突入という感じです.これから忙しくなりそうです.でも,成虫越冬種を全く見ていないのが不思議といえば不思議です.今日も,最初に行った池はそれらが目的だったのですが….

▲ヤマツツジ?の一種.春はあちこち色鮮やかである.他の木が茂る前に低木たちが花を咲かせているのだ.

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No.563. シオヤトンボを見たが…. 2018.4.3.

今日も朝から晴れて気温が上昇しました.トンボが姿を現していないかどうか,再び観察に出かけました.

▲観察池の一つ.

フィールドは春いっぱい.桜が満開で,足下には春の小さな花々が咲いています.主に成虫越冬種をさがしに行ったのですが,3カ所回って,全く成果がありませんでした.しかし,写真の池で,シオヤトンボが飛ぶのを目撃しました.延べ4頭見ました.1頭は処女飛行に飛び立ち,向こうの方へ飛んでいきました.他の3頭は摂食飛翔をしていました.シオヤトンボだから止まるだろうと高をくくっていましたら,どこかへ飛んでいったり,樹上へ姿を消したりして,写真を撮ることができませんでした.このうち,目の前を通り過ぎた1頭は,それなりにしっかりした飛び方をしていましたので,おそらく4月1,2日,あるいは3月に羽化した可能性がありますね.

トンボの写真が撮れなかったので,今日は足下の花たちを紹介して,春の気分を出しておきたいと思います.

▲上から,カンサイタンポポ,ホトケノザ,オオイヌノフグリ,ヒメオドリコソウ,スミレ,ソメイヨシノ.

本当に気持ちのいい春の一日でした.

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No.562. 春の訪れは早いがトンボの姿は…. 2018.4.1.

今日から,2018年度が始まります.今年は3月の途中から急に気温が高くなって,桜がかなり早く咲きました.トンボも早いかと思い,3月30日に越冬種が訪れる池に,4月1日に兵庫県西部の川に出かけてみました.まだトンボの姿はありませんでした.よくさがせば見つかるのかもしれませんが,もう少し待てば,あちこちでトンボの姿が見られ始めるでしょう.今年は中身の濃い観察を続けていく予定です.

▲今日訪れた川.満開の桜並木の横を流れる川.

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