No.552. ハッチョウトンボの観察.2017.6.24.

先週,ハッチョウトンボを観察しようと,近くの産地へ出かけました.すると,池の周りに高い柵が設置されていて,立ち入り禁止の看板が立っていました.まあ,湿地の保護,あるいは生息地の保護ということが目的だと思いますが,これで,ここのハッチョウトンボは,状態が悪くなっても,私にはそれを知ることができなくなりました.いつまでも生き延びてくれることを期待するだけですね.帰りにはコフキトンボを見に行きましたが,メスが1頭いただけで,写真にも撮れませんでした.


▲ハッチョウトンボが見られた小さな湿地

ということで,今日は,明日から本格的な梅雨の到来を迎える最後の晴天.県北の方へハッチョウトンボまたはコフキトンボを見に行くことにしました.こんなものまで県北へ行く必要ができたほどに,県南部の生息地が減少している証拠です.現地はうす曇りでしたが,時々日差しが強くなり,まあまあの色温度で写真が撮れました.

▲ハッチョウトンボのオスたち.ざっと数えても10頭以上はいた.

▲ハッチョウトンボのメスたち.メスは湿地には出ず周辺の草地に隠れていた.

ハッチョウトンボは,いても,しばらくは目につかないのが面白いところです.湿地にじっと目を凝らしていても,いないように見えるのです.しかし1頭が飛んだりしてみつかると,あと次々と目に入るから不思議です.オスは10頭以上,メスも草むらに数頭発見できました.例によって,未熟な個体も混じっていました.

▲ハッチョウトンボの未熟なメス.まだ複眼が白っぽい.

▲ハッチョウトンボの未熟なオス.やはり複眼が白っぽい.

▲ハッチョウトンボ半成熟オス.複眼の一部と尾部付属器が白い.しかしすでに湿地に出ていた.

日が強く差してくると,未熟な個体はすぐに腹部挙上姿勢をとりました.体全体を太陽に向けるというより,腹部を反らすようにして持ち上げるところがハッチョウトンボの可愛いところです.

▲ハッチョウトンボの腹部挙上姿勢.上:未熟オス,下:未熟メス.

12時を過ぎてから交尾態を1例観察しましたが,写真に収めることはできませんでした.その後産卵をせずにメスは飛び去ったようです.


さて,後半は,この時期ならではの,春のトンボ,今がシーズンのトンボ,夏のトンボ,そして秋のトンボ,すべてが見られる時期ですので,すべてを探してみることにしました.まず春の生き残り,いましたねぇ.コサナエの生き残り.もう翅はボロボロ.ホソミオツネントンボもいましたけれども,写真には撮れず.ムカシヤンマも姿を見ました.


▲コサナエのオス.翅はボロボロで腹部も脂ぎっている.

次の今がシーズンのトンボたち.まずはショウジョウトンボ,これ,あまり私のブログには登場しないトンボです.数が多くいつでも観察できるのですが,結構すばしこく,すぐに私があきらめてしまうのです.

▲ショウジョウトンボの成熟オス.

▲ショウジョウトンボの未熟なメス.淡い黄色が可憐である.

次にシオカラトンボ,これもたくさん飛んでいましたね.今日の第二の目的のコフキトンボは非常に数が少なかったです.水面に浮かぶ茎に卵が着いていました.産卵はしているようですね.

▲シオカラトンボの交尾.この後警護産卵を行った.

▲コフキトンボのオス.流れに止まっていた.数は少ない.例によって4本脚で止まっている.

イトトンボたちも元気です.流れにはセスジイトトンボではなくオオイトトンボが来ていました.モートンイトトンボもハッチョウトンボの湿地に来ていました.待てば午後産卵するんでしょうね.

▲オオイトトンボのタンデム.産卵行動には至らなかった.

▲モートンイトトンボの成熟メス.オスや未熟なオス・メスも見られた.

