No.711. ヤブヤンマの観察.2019.7.31.

梅雨明け十日といいますが,今日は結構曇りがちでした.暑さだけは本格的.毎年恒例のヤブヤンマを見に行ってきました.ただ今日はメスの姿を見ず,オスのヤブヤンマと二人で待ちぼうけを食らいました.そう,今日はオスがよく飛び回っていました.

▲薮の中を飛び回るヤブヤンマのオスの顔.
▲どういうわけかしばらくこちらを向いてホバリングを続けていました.

いきなりヤブヤンマの顔のアップから始まりましたが,オスの顔をこのアングルで撮ることはなかなか難しいです.チャンスはめったにありません.ストロボを焚いたら,それに反応したのか,かなり長時間ホバリングしてくれました.

▲あちこちに止まるヤブヤンマのオス.

このオスは,やって来てしばらく止まっていたかと思うと飛び立ち,どこかへ姿を消したかと思ったら,またやって来て止まる.そんな行動を繰り返していました.また,低く飛んでメスの産卵していそうな地面をのぞき込むようにして飛ぶこともしばしばでした.産卵に来るメスを待っているようですね.

▲木々の間を飛ぶヤブヤンマのオス.

まあそんな感じで,このオスと一緒に,メスが産卵にやって来るのを11時から14時くらいまで待っていました.でも今日はまったくメスの動きはありませんでした.ということで,今日はおしまい.その後このオス君メスに出会えたでしょうか….足下ではシオカラトンボが交尾をしていました.

▲シオカラトンボの交尾.
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No.710. オオセスジイトトンボを見に行ったが.2019.7.25.

ものはついでというので,北海道から直帰せず,新潟に寄ることにしました.フェリーも小樽から新潟行きがあるのです.新潟にはオオセスジイトトンボヤオオモノサシトンボの生息する場所があります.それをちょっとのぞいていようというわけです.ところが,前日まで19度から20度という曇り空で涼しい北海道にいて,新潟に着いたらいきなりガンガン晴れた35度.倍近くの気温上昇に,身体が参ってしまいました.それでも滝のように汗をかきながら池及び池の周囲を周到に探索しました.しかしながら,これらのトンボの姿はまったく確認できませんでした.ふつうのセスジイトトンボばかりが目立っていました.

▲セスジイトトンボのオス(上)とメス(下).

ショウジョウトンボ,チョウトンボ,コフキトンボ,シオカラトンボ,ギンヤンマなどのふつうのトンボたちはたくさん舞っていました.このように晴天でも目的のトンボの気配すら見つけられないと,自身のトンボ探索能力の衰えを感じてしまいます.1時間半が限界で,諦めることにしました.

今から25年前(古い!)の1994年にここを訪れ,幼虫を採集したときには,池に入って5分もたたないうちに,オオセスジイトトンボヤオオモノサシトンボの幼虫がたくさん網に入りました.私の探索力のなさもあると思いますが,多分,数がかなり減少しているのでしょう.あるいは私の来た時期が悪かったのかも…

▲25年前に採集したオオセスジイトトンボとオオモノサシトンボの幼虫標本.

この遠征旅行では,最後の最後までいい成果を出すことができませんでした.全国的にトンボが減少し,気軽に行っただけでは,もはやトンボを見ることすら難しくなっているように思えます.

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No.709. 北海道のトンボたち(6).2019.7.24.

 帯広の朝は雨でした.7:00ころには雨は上がり,徐々に地面も乾き始めてきました.しかし空はどんよりした曇り空.今日も期待は出来そうにありません.しかし予定通りというか,雨で草が濡れているので,足場のよいところを選んで出かけることにしました.

 最初の池はなかなか雰囲気がよい池でした.でも,曇り空の下,キタイトトンボが2,3飛ぶだけでした.1時間以上待ってみましたが,雲を通した太陽の暖かさが感じられるときがあったものの,トンボが飛ぶような天気にはなりません.

▲キタイトトンボのオス(上)とメス(中・下).

 それでも,少し暖かさが感じられたとき,ヨツボシトンボがさっと池に入ってきて,コサナエが産卵をしに来ました.さすが北海道ですね.兵庫県では6月には姿を消してしまうコサナエが,7月下旬に産卵しているなんて,緯度の違いを感じました.

▲雨に濡れた草の間に入って産卵するコサナエ.

 10:30くらいにここは諦め,次の池に行きました.この池にはクロイトトンボがたくさんいて,彼らは元気ですね,薄暗い曇り空の下,水面をビュンビュン飛んでいます.メスにちょっかいをかける個体もいました.それ以外には,エゾイトトンボ,ルリイトトンボ,マユタテアカネ,モノサシトンボ,正体不明のエゾトンボ類が飛んでいました.

