No.818. 茶色のオオキトンボ.2021.11.19.

今日の兵庫県は全域で晴れ模様.こんなときは観察に出かけるほかはありません.今年は10月下旬に訪れた池が珍しく水を落とし続けているので,連続定点観察をしています.この池は10年に1回くらいこのような状態になります.前回はそのおかげでマイコアカネがたくさん観察できました.今年は,オオキトンボとタイリクアカネなどです.

オオキトンボはそろそろ没姿時期が近づいてきています.この時期になると,体に赤味が増し,全体として茶色になります.この色彩が大好きで,毎年の楽しみにしています.

▲茶色のオオキトンボのオスたち.▲

朝10時頃に池に着きましたが,気温はまだ14℃.トンボはほとんどいませんでした.11時を過ぎるとやっと出てきました.オオキトンボも水面をホバリングしたり,連結個体も一つ見ました.タイリクアカネとの異種間交尾も見ました.

▲水面でホバリングするオス.まだまだ頑張っている.▲

▲タイリクアカネのメスとタンデムになったオオキトンボのオス.▲

異種間交尾のタンデムが止まっているすぐ横にタイリクアカネがいて,ちょっかいをかけていました.まるで「俺のメスを取るな」と言っているみたいでした.写真でもタンデムをじっとにらんでいます.

タイリクアカネもまだたくさん残っていました.水面をホバリングしたり,タンデムが産卵をしたり,産卵が終わった頃には周辺で交尾をしたりと,繁殖活動は活発に行われていました.

▲産卵しながら水面を飛び回るタイリクアカネのタンデムペア.▲

▲池の周辺の草むらでは,産卵後のメスを捕まえて交尾が行われている.▲

この池では,アキアカネは思ったほど数が増えず,タイリクアカネに混じって,繁殖活動を行っていました.交尾・産卵などが観察できました.

▲繁殖活動をするアキアカネたち.▲

これ以外には,リスアカネやマユタテアカネが少数生き残っていました.12時頃にはトンボが多く見られましたが,2,3週間前に比べると,明らかに数は減少しています.今日は目の前で産卵するペアがいませんでした.

この池にはキトンボが来ません.キトンボはまた別のところへ見に行く必要がありそうです.今日はトンボ以外の生き物たちがすぐ近くを通り過ぎました.ゲストとして紹介しておきます.

▲セキレイがどんどん近づいてきたのでシャッターを切ったら驚いて飛び立った.▲

▲きれいな毛並みのヌートリアも目の前を悠然と通り過ぎた.▲

今日は98%欠ける部分月食でした.これもついでに記録しておきました.

▲6時3分,もっとも欠けると報道のあった時間帯に撮影した部分月食.▲

さて,来週からは寒くなると言う予報です.どれくらいが生き残るでしょうか? 気温は下がっても晴れる日が多そうですから,意外と残るかも知れません.次はその寒さが通り過ぎた後に来てみることにしましょう.

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No.817. アキアカネは増えたか? 2021.11.7. 

先日,アキアカネが帰ってきていたので,今日はその数が増えているかどうかを見に行ってきました.アキアカネはいましたが,数が増えている感じはせず,タイリクアカネに混じって活動している状況でした.昨日も晴天だったので,アキアカネに限らず,今日は産卵活動はあまり活発ではありませんでした.おまけに風が強く,目の前で産卵してくれたのはオオキトンボだけでした.

まず池に着いて,周囲を歩いてトンボの集まり具合を見ました.いちばん多かったのはオオキトンボでした.だいぶん腹部が茶色になっていました.

▲オオキトンボのオス.腹部がだいぶん茶色くなってきた.▲

▲草むらで休むオオキトンボのメス.▲

メスも草むらに止まっていましたが,翅の後縁が破れ,おそらくこれはビークマークでしょうで.鳥が産卵ペアをねらっているのです.

これ以外には,いつものトンボたちがいました.ノシメトンボだけは姿を消していました.今年はもうダメでしょうね.数はタイリクアカネが一番多かったようです.

▲タイリクアカネの交尾.▲

▲アキアカネの交尾.▲

▲マユタテアカネのオス.▲

▲ナツアカネのオス.▲

▲リスアカネのオス.▲

池をひとまわりして,スタート地点で座っていると,オオキトンボが目の前に産卵にやって来ました.今日はオートフォーカスでねらってみました.背景が単純だからか,ピントがたくさん来ていました.打泥して飛び上がるところの連続動作です.

▲打泥直前から産卵後の上昇まで連続動作.1/6秒間隔.▲

面白そうなので,打泥から上昇までを一つに合成してみました.

▲打泥してから上昇するまでの連続.1/6秒間隔.▲

今日も目の前で産卵が堪能できました.しかしオオキトンボばかりですね.この池では現在最普通種です.

▲産卵するオオキトンボ.下はメスに焦点を当てた.▲

ということで,前回とほとんど変わらない状態でした.若干各種の個体数は減ったように感じました.鳥が食っているのでしょうか?

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No.816. アキアカネが帰ってきた.2021.10.30.

今日は朝から晴れの予報.先日見つけたノシメトンボが来そうな池の抽水植物帯.ここへノシメトンボを見に行くことにしました.ノシメトンボはかつては「ついで種 collateral species」でした.アカトンボを観察に行くというような大きなくくりの中で,必ず見つかる種だったのです.でもこれを目標にしてわざわざ出かけるというのは,本当にトンボがいなくなったことを実感します.