サナエトンボ科ではキイロサナエがこの時期の代表選手でしょう.ヤマサナエはメスを1頭見ただけでした.キイロサナエは,珍しくオスが2頭並んで縄張りを持っていました.普通追いかけ合いをして一方が他方を追い払うのですけどね.

▲キイロサナエのオス.上は2頭が仲良く並んでなわばりを形成している.

さて次は夏のトンボ.キイトトンボがたくさん発生していました.成熟しているのもいましたが,多くが羽化して間もない未熟個体でした.あと1週間もすれば,キイトトンボだらけになるでしょうね.それ以外にも,ハグロトンボ,チョウトンボ,ウチワヤンマ,コシアキトンボ,オオシオカラトンボなどを見ました.いずれも数が少なく写真にはなりませんでした.

▲キイトトンボのメスの未熟個体.胸部がまだ薄赤い.

成虫の姿は見ることができませんでしたが,オナガサナエの羽化殻がついていました.夜の間に羽化する性質があるので,昨夜かそれ以前化に羽化したようですね.夏のサナエトンボも動き出しているようです.

▲オナガサナエの羽化殻.かなり高いところについていたのだが,どうやって上ったのだろう?

秋のトンボもひっそりと出現していました.アキアカネです.ネキトンボも羽化していました.これは秋というか夏のトンボかもしれませんね.

▲アキアカネの未熟個体.他にも数頭見つけることができた.

▲ネキトンボの未熟メス.羽化直後の処女飛行個体が止まったもの.

今日は,今が旬のハッチョウトンボを見ることができ,まあ,一応目的達成です.湿地にはカエルがたくさんいで,シマヘビがカエルを咥えて逃げていきました.最後にゲスト登場してもらいます.

▲シマヘビがよく太ったトノサマガエルに食いついていた.

観察は9:30から14:00まで行いました.

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No.551. モートンイトトンボの産卵,産卵,産卵. 2017.6.13.

ちょっと身体を痛めて,車に乗るのがつらい状態になっています.今日はワンポイントで,モートンイトトンボの産卵を見に行きました.記録はビデオで撮りましたので,そこからの切り出しで紹介しましょう.

現地に着いたのは,13:15ころでした.天気予報通り晴れていました.ただ雲が多く,すぐに太陽が雲の後ろに隠れてしまいます.でもまあ,気にせず,太陽の出ている間に撮影を行いました.休耕湿田はほとんどが乾燥していて,トラクターの轍跡にたまった水たまりの部分に,モートンイトトンボが集まっていました.

▲休耕田のトラクターの轍の跡に集まるモートンイトトンボのメス.

モートンイトトンボの産卵メスは非常に神経質であることを去年確認しました.今日も,産卵しているメスをこちらが先に見つけることはできませんでした.産卵しそうな状態のメスを探すのに40分ほどかかってしまいました.コツは,水面近くに止まっているメスを探すことです.あとは体を急激に動かさずただじっと待つだけ.

▲産卵を待つには,水面近くに止まっているメスを見つけて,最大20分ほど待つことだ.

身体を硬直させたようにして待つのはとてもつらいのですが,幸い,5回くらいのトライで,産卵を始めた,いや多分再開したメスに出会うことができました.

▲あちこち移動しながら産卵を続けるメス.

一度産卵を開始すれば,急激な動きにさえ注意すれば,産卵を続けてくれます.今日の産卵場所に生えている植物は,多少硬いのか,メスは次々に移動して,腹部先端で植物表面をまさぐる行動を繰り返していました.メスも大変ですね.

▲小さな範囲を行ったり来たりしながら,適切な産卵基質があると,そこに産卵を続ける.

そんなこんなで,1時間30分ほどの観察で切り上げることにしました.


先日の5月28日の交尾の観察と合わせて,今日撮影したビデオを公開しました.


ビデオ:モートンイトトンボの交尾と産卵

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No.550. トンボ ア・ラ・カルト.2017.5.28.

チャンスは徹底的にの格言のもと,今日はもう一度ホンサナエをねらいに行きました.今日のタイトルは「続・ホンサナエの観察」になる予定でした.でも….