▲悪天候でも池面に出て飛び回っているクロイトトンボ.
▲メスにちょっかいをかけるクロイトトンボ.メスは交尾拒否.
▲まだ若いクロイトトンボのオス.
▲北海道で初めて見たモノサシトンボ.
▲ルリイトトンボのオス.
▲エゾイトトンボのオス.
▲いつもどこでも私を迎えてくれたキタイトトンボ(メス).ありがとう.

 今日で一応の北海道のトンボ観察は終わりです.明日からは帰途につきます.小樽まで走り,新日本海フェリーに乗って新潟へ行きます.

 北海道のトンボ観察のための滞在6日間中,晴れたのは網走の1日(午後と翌日の午前)だけ.あとは全部曇りか雨でした.希少種については,いちおう情報を集めてそれなりにねらってはいましたが,見られるのは運次第と思っていました.しかし普通種でさえぽつぽつ出ているだけで,希少種などは出てくる気配さえ感じられませんでした.唯一知床五湖は晴れていて,五湖や四湖でたくさんのトンボが群れ飛んでいたのが,北海道らしい風景でした.でも,網走の池は晴れていましたが,トンボのにぎわいをあまり感じない静かな印象でした.北海道もトンボが減っているのかなぁ.

 北海道は,トンボがどこにでもいるというのとは,ちがった感じでした.兵庫県などでは,ふり向けばトンボというくらい,あちこちにふつうに見られます(それでも最近はうんと減りましたが).印象としては,乾いた大地という感じで,特定のポイントに行かなければトンボの姿を見られないという印象でした.もっとも天気のせいかもしれませんが.

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No.708. 北海道のトンボたち(5).2019.7.23.

 今日はマンシュウイトトンボを見に行きます.マンシュウイトトンボも,北海道ならどこにでもいるというトンボではありません.しかし曇り空ではありますが,多分姿を見られるでしょう.アオモンイトトンボの親戚ですから,曇りで風の強い日は,池の周囲の草むらにたむろしているはずです.

 駐車場に車を止めて周囲に沿った道を歩いて行きました.数分後,草むらに青い色をしたマンシュウイトトンボのメスを見つけました.やはり草むらにたむろしていました.しかしその後,いくら歩いても,次の個体が見つかりません.経験的に,こういった日のイトトンボは,どこかにかたまっているものです.それさえ見つければ楽勝のはずです.

▲マンシュウイトトンボのメス.濃いきれいなブルーをしている.

 しばらくすると,たくさんのマンシュウイトトンボが集まっている場所に出くわしました.マンシュウイトトンボはどれがオスでどれがメスか,慣れないと分かりませんでした.全部オスに見えてしまうのですが,よく見ると産卵管がついています.こういった集まっている場所は3カ所ほどありました.別の場所では未熟な橙色のメスもいました.

▲マンシュウイトトンボのオス.少しうす緑が混じったような青色だ.
▲マンシュウイトトンボのテネラルなメス.
▲マンシュウイトトンボの未熟なメス.腹部先端が先に青くなるようだ.
▲わずかに未熟色のオレンジ色が透けて青と混じり,藤色に見えるメス.
▲マンシュウイトトンボの成熟メス.まだあざやかな青ではなくやや藤色に近い.
▲摂食するマンシュウイトトンボのメス.
▲少し青みの強いマンシュウイトトンボのオス.

 今日みたいな日は産卵活動は望めません.次に行くことにしました.カラカネイトトンボを見たいので,湿原の木道を歩いてみましたが,ヨツボシトンボとシオカラトンボ,そしてエゾトンボ類が飛んでいただけでした.そう,キタイトトンボも連結で産卵しようとしていました.草の中に潜り込んでいったので,写真は諦めました.湿原をあとにし,別の湿地へ行ってみました.ここはものすごく雰囲気がいいのですが,何も飛んでいません.薄日が差してきたりしましたが,だめでした.風は相変わらず強く吹いています.

▲湿原にいたキタイトトンボのペア.
▲見るからに素晴らしい環境だが,うす暗く風も強く,何もトンボが飛ばない.

 次にエゾカオジロトンボの探索に行くことにしました.しかし空はますます曇り,風は冷たく強く,もうどうしようもありません.例によって湿地の中に入っていくのももう無駄足のような気がして嫌気がさし,やめました.近くを自転車道が走っていましたので,持ってきた自転車を組み立て,自転車道をサイクリングすることにしました.しかし,道がでこぼこで全然スピードが出せず,フラストレーションはたまるばかり.