さて,池に着いたのは9:40頃でした.池をざっと見渡しても,まだトンボは飛んでいません.気温15度,秋のトンボにはまだ早いようです.池に降りましたら,「あっ」という感じ,アキアカネが止まっていました.つい4日前に来たときには姿がなかったのに,帰ってきたのですね.

▲朝日を浴びて(といっても10時前)池岸に止まるアキアカネのオス.▲

池をぐるっと一周することにしました.止まっているトンボたちを見ていこうというわけです.まず見つけたのは,マイコアカネのメスでした.前にも書きましたが,この池はかつてはマイコアカネがたくさん生息していました.最近見かけることがなかったのですが,まだいることだけは確かなようです.

▲マイコアカネのメス.いたんですねぇ.よかったです.▲

そのほかには一通りのメンバーがいました.タイリクアカネ,オオキトンボ,リスアカネ,マユタテアカネなどです.池の周囲で日向に止まっていました,しかし,ノシメトンボの姿は見られませんでした.ちょっと先行き不安です.

▲タイリクアカネのオス.▲

▲自身と同じような色の土の上に止まっているオオキトンボのオス.▲

▲リスアカネのオス.▲

▲マユタテアカネのメス.堤の草の中にいた.▲

さて,だいたいこの時期のトンボたちは10:30ぐらいから繁殖活動を始めます.スタート地点に戻り,腰を下ろして産卵開始を待つことにしました.ほどなく1ペアのトンボが目の前に入って来ました.アキアカネです.アキアカネが産卵にやって来ました.兵庫県南部のアキアカネは,最近,11月になってから姿を見せるようになっています.もう間もなく11月ですから,やはり帰ってきたのですね.でも,いちばん遅くまで活動しているキトンボやタイリクアカネより繁殖活動の初見が遅いというのは,昔を知っている身にとっては,なんかしっくりきません.

▲最初にやって来たのはアキアカネの産卵ペア.10:22である.▲

結構長い間産卵をやっていましたが,やがて,メスを放し産卵が終了しました.タイリクアカネのオスが,水面をホバリングして飛ぶようになりました.いよいよ産卵時間帯に入ってきたようです.

▲水面をホバリングして飛ぶタイリクアカネのオス.▲

そのうち,次々と産卵ペアたちが池に入ってきました.産卵時刻が始まったようです.タイリクアカネが多そうです.しかし写真を撮って確認すると,かなりの割合でアキアカネが産卵していることが分かりました.私は,アキアカネが増えるとタイリクアカネが減るという仮説を持っていますが,この後が楽しみです.

▲産卵するタイリクアカネ.今日は比較的遠いところでばかり産卵していた.▲

さて,産卵が始まったので,もう一度ノシメトンボを見に行くことにしました.なんせ今日はこれがメインですから.抽水植物帯が干上がったところへ行ってみました.しかし,まだノシメトンボは飛んでいません.ただ,オスが姿を現しました.望みありですね.

▲ノシメトンボのオスがやって来た.▲

少し待ってみましたが,やはり産卵にはやって来ません.打空産卵をするトンボは,この時期,他の打水産卵のトンボより産卵時刻が遅い感じがしています.リスアカネにしても,ナニワトンボにしても,ナツアカネにしても,たくさんの個体が産卵しているのは,だいたい9月下旬がメインです.ですから高い気温で産卵するように適応しているのかも知れません.そこで,11:30頃にここに来ることにして,今盛んに産卵している打水産卵のアカトンボを見に行くことにしました.

行く途中,池の外を回ってみました.すると,オオキトンボやタイリクアカネが交尾をしていました.また,隣の水田ではアキアカネが産卵をしていました.水田の生活者の面目躍如という所です.

▲オオキトンボの交尾.終わったところのようだ.もうメスの腹部は離れている.▲

▲タイリクアカネの交尾.▲

▲水田の水たまりで産卵するアキアカネ.もっともポピュラーな産卵だ.▲

さて,またスタート地点に陣取って,どっかと腰を下ろし,産卵するトンボを待つことにしました.私は明るい青のジャンパーを着ているのですが,これがどうもトンボには目立つ存在のようで,近づくと一定の距離を取って逃げていきます.ですから,もう待つのがいちばんです.早速マユタテアカネが産卵にやって来ました.目の前で産卵しています.こちらが動かなければ良いのです.

▲独特のフォームで打泥産卵するマユタテアカネ.▲

マユタテアカネのメスは,産卵時に腹部先端の背側をいっぱいに反らし,産卵弁が突き出るようにし,それを力強く泥に突き刺して産卵します.オスもそのことを熟知しているようで,下降して打泥する前,最高点に達したとき,力一杯急降下するような姿勢をとります.いつも思いますが,昆虫がこういった合理的な行動を取れるように進化していることは自然の不思議です.

待っていると今度はオオキトンボがやって来ました.オオキトンボもあちこちで産卵しているのを見ていますが,今日はなかなか接近遭遇できませんでした.果報は寝て待てですね.じっと腰を下ろして待っていると,向こうから目の前に産卵にやって来てくれます.

▲目の前で産卵するオオキトンボ.▲

今日はコントラストの強い日射しで,背景も単調な泥と水面です.コントラストがない体色でフォーカスを合わせにくいオオキトンボですが,今日は合焦がはっきりと認識できます.ついつい調子に乗って,たくさんのシャッターを切ってしまいました.

▲産卵するオオキトンボのペア.▲

オオキトンボのオスも体色もだいぶん赤味が強くなり,茶色になってきました.毎年言っていますが,茶色になったオオキトンボの渋い色彩が好きです.あの色は他のトンボには出ません.あと半月もしたらそうなるでしょうね.