今日のデータ放送の予報では7時台に晴れマークになり,以降ずっと晴れ.ということで早朝の産卵メスをねらいに,朝起きてすぐ出かけ,現地に7:30頃に着きました.しかし,予報は外れ.空はどんよりとした曇り.最近天気予報が,1時間単位というその予報精度とは裏腹に的中精度が低いように感じます.

▲朝7:52の空模様.天気予報を恨めしく思ったが,このあと30分ほどで劇的に青空に変わったのだ.

これではサナエトンボは出てきません.仕方なく車の中で仮眠.20分ほどしたら西の方から雲が切れて青空が見え始めました.よしよし,ということで出動開始.しかしホンサナエは全く出てきていません.まあ,もう少し日差しが強くなれば出てくると信じ,早朝にしか見られないモートンイトトンボの交尾観察をすることにしました.5月中にモートンイトトンボを見に行ったことはないので,まだ早いかとも思いましたが,いやはや何の,草の間からたくさん交尾態が飛び出してきました.

▲モートンイトトンボの交尾・交尾・交尾.

ということでこれに味を占め,今日は,お好みトンボを観察することにしました.そこで,タイトルも,「トンボ ア・ラ・カルト」.ア・ラ・カルトというのは,好みの料理を注文しながら食べることだそうですが,きょうは,まさにお好みのトンボをつまみ食いしながらの観察ということです.

さて,歩いてモートンイトトンボの湿地へ行く途中,ニホンカワトンボが横を通り過ぎました.今年は全くカワトンボを見に行っていませんので,ちょっとつまみ食いしました.

▲老熟し,肢もちぎれているニホンカワトンボのオスの戦士(と言ったところか).

モートンイトトンボと遊んでいるうちに,空は広く青空になり,日差しも強くなってきました.本命のホンサナエのメスの探索です.が,先週あれほどいたホンサナエが全く飛びません.天気は問題なしの状態になっています.仕方がないのでキイロサナエの羽化が見られないか,探してみることにしました.そう,いたんですね.2個体見つけました.

▲キイロサナエの羽化.キイロサナエは5月下旬から6月初めにかけて羽化するが,これはここでも兵庫県南部でも同じようである.

また,オスの方の処女飛行後の静止,またメスの未熟な個体が突然目の前に出てきたりもしました.こちらは羽化不全で翅が痛んでいました.キイロサナエのメスは結構こういう個体がいるのですね.

▲上の直立静止状態の個体が処女飛行で止まったもの.

▲キイロサナエの未熟個体.羽化不全で飛び方も弱弱しかった.

そうこうしているうちに,1頭だけホンサナエのオスが川面を飛ぶのを見ることができました.いくら待っても,これ1頭だけしか飛びません.運よく川の土手に飛んできたのを撮影することができました.この地のホンサナエの最盛期は5月の上旬なのでしょうか? 来年の課題になりそうです.

▲今日唯一見かけたホンサナエのオス.

今日は10時までがホンサナエの観察予定です.午後は,今シーズン最後になるであろう,源流域のサナエトンボ観察です.

源流域の観察地には11:30頃に到着しました.空が晴れていて,林床には木漏れ日が射しこんでいます.着くや否や,小さなサナエトンボが飛び交っていました.やはり晴れた日のお昼頃は活動が活発です.クロサナエとヒメクロサナエが混じっていましたので,別々にまとめておきましょう.まず,クロサナエの方から.例によって,オスは時々降りてきてはすぐに飛び去ります.

▲クロサナエのオスたち.本当に短時間降りてきて止まる.驚かしても飛び去り,なかなか敏感だ.

メスも産卵に入ってきました.今日は3回,時刻は12:10,14:02,14:42でした.このうち,14:02のを紹介しましょう.

▲岩に生えた植物の間で産卵するクロサナエのメス.上の矢印は落下する卵.

▲途中と最後にこのように止まって体を休めている.冷えるのだろうか,それとも疲れ?.