 このあと帯広へ移動します.阿寒から道東自動車道に乗ると,「何!?,白糠IC-浦幌IC間,事故で通行止め?」.北海道の地理に不案内で,ナビもついていない車で,白糠ICで強制的に下ろされてどうなるのだろう.もう最後は旅行ガイドに掲載されている地図を頼りに走ることしかありません.幸い,一本道の迂回路があって,それを走ることにしました.でも,迂回するだけで40km以上.さすが北海道です.スケールがでかい.

 まあ,無事迂回して,帯広のホテルに着いたのは18:00前でした.今日は,全然ついていない感じの一日でした.マンシュウイトトンボを見ることができたのでよかったとします.

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No.707. 北海道のトンボたち(4).2019.7.22.

 今日は朝から晴れています.しかしこの晴れは知床連山より北側に限られているようです.ちなみに北海道では西側というらしい.網走はその位置にあるので晴れています.今日は釧路へ行く予定ですが,晴れがもったいないので,もう一度エゾトンボ類の摂食飛翔を見に行って,何か新しい種が混じっていないか探してみることにしました.

▲コエゾトンボのメス.
▲今日は低く飛んでいるコエゾトンボのオスたち.

 昨日の場所に着いたのは9:30ころです.たくさんのエゾトンボが摂食飛翔をしています.なぜここにだけ集まるのでしょうか.よく見ていると,小さな羽虫がたくさん飛んでいます.こういう餌が集中して発生しているところに集まっているようです.いくつか採集してみましたが,昨日と変わらず,タカネトンボとコエゾトンボだけでした.

▲タカネトンボのオス.
▲タカネトンボのメス.
▲コエゾトンボのオス.
▲コエゾトンボのメス.

 1時間ほどいて,次は別海町の方に寄り道することにしました.データ放送によると午後は晴れるようです.北海道はちょっと移動するというだけで100km.もう慣れましたけど,走ってばかりいる感じです.根北峠にさしかかると空が曇ってきました.2時間足らずで一昨日訪れた沼に到着しました.空は晴れていましたが,風がものすごく強い.水面を飛んでいるのはシオカラトンボだけ.天候が荒れるとだめなのか,それともトンボがいないのか,それすら判断できません.

 ここは見切って,宿泊地の釧路へ移動することにしました.また100km以上.釧路では,郊外にある小さな池に行ってみました.空はどんよりとした曇り空.風はほとんどありませんが,トンボが飛ぶ雰囲気ではありません.池のそばの草むらの中にキタイトトンボが群れていました.青色のメスがいました.1頭だけ,キタイトトンボにしては腹部が細長いメスがいて,オゼイトトンボかと思いましたが,姿を見失い,確認が出来ませんでした.あと,テネラルなアオイトトンボがたくさんいました.

▲キタイトトンボのオス.もうだいぶん見慣れてきた感じだ.
▲キタイトトンボのオス.胸の部分が薄緑色ではなく水色になっている.
▲キタイトトンボの青色型のメス.
▲キタイトトンボの未熟なメス.
▲ちょっと腹部の長さが長い感じのするメス.でも多分キタイトトンボだろう.
▲アオイトトンボのオス(上)とメス(下).

 今日も,最初を除いて,結局悪天候に悩まされた感じです.晴れてトンボが活動してくれないと,そこにいないのか,いるけど出てきていないだけなのかが分からず,悩ましい限りです.明日も曇り空の予報です.

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No.706. 北海道のトンボたち(3).2019.7.21.

 昨日の20日は,朝から雨.しばらくすると止んで地面が乾いてきたのですが,空模様はトンボどころではない感じ.そこで自転車で野付半島を走ってきました.細長い不思議な形をした半島です.でも,帰りに雨に遭い,びしょびしょになりました.まあ,トンボを見に行かなく正解でした.

 続く21日,ホテルでの起床.また外は雨が降っていたようです.本当に雨がよく降ります.北海道に梅雨はないと言われますが,これはもはや過去のことではないのかと思ってしまいます.つまり温暖化の影響かと...しかし,今日は網走へ行きます.標津町と斜里町の間の根北峠(こんぽくとうげ)を越えた向こう側の網走はガンガンの快晴の予報.今日の予定も網走方面へ移動.予定のコースで晴れが待っているというのは,この旅を始めてから初めてのことです.やっとトンボの飛ぶ姿を見られそうです.