さて,時間が経ちました.今日の本命を忘れるほどの産卵ショウが繰り広げられていますが,ノシメトンボを見に行くことにしました.干上がった抽水植物帯に着くと,ノシメトンボのオスがいました.先ほどの個体かどうかは分かりません.

▲ノシメトンボのオス.オスはいるが産卵は見られない.▲

しばらく立っていると,このノシメトンボのオスがメスを地面にたたき落としタンデムを形成しました.ついに来たかと歓喜…いや,よく見ると,メスはリスアカネのようです.ノシメトンボの個体数が少ないのですね.オスも相当に飢餓状態!?なのでしょうか.異種間連結のペアは視界から消えました.

しばらくしてふり返ると,ナツアカネが草の上で産卵しています.時刻は12:15になっています.打空産卵するトンボはやはりこの時期産卵時刻が遅いようです.

▲ナツアカネの産卵.最後はオスがメスを放して,メスは単独産卵に移行した.▲

ナツアカネが産卵しているとき,すぐ隣でリスアカネが産卵を始めました.ナツアカネは少し置いて,リスアカネの方にカメラを向けました.

▲抽水植物の間で産卵するリスアカネ.もちろん干上がっている.▲

さて,たくさんのトンボを見ましたが,ノシメトンボは産卵に来ません.帰ろうかどうしようかと迷い始めたとき,ノシメトンボのタンデムペアが目の前を飛びました.ついに来たか!.ノシメトンボで大喜びするとは,本当に「時代は変わった」ものです.しかし,このペア,産卵行動を取ることなく,池を出て行き,また入ってきましたが,再び出て行ってそれきりでした.この場所は産卵に適していないと判断したのでしょうか.それとももっと近くに良いところを知っているのかな.

12:30になりました.もういくら何でも,産卵が終わる時刻のように思えました.それでも,まわりに目を凝らしていると,ひらひらとノシメトンボのメスが入ってきました.産卵するかと思いましたが,植物に止まって休憩状態.ときどき摂食をしています.どこかで産卵していたのかな.今日は産卵には出会えませんでしたが,最後にこのメスを撮って,終わりにすることにしました.

▲ノシメトンボのメス.兵庫県南部で見るのはずいぶん久しぶりのように思える.▲

帰り道,リスアカネの交尾を見ました.産卵後のメスを捕まえて交尾しているのでしょうね.

▲リスアカネの交尾.▲

池の外を歩いて帰る途中,先の水田で,またアキアカネが産卵していました.

▲やはりアキアカネは水田が好きなのだろうか.▲

この池は本当にアカトンボの多い池です.ずっと昔はベッコウトンボもいた池です.例年はここまで水落をしないので,ここ数年オオキトンボとタイリクアカネぐらいしか目立たなかったのですが.今年は大きく水を落としてくれましたので,平地性のアカトンボがたくさん集まりました.毎年こうだったら良いんですけど…

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No.815. マイコアカネを探して.2021.10.26.

昨日までの寒い日と打って変わって,今日は朝から太陽の日射しがさんさんと降りそそいでいました.そこで,悪天候の後の晴れの定石通り,アカトンボたちの活動を観察に出かけました.いちおう観察の軸として,マイコアカネに出会っていないので,その生息状況の確認をすることにしました.最初は,この数年毎年観察に出かけている池です.

▲たった1頭だけしかいなかったマイコアカネ.▲

この場所は少し前にも来たのですが,水が落とされていて,マイコアカネの産卵場所が干上がっている状態でした.今日は,昨日の雨のせいか,湿地が湿っていてアカトンボたちが集まっていました.でも,マイコアカネは1頭だけでした.これ以外には,ネキトンボやマユタテアカネやナツアカネがいました.

▲ネキトンボのオス.▲

▲ナツアカネのメス.▲

▲マユタテアカネのオス.▲

到着時,雲が多く出ていて,日が陰っていました.近くの池にマイコアカネが避難していないか,少し探索することにしました.ここは池が二つ並んでいるところなので,隣の池に行ってみることにしました.そのうち日が射してきて,隣の池の水際に立つと,オオキトンボやタイリクアカネ,マユタテアカネなどが止まっていました.そのうちタイリクアカネが産卵にやって来ました.

▲産卵するペアにちょっかいをかけるタイリクアカネのオス.▲

池に流れ込む水路の土管の入口でマユタテアカネも産卵していました.土管の中の方に潜り込んで産卵しています.

▲土管の中に入りこんでその壁に産卵するマユタテアカネ.▲

少し天気が安定してきましたので,また元の場所に戻ることにしました.しかし探してもマイコアカネは見つかりません.でも,タイリクアカネやオオキトンボ,マユタテアカネなどが産卵をしていました.オオキトンボは,メスが水際で単独産卵していました.

▲産卵をするタイリクアカネ.▲

▲単独産卵するオオキトンボのメス.▲

▲間違ったのだろうか,打水産卵中に浮葉植物の葉上に腹端を打ちつけた.▲

本当にタイリクアカネとオオキトンボは,あちこちの池で見かける感じです.ただこの池は,この2種だけではないところが良いところです.マユタテアカネはそこそこの数いました.交尾し,すぐ横の水際で産卵を始めました.

▲マユタテアカネの交尾.▲

▲水際で砂泥産卵を続けるマユタテアカネのペア.▲

さて,お昼が近くなってきました.この場所ではマイコアカネは望めそうにありませんので,もう一つのマイコアカネが生息する池に行くことにしました.空には重たい雲が垂れ込めています.どうするか迷いながら車に移動しました.途中タイリクアカネのメスが止まっていました.池から少し離れたところにたむろしているのですね.写真を撮るとき,雲のすき間から日が射しました.ラッキーです.