このときは空が曇っていて,少し肌寒いせいか,産卵途中,また最後にも静止しました.クロサナエは,午前から午後にかけて,特定の時間に集中することもなくだらだらと産卵に来るみたいです.

午後にここを選んだのは,ヒメクロサナエが午後に産卵することが多いからです.オスは活発に活動していて,産卵しそうな場所によく降りてきて止まります.

▲典型的な産卵微小環境.矢印の石の上に舞い降りて来るオスが多かった.オスはよく知っていると感じた.

また,産卵場所にかかわらず,と言っていいのでしょうか?,木漏れ日の射している葉の上や地面にもよく止まります.この,地面の上というのが,今日の興味深い観察につながりました.

▲私が長靴で踏み固めた木漏れ日の射す地面の上に止まっているヒメクロサナエのオス.この後のメスはここに来たのだ.

▲流れの石の上や,シダの葉上にもよく止まる.

オスたちは間違いなくメスを探しているようです.オスがオスに飛びかかるのを観察しました.オスの上にオスが乗って…,さすがに交尾をしようとはしませんでしたが,とにかく捕まえてから確かめるという感じです.

▲オスがオスの上に乗った.多分メスだと思って飛びついたのだろう.

ヒメクロサナエの産卵は,結論から言うと見ることができませんでした.しかしながら,メスは産卵にはやってきました.典型的と思われる産卵場所ではなく,「地面の上」に産卵行動を示したのです.それも3回!.同じ場所に!.最初は13:46.地面の上を行き来するメスを見つけたのです.こんなところに産卵に来るはずはないので,クロサナエかと思いました.すると突然地面に止まって,産卵行動を示したのです.腹端で産卵基質を調べるような動作です.2回ほど腹端を泥に当てて飛び去りました.

▲13:46に産卵行動をしたヒメクロサナエのメス.私の長靴の足跡なのが分かるだろうか.

その後にもまたやってきて,2回ほど腹端を地面に当てて産卵基質を確かめるような動作をしました.これは短時間だったので記録ができませんでした.そして15:00ちょうどに,3頭目がやってきました.斑紋を比べると13:46の個体とは異なる個体であることが分かります.

▲腹部側面の淡色斑紋の比較.13:46の個体と15:00の個体は明らかに別個体である.

この15:00の個体は,かなり長時間,あちこち移動しながら気に入る産卵基質を調べ続けました.この「地面」の場所は,私が長靴で踏みしめたところで,水から上がった時に長靴についていた水分が付着し,湿土状になっているのです.

▲あちこち移動して産卵行動を取る15:00のメス.

卵を排出していないかどうか写真を丹念に調べましたが,それはなかったようです.

▲15:00のメスの腹部先端の拡大写真.泥がついているが,ピンク色の卵は見当たらない.

でも,異なる複数の個体が,このような通常の産卵場所ではない水から20cmほど離れた「陸上」の地面に産卵しようとするなんて,..,彼らが産卵場所を識別するサインが何なのか,興味がもたれます.水のほとんどない泥などがいいのでしょうか? 典型的な産卵場所は,今年は皆それなりに水に浸かっていますので,避けているのでしょうか? なかなか興味深い示唆を与えてくれる観察だったように思います.でも,生息場所をこのように踏み荒らすと,ヒメクロサナエの無駄な産卵が増えることになるのかなぁ? 

ということで,今日は15:30に観察を終えました.

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No.549. アオサナエの観察.2017.5.27.

今日は兵庫県の北部へ行きたかったのですが,寒気が流れ込んで予報が芳しくありませんでしたので,アオサナエを見に行くことにしました.アオサナエはいつも6月に入ってからという感じでした,少し早いかとも思いましたが,この時期の様子を見てみることにしました.現地に入ったのは7:45頃です.雲一つない晴天でしたので,もういつ出てきてもおかしくないような雰囲気でした.産卵に関しては,今日は徹底してビデオに記録することにしました.

8:00ジャスト,最初のメスが産卵に入ってきました.アオサナエの産卵イメージは,ほとんど動かず停止飛翔産卵という感じですが,このメスは活発に2,3mほどの範囲を行ったり来たりして落ち着きなく産卵しました.こうなるとビデオでは追えません.失敗その一です.

8:20ころ,オスが入ってくるようになりました.オスに頑張られると産卵メスを持っていかれるので,記録したら水をかけたり石を投げたりして追い払います.人間オスとトンボオスの縄張り争いです.

▲アオサナエのオスたち.なかなかしぶとく,水をかけても立ち去ろうとしない.

次にメスを見たのは,9:24.これは三連結していました.タンデムのペアに,もう一頭オスがくらいついています.もっとも連結といっても3頭目のオスはタンデムをはがそうとくらいついているといった感じでした.シャッターチャンスはあったのですが,不用意に近づいたため一瞬の差で飛び去られてしまいました.

その次は9:36.このメスはカメラに近づきすぎて,こちらが慌ててしまいました.そして少し離れたところでお尻を向けての産卵.絵にならず失敗その二.近づいたとき一瞬ピントがあったビデオの一コマを載せておきましょう.これビデオでピントが来ていたら大成功という近さですね.

▲産卵中のアオサナエのメス.あまり近すぎても撮影には困ってしまう.

このあとしばらくメスは入って来ず,11:05にやってきました.やっと10秒くらいピントが来た産卵を撮ることができました.アオサナエは産卵時間が1分ほどですので,それまでに近づいて,ファインダー内にとらえて,ピントを合わせてという動作が入り,しかも相手はじっとせず10数秒で場所を変えるので,それなりの動画を撮影するのはなかなか難しいと感じました.

▲産卵中のアオサナエのメス.やっと撮影できた10秒ほどの中からの一コマ.

入ってくると続くもので,11:21,11:59と産卵が続きました.しかし,あちこち動き回っての産卵で,失敗続き,失敗その三,その四です.結局,5回産卵に入ってきたわけですが,やっとのことで,10秒余りの動画が取れただけの惨敗でした.スチル写真なら大成功というところでしたね.本当にビデオは難しいです.

▲流れの方を見ながらメスがやってくるのをじっと待っているオス.

ということで,今日は多くのメスがやって来てくれたのに,成果はほとんどなしという状態でした.アオサナエも,5月中の方が数が多い感じがしました.5月中下旬というのはいろいろなトンボが重なる時期で,本当にもっともっと時間がほしいですね.

最後に,惨敗したビデオを紹介しておきます.

アオサナエの産卵

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No.548. ホンサナエの観察.2017.5.21.

この時期は,ムカシトンボを始めとした源流域のトンボが気になって,ホンサナエの観察がどうも後手に回ります.というか数が少ないので,観察に失敗して,貴重な春の晴天の休日を無駄にしてしまうような気がして気持ちが引けてしまうのです.でも今年は源流域のトンボたちも遅れているようで,まだ来週・再来週も行けそうな予想.そこで,今日はホンサナエをメインにして観察に行くことにしました.

今日はホンサナエの観察に来て大正解だったようです.8:30頃に現地に到着して,川に沿って歩きますと,ホンサナエが結構たくさん飛んでいるではないですか.川の縁の植物の上に止まってメスが来るのを待っているのでしょうか.

▲川の縁の植物上に止まってメスを待っている.

▲川の対岸に止まって,頭を下にしてすぐにスクランブルをかけられるようにしている.

時々飛び立って周辺をパトロールするように飛びます.時にはオス同士が出会い,激しく追尾する姿も観察できました.あちこち歩き回って,なんとかオスに接近することもでき,写真に記録することができました.

▲ホンサナエのオスたち.それぞれ別の個体.

オスたちは全部で10頭はいたように思います.こんなにたくさんのオスがいるのを最近は全く見ることはありませんでした.この数ですからメスも来る可能性があると思い,しばらく待ちました.結局メスを記録に撮ることはできませんでした.ただ,到着して少ししたとき,川の方から目の前を猛スピードで飛び去るホンサナエのメスを見ましたので,きっと私の目のつかなかったところで打水し,逃げていったところだったのでしょう.観察中,黒いやや大きめのトンボが川の広い範囲をコヤマトンボのように飛ぶのを見ました.正体が分かりませんでしたので飛んでいるところを撮影し確認したところ,アオサナエでした.あとで止まっているところを見つけました.