▲タイリクアカネのメスたち.腹部背面が,上は茶色タイプ,下は赤色タイプだ.▲

次の池に向かう途中,その方向の空だけ雲が切れて青空が顔を出しています.ひょっとしたらその池の所は日が射しているかも知れない,と思って車を走らせていると,なんと,本当にその池の上あたりが青空でした.マイコアカネの生息する池には,マイコアカネのオスが6頭ほど飛んでいました.生きていましたね.ほっとしました.

▲暖かい日射しを受け,活発に動きまわっていた.マイコアカネ.▲

この池にはオオキトンボもよく来ていたのですが,今日は満水状態.そこで,ここまで来たついでに少し移動して,以前に来たオオキトンボやタイリクアカネがいた池に出向いてみることにしました.ここは大きく水落をしていますので,池の周囲を歩くことができます.池に着くと,前より水がさらに少なくなっていて,抽水植物帯が陸化していました.近づくと,ナツアカネが産卵していました.

▲干上がった池の抽水植物帯で産卵するナツアカネのペア.▲

こういう所だとノシメトンボが来るかも知れないと思って回りをよく探してみると,ノシメ斑のあるトンボのペアが産卵しています.近づいて見ると,リスアカネでした.まわりに樹林のない,オオキトンボやタイリクアカネが飛ぶ平地の池で,樹陰が好きなリスアカネが日向で産卵する,もう晩秋の風情です.

▲明るい場所で産卵するリスアカネのペア.▲

池の周囲を歩いてみました.タイリクアカネがたくさん活動しています.池岸に木の生えているところにはリスアカネもいました.オオキトンボも止まっていました.

▲日向の石の上に止まるオオキトンボのオス.▲

池の反対側にも抽水植物帯があり,そこも陸化しています.こちらの方が抽水植物帯が広いので,ノシメトンボが来るとしたらこちらだなどと考えていると,ノシメトンボが止まっていました.やっぱり来ているようですね.兵庫県南部では最近のシメトンボに出会うことが非常に少なくなっています.絶滅危惧I類のオオキトンボより断然少ないです.地方によってはあふれるほどいるトンボですが,どういうわけか兵庫県ではノシメトンボが減っています.

▲久しぶりに出会ったノシメトンボのオス.▲

ここへは日を改めてきてみる必要がありそうです.ノシメトンボの産卵が見られるかも知れません.今年はもう観察対象がほとんどないような状態でしたので,また一つ目標ができました.

ということで,やはり悪天の後の晴天は,トンボの繁殖活動が盛んになるという経験値がまた上がったような気がする観察行でした.

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No.814. 散歩.2021.10.15.

今日は快晴.本来ならどこかへトンボを見に行くところですが,どういうわけか気持ちが乗らず家で作業をしていました.家内の買い物に付き合ってお昼過ぎに出かけました.ショップは行列ができるほど混んでいたので,私は待ち時間つぶしに近くの田園を散歩することにしました.

▲散歩コースから見た田園風景.▲

先日の兵庫北部と変わらない,のどかな田園風景です.太陽はカンカン照り状態ですが,空気が乾燥しているせいか風が心地よく,汗をかかないのが不思議な感覚です.こういう風景の中にいると,すぐにトンボはいるか? という根っからのトンボ好きが顔を出します.ただ散歩しても面白くないので,片道約25分ほどある散歩道を歩きながら,ルートセンサスをすることにしました.トンボがどれほどいるか,定量しようというわけです.

でもいくら歩いても,トンボは1頭もいません.ときどきヒョウモンチョウやタテハチョウが飛んだりしているだけです.風景を別にすれば,まるで都会にいるみたい.いや,まだ都会の方が虫はいるかも知れません.多分昆虫に興味がない人たちは,これをなんとも思わないのだろうと思います.先日の兵庫北部では,10mも歩けば,その横に20-30頭のトンボが止まっているというのとは別世界です.昔の田園地帯を知っている人から見れば,兵庫北部の状態がふつうで,ここの状態が異常であることが分かります.宮崎駿の描く田園地帯の風景は誇張ではありません.

そんなことを考えながら歩いていると,ナツアカネが1頭止まっていました.これだけ厳しい状況の中でも,どこかから飛んできているのですね.さらに歩くと,タンデムのペアが通り過ぎました.種名は分かりません.ナツアカネか,アキアカネか,ノシメトンボでしょう.そして驚きのトンボが.鉄の棒の先に止まっているちょっと大型のトンボ,なんとオオキトンボです.写真に撮れなかったのが残念です.なんせ携帯のカメラしか持っていませんので.

オオキトンボは,兵庫県南部では結構見られることは前に書きました.こんなトンボのいない,一種の荒野みたいな所にもいるんですね.移動する途中の個体かも知れません.近くに池はなさそうです.写真を撮ろうと近づいたら飛び立ち,空高く舞い上がって姿を消しました.

あとナツアカネを4頭ほど見ました.服装が野外観察用でないので近寄れないこともあるのですが,携帯で写真に撮るとこんな感じです.

▲稲刈り前の水田にぽつんと止まっているナツアカネ.▲

結局50分ほど歩いて,ナツアカネ6頭,オオキトンボ1頭,アカネ属不明種1ペアという結果となりました.いつもたくさんのトンボを観察していることを報告していますが,今日は,その真逆をいってみました.