▲アオサナエのオス.広範囲を飛ぶような性質があったのだ.

夕方にも産卵する可能性があるので,昼の間に昨日の源流域に再挑戦し,16:00ころ戻ってきてホンサナエの観察を続けました.まだオスが水面を飛ぶ姿を見ることができました.

▲16:00過ぎ,水面を飛んでパトロールするホンサナエのオス.

でも,1頭,また1頭と,オスたちは背後の樹林高くへ飛び去っていきました.そろそろオスの活動も終わりなのでしょう.メスはまだ来る可能性は十分あります.ただ,明日は仕事.帰るのに時間もかかるし,ここで終わりにしました.

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No.547. 源流域のサナエトンボたち.2017.5.20-21.

この土日は二日とも快晴の予報.20日,朝起きたら朝焼けがきれいな晴天.ただ,昨夜暑くて寝付かれず,やや睡眠不足気味.先週ムカシトンボを観察に行ったときには,まだ源流域のサナエトンボは早い感じがしていました.あれから一週間.そろそろ出てくる頃かと思い,ヒメクロサナエとクロサナエを見に行くことにしました.いつもの観察ポイント,苔むす源流域です.

▲クロサナエの産卵ポイントだったが….

20日は,クロサナエの産卵のビデオをメインにして上の写真のところにビデオをセットして待ち構える作戦です.ここにクロサナエがよく入るのです.まあ,結果は完全に裏切られました.この日は違ったポイントにばかり入ってきて,ビデオカメラを振ってピントを合わせようとするころには産卵が終わるといった失敗が2度ありました.またあと1回は,ムカシトンボに気を取られ,産卵に入ったのを見逃し,見つけた時には飛び去るところでした.そう,クロサナエの産卵の方は成果なしでした.なお産卵に入ったのは,9:13,10:12,12:47でした.

▲ヒメクロサナエのオス.まだ淡色部が黄褐色をしていて未熟さが残っている感じである.

ヒメクロサナエの方は,上の写真のオスを2度見ただけで,こちらもほとんど成果なし.ヒメクロサナエの産卵は午後の方がいいのですが,昨夜の不眠がたたって体調もすぐれず,13:30頃に引き上げることにしました.空は快晴なのに残念です.

そこで,21日,「No.548のホンサナエの観察」の午後,もう一度チャレンジすることにしました.今日は,この記録を書くために,違ったポイントに入ったクロサナエはスチル写真で撮ることにしました.12:30ころ到着したところ,すぐにクロサナエが,やはり違ったポイントに入ったので,記録用にスチル写真を撮っておきました.昨日と同じ,岩の上に生えている禾本科植物の間に入って産卵をしていました.今年はここがいいのでしょうか?

▲クロサナエの産卵.禾本科植物の間に潜り込んで産卵をしている.落ちる卵が見える.

ヒメクロサナエの方は,オスすら姿を見せません.ホンサナエの夕方の観察をしたいので,14:30に切り上げる予定でした.まさにその直前に,さっと岩の裏側のすき間に入るメスを見ました.案の定産卵していました.今日は腹端がはっきりと見えるた位置でしたので,産卵後の卵も撮影しておきました.ピンクというかロゼワイン色のきれいに輝く卵です.

▲岩の後ろ側の狭いすき間に入り込んで産卵するヒメクロサナエ.

▲ヒメクロサナエの典型的な静止接水産卵,いや接地産卵というべきか?.

▲腹端部から卵が放出され,落ち葉の表面に付着していく様子.

▲ヒメクロサナエの産卵直後の卵.薄いロゼワイン色に透き通っていて美しい.