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No.813. キトンボとオオキトンボの狂演.2021.10.14.

今日は,キトンボとオオキトンボを見に行ってきました.現地に着いたのが9:00過ぎでした.すでにオオキトンボが産卵活動を始めていました.とにかく11:00頃まで途切れることなく産卵に来ていましたので,相当数飛んでいたのだろうと思われます.言葉で示すより,今日は写真を並べて示しておきたいと思います.

▲オオキトンボの産卵,水面下に藻のようなものが生えている場所を好んでいる.▲

▲次々と産卵に来るオオキトンボたち.▲

写真を並べて気づいたのですが,みんな右の方を向いています.向かって左側が岸で,後方から日が射しています.ということは,多くのオオキトンボは,岸から池中央の方に体を向けて産卵していることになります.下の集団写真がそれを表しています.ただ6枚目の打水の瞬間は,岸の方を向いていたと思います.これだけ逆光です.

▲確かに岸の方から沖の方に向かって産卵する個体が多い.▲

オオキトンボに混じってキトンボも産卵をしていました.初めのうちはオオキトンボの方が多かったのですが,時間が経つにつれて,キトンボの数が増えてきたように思います.

▲オオキトンボに混じってキトンボも産卵をしている.左がキトンボ.▲

キトンボの方は,岸に向かって,例のように打水-打泥を繰り返して産卵することもあるので,向きは一定ではないようです.ただ,今日は,単純に打水産卵をする個体の方が多かったように感じました.オオキトンボがたくさん打水産卵しているからでしょうか.先日のコノシメトンボの観察でも,ネキトンボやコノシメトンボの数が増えて,まわりで打水産卵をするトンボがたくさんになると,キトンボも打水産卵をする個体が増えるのを見ました.キトンボの産卵はまわりに影響されるのでしょうかね?

▲オスがメスを放して,単独産卵に移行したキトンボのメス.▲

▲産卵を続けるキトンボたち.▲

10:30あたりになると,コノシメトンボが飛び始めました.数は非常に少なくオスが数頭水面を飛ぶのと,産卵ペアが1ペアでした.

▲コノシメトンボの産卵.▲

この池では,キトンボやオオキトンボが産卵する時間帯になると,ギンヤンマがたくさん集まって,産卵中のペアを捕らえようとして飛び回ります.何度もチャレンジしていましたが,今日は捕まえられるペアを見ることはありませんでした.

▲オオキトンボを追って,急旋回するギンヤンマのオス.▲

あと,写真にはなりませんでしたが,タイワンウチワヤンマ,マユタテアカネ,ナツアカネ,アオモンイトトンボなどの姿が見られました.

到着してすぐに観察を始め,まだ産卵が完全に終結したわけではない時間帯に,現地を離れました.まったく待ち時間のない効率的な観察ができました.

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No.812. コノシメトンボの集団産卵.2021.10.10.

来週から天気の悪い日が続きそうなので,今日も続けてトンボを見に行ってきました.今日のねらいはコノシメトンボ.最近はコノシメトンボが集まっている池も少なくなりました.朝起きると快晴状態.これはいけそうだということで車を走らせました.現地到着は9時過ぎ.深い谷間にある池には,まだ陽が届いていませんでした.それより気になったのが,空に雲が厚く広がっていることです.晴れていたのは,南部の方だけだったのかも知れません.

池に着くと,すでにトンボが産卵しているのが見えました.キトンボです.まだ日陰で涼しい感じなのに,複数が産卵しています.むしろ寒いのが好きなキトンボにとっては,これくらいの涼しさの方がいいのかも知れません.

▲日陰で産卵をするキトンボたち.一時的にダブル産卵になった.▲

オスがメスを放し,やがて単独産卵になりました.単独産卵になると上下動が少なくなります.打水の後,ほとんど同じ位置に空中停止し,続いて打泥産卵をします.

▲単独で産卵するキトンボ.▲

キトンボの産卵を観察している間に,だんだんと水面で打水産卵するペアが増えてきました.コノシメトンボとネキトンボです.コノシメトンボやネキトンボが打水産卵を始めますと,キトンボもそれにつられるように,岸辺で産卵することなく池の中央で一緒になって打水産卵を始めるようになりました.

▲打水産卵するキトンボ.▲

だんだんとネキトンボの数が増えてきています.しかしネキトンボはあまり岸に近づいて産卵してくれません.池は深いので,入ることもできず,近くに来るのを待つだけです.それにしても空には雲がますます広がり,本格的な曇り模様となってきました.

▲ネキトンボの数は多いが,いかんせん遠いところでばかり産卵する.▲

ネキトンボが岸辺に近づくのを待っていると,足下でマユタテアカネが産卵を始めました.マユタテアカネはいわゆる「ついで種 collateral species」です.わざわざ見に行くことはしなくても,他のトンボの観察のついでに見ることができるトンボです.アキアカネやナツアカネもそうでしたが,最近はわざわざ見に行くことになりつつあります.マユタテアカネもそうなりそうな気配があります.どこでも結構数が少ないのです.

▲足下で産卵するマユタテアカネのペア.▲

▲池の対岸に移動したとき,コンクリート張りの岸壁で産卵するマユタテアカネ.▲

10時頃になると,俄然コノシメトンボが増えてきました.池ではおそらく50ペア以上は産卵していると思います.ざっと数えても30ほどいましたから.

▲コノシメトンボがたくさん産卵し始めた.ネキトンボが1ペア混じっている.▲

コノシメトンボも池の中程で産卵する個体が多いのですが,ネキトンボに比べると,岸近くに寄ってくるペアの数が多いです.上の写真でも水際で産卵しているペアが一ついます.

▲池の中程で産卵を続けるコノシメトンボのペアたち.▲

岸近くで産卵するときは,水中に水生植物が見えるところで産卵するのを好んでいるように見えます.

▲岸に近いところで産卵するコノシメトンボのペア.▲

結局最後まで日が射すことはありませんでした.アカトンボは太陽の下で撮影した方が輝いてきれいなのです.ちょっとそういう意味では残念でした.しかし,場所を選べば,まだこんなにトンボがいる池があるのですね.ただ,池から100mも離れると,トンボの姿はまったく見られなくなります.この池に隔離されている個体群という感じで,この池が何らかの形で崩壊すると,ここもトンボの姿がない池になるでしょう.

カテゴリー: 兵庫県のトンボ, 観察記 | No.812. コノシメトンボの集団産卵.2021.10.10. はコメントを受け付けていません

No.811. タイリクアカネとオオキトンボ.2021.10.8.

10月に入ってもまだまだ暑い日が続きます.聞くところによると,10月のこの暑さは75年ぶりぐらいだそうです.先日の兵庫北部の観察でも,アキアカネやナツアカネが腹部挙上姿勢をしていました.これら秋のトンボは,あまりこういう姿勢はとらないものですが,やはり暑いんでしょうね.今日は,少し早いかとも思いましたが,オオキトンボを探しに行ってきました.

初夏にウチワヤンマを観察した池に行ってみました.すると,池の水が大きく落とされ,アカネの産卵場所にぴったりの状況でした.水を落としているので,水際を歩いて周囲を回ることができます.たくさんアカトンボが来ているかな?,と早速池に入ってみました.すると,足下で,マユタテアカネが産卵をしていました.すぐ隣ではもうオオキトンボが産卵をしています.オオキトンボよりマユタテアカネを優先して撮影しました.

▲水際で打泥産卵をするマユタテアカネのペア.▲

ふつうならオオキトンボの方を優先して撮影するところですが,最近私の観察地では,むしろマユタテアカネの方が珍しいのです.

マユタテアカネの産卵が終わり,池の方を見ますと,まだオオキトンボが産卵をしていました.ただ少し遠いところで,歩いてはいることができないわけではありませんが,足跡をつけたくなかったので,岸から撮影しました.典型的な水際での打泥産卵です.

▲水が落とされ底が露出した池の水際で打泥産卵するオオキトンボ.▲

しばらくすると,こちらの方に移動してきましたので,もう少し大きく撮影ができました.ちょっとだけ池に入って撮影してみました.

▲水際で産卵を続けるオオキトンボ.▲

オオキトンボは3ペア産卵を見ました.到着したのが10:00頃でしたので,すでに産卵開始時刻を過ぎていたようです.もう少し早く来るべきでした.

ところで,オオキトンボより数が多く,水際や水面を飛び回っていたのがタイリクアカネでした.タイリクアカネはもう少し遅い時期に出てくるトンボのような気がしていますが,今日はたくさん集まって,ビュンビュン飛んでいました.気温が30度近くあって高いせいか,ものすごく活動的で,静止しているオスを撮影するのも一苦労という感じでした.また暑いせいか,輻射熱のあるコンクリートの上などには止まらず,棒の先に止まっています.ちょっと珍しい感じです.

▲タイリクアカネのオス.地面に止まらず棒の先に止まる個体が結構多かった.▲

オオキトンボが水際で打泥産卵するのに対し,タイリクアカネは水際や少し離れたところで打水産卵をしています.藻などが水面に出ているところでは,両者ともその上で産卵していますが,泥面と水面がくっきりと分かれている今日のような状態では,両者ははっきりとした産卵行動の違いを見せるようです.

▲タイリクアカネはもっぱら打水産卵をする.▲

▲打水産卵を続けるタイリクアカネ.▲

時に2ペアが産卵をすることがありました.不思議と両者が近づいて産卵します.やはり,産卵しているペアは,別のペアの産卵行動に誘引されるように思えます.

▲あるペアが産卵していると,わざと近づくようにして一緒に産卵する.▲

また単独で池岸を飛んでいるオスは,産卵ペアを見つけると近づいて行って,体当たりして干渉します.産卵ペアは嫌がって,逃げ回ります.写真に撮る者には迷惑な話ですが……

▲産卵ペアに干渉する単独オス.▲

時刻も11:00を過ぎ,産卵活動も一段落しましたので,終わることにしました.帰りにまた茎の先に止まるタイリクアカネを見ましたのっで一枚撮ってお別れとしました.

▲茎の先に止まるタイリクアカネのオス.▲

今日の観察では,アカトンボがたくさんいるようで賑やかに見えますが,私にはこの状況が異常なものに見えます.

タイリクアカネにしても,オオキトンボにしても,いずれも長距離を移動して池にやって来るトンボたちばかりです.本来この池とその周辺に住みついているアカトンボがほとんどいませんでした.以前この池にマイコアカネがたくさん棲みついていましたが,ずっと前から姿を消しています.池に棲みついているトンボでいたのは,マユタテアカネが2ペアだけ.タイリクアカネとオオキトンボがいなかったら,何と寂しい秋の池だったでしょう.