実はこれが入る少し前に,やはり同じ位置に一瞬トンボが入ったのを見たのです.今日はムカシトンボのメスが3頭も同じ場所に潜り込みましたので,またムカシトンボという先入観で岩の後ろをのぞき込みましたが,ムカシトンボはいなかったのです.どこに見失ったのだろうと思っていたのですけれど,一瞬見た姿といい,あれもヒメクロサナエだったように思います.ムカシトンボとは産卵する基質が違うので,のぞき込んだとき産卵しているのに気づかなかったのでしょうねきっと.ということで,源流域のサナエトンボたちもしっかりと活動を始めているようでした.今年は遅い感じなので,来週の方がもっと良いと思っています.

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No.546. ムカシトンボの観察.2017.5.14.

今年はトンボが遅い感じがしています.例年であればムカシトンボにちょうどよい時期ですが,今年はどうだろうと考えながらも,この晴天の日,観察に出かけることにしました.現地に入ったのは9:00少し前.まだ川にはトンボの姿はありません.9;20頃になって,オスが流れの上を,摂食とも探雌ともつかないような飛び方で,行ったり来たりするのを見ました.

▲ムカシトンボオスの飛翔.

これを見て,今日は時期的にはもうムカシトンボの季節に入っていると感じました10:00少し前,メスが産卵場所を探すように,川べりをゆっくりと飛ぶ姿に出会いました.驚かさないようにゆっくりと後を追いましたが,時々止まって産卵はするものの,落ち着いてじっくりとは産卵しません.

▲ムカシトンボの産卵.

時々見失ったりしながら,結局は最初見つけた場所に戻って,産卵を始めました.30分以上そこで産卵を続けていました.ただ,産卵角度が悪く,また時々寝そべって産卵するような感じで,アングルとしてはいい感じではありません.

▲寝そべったような姿勢でじっとしている産卵メス.

またほとんどお尻を向けていました.今日はビデオで記録したので,ビデオから切り出して記録しておきます.

▲少しずつ移動しながら産卵するメス.

産卵場所はコケなどが密生しているところで,ジャゴケのようなものに産卵していたようです.腹部をデジタルズームで拡大して撮影してみましたら,産卵痕とともにそれが写っていました.

▲腹部先端と産卵痕(白い矢印).

まあ,今日は,半日という短い時間でいたけれども,いい観察ができたようです.ヒメクロサナエやクロサナエの姿は全く見ずでした.


この日に撮影したビデオと,これまでの4年間に撮影したビデオを合わせて,「ムカシトンボの産卵とその基質植物」として公開しました.


ビデオ:ムカシトンボの産卵とその基質植物

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No.545. やっと池がにぎやかに… 2017.5.4, 7.

今年は春が遅い感じです.ゴールデンウィークの最終日になって,やっと,池がにぎやかになりました.5月4日には加東市の方へ出かけたのですが,まだ,フタスジサナエも成熟一歩手前の個体が多く,成熟して元気なのはシオヤトンボだけでした.

▲フタスジサナエの成熟手前のメス.2017.5.4.撮影.

▲シオヤトンボの成熟オス.2017.5.4.撮影.

池を移動して小野の定点池に移動しました.トラフトンボはまだ少し早い感じでした.フタスジサナエは産卵にやってきていました.一番数が多かったのはホソミイトトンボ.ゆゆっくりと産卵のビデオ撮影を行いました.

▲ホソミイトトンボの交尾.2017.5.4.撮影.

▲ホソミイトトンボの連結植物内産卵.2017.5.4.撮影.

今日5月7日は,定点池にやっとトラフトンボが集中的に産卵にやってくるようになりました.9:30ころから12:30頃まで観察をしましたが,11:00ころを中心に,合計6ペアが池の上を飛んでいました.卵塊を近くで見ることができたのは2個体だけでした.去年ですと4月下旬がこんな感じでしたね.約一週間季節が遅れているようです.

▲トラフトンボの卵塊形成.2017.5.7.撮影.

フタスジサナエはまだ,薄い黄緑色で,完全成熟まであと一息です.ゴールデンウィークはこんな感じで,春の始まりを確かめました.来週から本格始動ですね.