▲今日と同じ池でたくさん産卵していたマイコアカネたち.2009年.▲

また同じく広く分散するアキアカネは,今日はまったく姿を見せていません.先日の記事で兵庫北部ではあふれるほどいたことを報告しました.あの場所は,無農薬や減農薬でお米を育てている農家が非常に多い地域です.アキアカネの減少は,ネオニコチノイド系農薬が原因しているといわれています.ネオニコチノイド系農薬は,水田などから排水路や地下水を通って環境中に広がり,池にも入りこみます.しかしオオキトンボもタイリクアカネも,広く分散して,あちこちの池で産卵しています.そんな中にはきっと,農薬の影響を受けていない池もあるでしょう.

池に定着して棲みついているトンボは,その池が1回薬剤で徹底的にたたかれると,子孫は0となって消えてしまいます.でも分散して生活しているトンボは,どこかで生き残り,その子孫がまたその池にやって来るということになります.ですから,オオキトンボとタイリクアカネのようなトンボが他のトンボが消えた池でも見られることになります.

ですから,オオキトンボとタイリクアカネしかいない池は,どこか変なのです.

なお同じように分散するアキアカネとナツアカネは,主な生息場所が水田ですから,農薬でたたかれる可能性が,これら池で生活するトンボより高くなって,なかなか殖えることができないのでしょう.兵庫県南部でも,11月を過ぎるとアキアカネは,数は少ないですけど出てくるようです.

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No.810. アキアカネとナツアカネ.2021.10.5.

この土日月といい天気が続きましたが,残念ながら所用があって,フィールドへは出られませんでした.兵庫北部はこの連続晴天の最後の晴れのもよう.私がよく訪れるところはアキアカネが多いので,今日は久しぶりにアキアカネがたくさん居る雰囲気に浸ることにしました.

現地に着いたのは9:30ごろ.車の前を横切るアキアカネのタンデムがたくさん飛んでいて,そこまでとはまったく違う世界に入りこんだようでした.いつもと違う湿地状の場所にアキアカネを見に行きました.何十,いや何百かも知れません,たくさんのアキアカネが飛んでいました.水がたまっているところでは,アキアカネが産卵していました.

▲水田ではなく湿地で産卵するアキアカネのペア.▲

▲産卵するアキアカネ.▲

ここにはナツアカネもいましたが,数が少なく,産卵している姿を見ることができませんでした.そこで場所を移動しました.いつもよく行くところですが,またもや芝生の上での無駄な産卵をしていました.

▲芝生の上で産卵するナツアカネのペア.▲

湿地の方に入りますと,水は涸れていましたが,ナツアカネは産卵をしていました.見つけた途端,タンデムを解消し,メスが単独で産卵をし始めました.このメス,踊るように産卵しています.

▲湿地の草むらで単独産卵するナツアカネのメス.▲

正午を過ぎますと,トンボたちは産卵を止め,摂食したり,止まったりして過ごします.今日は気温が30度を超えていますので,トンボたちは腹部挙上姿勢をして暑さをしのいでいました.またとにかくトンボが多いので,電気柵の電線に,ずらーっと並んで止まっていました.

▲電柵の電線にずらーっと並んで止まるアキアカネたち.▲

▲腹部挙上姿勢で止まるアキアカネのオス.▲

▲アクロバット的姿勢で交尾するアキアカネのカップル.▲

▲ナツアカネのオスも混じって腹部挙上姿勢をしている.▲

これだけたくさんいると,本当に昔を思い出します.これが当たり前で,30年ぐらい前は,神戸の人工島,ポートアイランドの公園でもこんな感じだったのですから.本当にトンボが消えてしまいました.

さて,さらに別の場所へ移動しましたら,アキアカネはもちろんたくさんいましたが,トンボシーズンのしんがりを務めるキトンボが,日陰の草むらに止まって,出番を待っていました.いよいよトンボシーズンも終わりが近づいてきた感じですね.

▲草むらで出番を待つキトンボのオス.▲

かと思ったら,まだ夏のなごりのトンボたちもいました.最初の湿地ではオオルリボシヤンマが,小川から飛び出してきました.多分水面に落下していたのでしょうね.翅はボロボロで,濡れていました.ふらふら飛んだと思ったら,私のGパンに止まりました.

▲こういう所に止まると写真に撮りにくくて困る.▲

ちょっと立ち寄った親水公園では,ハグロトンボが活動していました.

最後に寄ったところでは,コシボソヤンマが流れの上をメスを探すようにして飛んでいました.そして何とオナガサナエが止まっていました.10月のオナガサナエは初めてです.みんなまだまだ頑張っていますね.

▲流れの上を飛んでメスを探しているコシボソヤンマのオス.▲

▲木陰で止まっているオナガサナエのオス.もう翅はボロボロだ.▲

ということで,楽しい一日を過ごすことができました.帰り,この地区を出ると嘘のようにトンボの姿が消えました.

帰り,陽が早くなって,6時前でももう夕方です.あまりに夕焼け空がきれいだったので,思わず写真に撮りました.

▲いよいよ秋本番という感じです.▲

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No.809. エゾトンボを探して.2021.9.25.

今日は,姿を消したのではないかと思われるトンボを探しに,過去の産地へ出かけていきました.ねらいは,カトリヤンマ,エゾトンボ,マダラナニワトンボです.まず森林公園の散策路に入りこんでいるカトリヤンマを探してみることにしました.ここには湿地も点在しており,かつてはエゾトンボもよく飛んでいました.

公園に入ってまず見つけたのは,高い木の枝先に止まる,アカネ属のトンボです.写真は撮りましたが,拡大してみるとナツアカネにように見えました.