▲メスを待つフタスジサナエのオス.2017.5.7.撮影.

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No.544. コサナエ属3種の状況.2017.4.30.

今年は,やはり春が遅いように思えます.桜の花も遅かったし,今日の暑いくらいの晴れの日でも,トラフトンボは全く池を飛んでいませんでした.去年の4月30日は,産卵の真っ盛りでしたのに,今年は,まさかいなくなったのではないと思いますが...


▲フタスジサナエの羽化殻.2017.4.23.撮影.

一方,4月16日に続いて先週の4月23日にもコサナエ属の羽化観察に出かけましたが,フタスジサナエの羽化殻が13個ついていました.また,昨日は夕方の産卵ねらいで5時ころから池で待っていました.しかし,何にも飛びませんでした.産卵にもまだ早いようです.

ということで,超晴天の今日,行くところがなく,結局コサナエ属を見に行くことにしました.4月下旬はフタスジサナエのメスの羽化が全盛のころのはずです.ところが現地に着いて羽化を見たのはオスのものでした.

実はこの羽化個体,オグマサナエかフタスジサナエか迷いました.フタスジサナエは,羽化しているときには二つの黒条のうちの第一黒条が薄いのですが,じっくりとビデオを見ていると,尾部上付属器に突起のようなものが見えます(下の写真白矢印).これで一時はオグマサナエと判断しましたが,それ以外の特徴は,幼虫の体型も含めて,すべてフタスジサナエを示しています.やはり羽化殻を採って来なければいけませんね.最終的にはフタスジサナエと同定することにしましたが,いまだに迷いがあります.飛び立つ直前の写真を載せておきました.

▲フタスジサナエのオスの羽化.下は飛び立つ直前の写真.


▲フタスジサナエのメスの羽化.

フタスジサナエは多く羽化していました.合計6頭羽化を見ました.羽化殻は20個ほどはついていたでしょうか.ただし,詳細に調べていませんので,オグマサナエが混じっている可能性はあります.フタスジサナエ2個体の羽化全長をビデオに収めて,周辺を観察しました.フタスジサナエの未熟な個体がいました.シオヤトンボも繁殖活動を開始していました.

▲フタスジサナエのてネラルな個体.

タベサナエが池に帰ってきて,縄張り活動を行っていました.この池では今までタベサナエの成虫を見たことがなかったのですが,数を増やし始めているのかな…

▲タベサナエのオスの成熟個体と未熟個体.成熟オスはすでに水辺で縄張り活動をしていた.

昨年幼虫で確認したように,この池ではコサナエ属3種が同所的に生息しています.タベサナエが一番早く,次にオグマサナエ,そしてフタスジサナエという順序だと考えています.オグマサナエは例年ですとフタスジサナエより早く活動を開始しているはずですが,今年は成熟した個体は見ていません.

今年は5月の第一週の終わりくらいからやっと池がにぎやかになりそうな気がします.

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No.543. トンボ観察はじめ-タベサナエの羽化 2017.4.16.

今年は春先に冷え込んだために,まだ桜が散り始めというような状態.こんなときにサナエトンボと出会えないかと思い,出かけてみました.

▲まだ桜はこんな状態.今年の桜は遅くて,咲く期間も長く続いている.

まだ春のトンボには少し早いのですが,オグマサナエなどの気の早いサナエトンボがいるかもしれません.オグマサナエはまだでしたが,タベサナエが羽化をしていました.羽化途中が1個体,羽化殻が2個体分見つかりました.

▲タベサナエの羽化.上2枚:羽化途中のオス,中:羽化殻,下:処女飛行後の静止.

別の池ではホソミイトトンボがぺアリングをしていました.しばらく待ちましたが,産卵は始めませんでした.

▲ホソミイトトンボのペア.このほかにオスは数頭飛んでいた.

フタスジサナエ,オグマサナエなど,春のコサナエ属はもうあと1週間以内という感じです.

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