▲木のてっぺん付近の枝に止まるアカネ属,おそらくナツアカネのメス.▲

次に明るい池をのぞいてみました.そこにはオオルリボシヤンマが1頭だけ飛んでいました.ここは標高が低い場所ですので,やはり秋には低地に下りてきます.

▲池の上を行ったり来たりして飛ぶオオルリボシヤンマのオス.▲

雑木林の散策路に入ると,カトリヤンマが飛び出し,目の前を行ったり来たりしましたが,やがて姿が見えなくなりました.いたことはいましたが写真にはなりませんでした.湿地の上を飛ぶエゾトンボの姿はなく,この公園ではエゾトンボは非常に見つけにくくなりました.この初夏にそれらしい個体を見ていますので,まだいることはいるのでしょう.湿地状の池の横の道にヒメアカネがぽつんと止まっていました.

▲ぽつんと1頭だけ止まっていたヒメアカネのオス.▲

次に公園を出たところの水田地帯を散策しました.まだ稲刈りは始まったばかりのようで,ほとんどの水田は稲が実ったままです.電気柵の棒の先に,ネキトンボのメスが3頭止まっていました.メスは池から離れた,こういった草原ふうの景色のところで過ごしているんですね.オスは池でメス待っているようですが.

▲まだ若そうなネキトンボのメス.▲

▲公園の池でメスを待っているネキトンボのオス.▲

ここまで歩いてきて,見たトンボは,カトリヤンマ1頭,オオルリボシヤンマ1頭,ヒメアカネ1頭,ナツアカネらしいトンボ1頭,ネキトンボオス1頭+メス3頭,リスアカネ1頭,シオカラトンボ2頭,ウスバキトンボ1頭,ハグロトンボ1頭です.約30分ほど歩いてもこれだけしかいません.端境期でトンボは少ないのですが,本当にトンボの姿がありませんね.

次は,マダラナニワトンボやエゾトンボがいたところへ行きますが,少し車が走る道路に沿って歩かないといけません.今日は車を使わず,一万歩以上歩くという覚悟できています.しかしほとんどトンボの姿はなく,オニヤンマが横を通り過ぎたりしましたが,退屈至極です.周りは田んぼなのですけどね.

約30分ほど歩いて,目的の谷に入りました.ウスバキトンボが1頭飛んでいます.その横の水田では,水がたまって湿地状になったところに,シオカラトンボとオオシオカラトンボが群れていました.

▲水田縁の湿地状の所に群れるシオカラトンボ.▲

▲電柵に止まるオオシオカラトンボ,腹部を曲げて何をしているのだろう?.▲

さらに歩みを進めていきますと,空き地の上空をコシアキトンボが2頭,摂食しているのに出会いました.この時期のコシアキトンボは結構珍しい部類に入ると思います.少し頑張りましたが,いい位置に来てくれず,陰になった写真しか撮れませんでした.

▲高い所を摂食しながら飛ぶコシアキトンボのオス.▲

道ばたには,所々にリスアカネのメスが止まっていました.リスアカネは日陰が好きなトンボですが,メスはそういったところを離れて,こういった日当たりのよい草原的な風景の所でくつろいでいるんですね.ネキトンボといっしょで,オスはメスを近くの池で待っているのに….

▲明るい水田地帯でくつろいでいるリスアカネのメス.▲

▲メスがやって来るのを池で待つリスアカネのオス.▲

このリスアカネのいた池に立ち寄った後,上空を通り過ぎるトンボのシルエットを見ました.腹部の膨らみかたが,エゾトンボ属のものと判断できました.エゾトンボはいると確信しました.が,まだ確定ではありません.

さて,いよいよ水田地帯を抜け,休耕田,いや放棄水田といった方がいいような状態の所に到着しました.昔マダラナニワトンボがいた池を覗いてみました.リスアカネが産卵をしていました.アオイトトンボもいます.色がきれいで,コバネアオだったらいいのになどと思いましたが,正真正銘のアオイトトンボでした.池に上るとき,ヌスビトハギの洗礼を受けました.Gパンに大量の種が付きました.これ取るの大変だ.

▲若いアオイトトンボは太陽の光を浴びるとなかなかきれいだ.▲

今日は産卵だ何だという生態観察が目的ではないので,リスアカネの産卵やアオイトトンボのタンデムに目もくれず,先を急ぎました.湿地状の放棄水田横にはヒメアカネが止まっていました.湿地だからヒメアカネがいるんですね.

▲ヒメアカネは複数見られた.▲

少し進むと,いました.エゾトンボ.放棄水田の上を悠然と飛んで,目の前を通り過ぎました.でも同じ所を行き来するという感じではなく,1,2度旋回すると姿を消しました.しばらくするとまた現れましたが,同じような飛び方です.1個体しかいないので,縄張りを持つ必要がないかのような飛び方をしています.

エゾトンボがまた来るかも知れないので,時間つぶしにヒメアカネを探しに放棄水田に下りてみました.でもナツアカネのオスが1頭止まっているだけでした.その後待ってもエゾトンボは帰ってきませんので,今日はここまでとしました.結局写真にはなりませんでしたが,まだこの地域からエゾトンボが姿を消していないことだけははっきりしました.

▲ナツアカネは本当に翅を取ったら唐辛子だ.別の1頭は稲の上を飛んでいた.▲

今日は,繁殖活動をしていないトンボたちの姿を見ることができました.いつもの観察が本番の舞台だとすると,舞台裏を見ているような感じでした.カトリヤンマとエゾトンボがまだ生き残っていることは確認できました.あと車の所まで帰って,12,000歩足らずで終了でした.そうそう,マダラナニワトンボはもちろんいませんでした.

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