 最初の観察地は,湿地帯の中にある池です.現地に着くと,道路上をエゾトンボが摂食飛翔をしています.こういうのは一番助かります.エゾトンボは飛んでいるのを見るだけでは種名が分かりません.6頭ほど採ってみました.コエゾトンボ4頭とタカネトンボ2頭でした.他にオオルリボシヤンマの未熟な個体も飛んでいました.

▲道路の上空を飛ぶコエゾトンボのメス.ハネビロエゾトンボのように産卵弁が突き出ている.
▲やはり上空を飛ぶタカネトンボのオス.
▲ヤンマが飛んでいたので捕まえたら,オオルリボシヤンマの未熟なオスであった.

 大体種名が分かったので,湿地帯を抜けて池に行ってみることにしました.しかし,かなり険しい道で,人の通ったあとがあるのですが,何度も足を取られ,下手をすると身動きがとれなくなりそうな予感がしたので,諦めることにしました.一人で来たときは事故があるとそれで終わりになりますから,特に知らない土地では諦めも肝心だと思っています.何しろ歳でもありますので,余計に足下が危うかったです.兵庫県で人の管理しているため池ばかりでトンボを見ている身にとっては,北海道の自然は厳しかったです.

 まあ,コエゾトンボという北海道にしかいないエゾトンボが採れたので,よしとしましょう.次の場所は普通の池です.スイレンがいっぱい咲いている池ですが,スイレンは「外来種」だそうです.池の上をカラカネトンボが飛んでいました.カラカネトンボというのは葉の上にトンボ科のトンボのようにペタッと止まるんですね.初めて見ました.北方の種とはほとんど縁がないので,こういった普通種でもすごく新鮮な体験です.

▲池の上を飛ぶカラカネトンボのオス.
▲葉の上にペタッと止まるカラカネトンボ.エゾトンボ科はぶら下がるとばかり思っていた.

 池の沖の方をオオルリボシヤンマらしいヤンマが飛んでいます.足下ではルリイトトンボが転結産卵をしていました.ルリイトトンボは信州で見たことがありますが,ほぼ例外なくメス単独で潜水産卵をやっていました.ここでは普通に連結産卵しています.ところ変われば品変わるですね.

▲ルリイトトンボの連結植物内産卵.

 見たかったキタイトトンボもあちこちで活動しています.連結産卵もしていましたが,いかんせん岸に近すぎます.上からしか撮影できず,あまりいい出来ではありません.あと,エゾイトトンボも1頭見つけました.クロイトトンボはここでもたくさん飛んでいました.

▲あちこちで飛び回っているキタイトトンボのオス.
▲キタイトトンボの繁殖活動.タンデム,交尾,産卵.
▲エゾイトトンボのオス.写真にうまく撮れないので捕まえた.
▲ここにもクロイトトンボがいました.

 もうすっかり昼を過ぎています.北海道は広いので,移動に時間がかかります.最後は湖の畔に野鳥の観察のための遊歩道があって,そこの水辺にトンボがいるらしいので,そこへ行ってみようというわけです.ところが,二日前の19日にヒグマが目撃されたということで,閉鎖されていました.天気は申し分ないのに,今度はヒグマ! 北海道は楽しい! と皮肉りたくなりました.

▲7月19日といえば一昨日ではないか.まだこの辺にいるかも知れない.

 時刻は14:00過ぎ,ここで一番たくさん時間を潰そうと思っていて行く当てもないので,昼食にしました.コーラにパンケーキです.そしてホテルに早めにチェックインし,エゾトンボ類とイトトンボ類の同定をしました.

 ということで,今日は終わりにしました.明日も網走方面は晴れています.でも,網走周辺はあまり長居をする予定がなく,下調べが不十分です.明日は釧路へ行く予定ですが,釧路は霧が出て曇りの予報.これからゆっくりと明日のことを考えることにします.

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No.705. 北海道のトンボたち(2).2019.7.19.

 朝目が覚めましたら,空はどんよりした曇り空.データ放送で天気予報を確認したら,私の居るあたりは終日曇り.少し北の方へ行けば晴れ間も出るらしい.しかし北海道の少し北というのは,片道100kmを超える距離.まあ,だめもとで,予定通りの行動をとることにしました.ホテルから少しで行ける公園の池にまず行ってみました.この曇り空で,トンボの活動状態を見ようというわけです.

 公園の池では,アオイトトンボがたくさん羽化して飛んでいました.北海道ではエゾアオイトトンボが混じるので,慎重に見極めなければなりません.が,見た限りすべてアオイトトンボでした.そのほかに,池面にルリイトトンボがいて,草むらをたたき出すと,多分キタイトトンボと思われるメスが飛び出しました.いずれも写真には撮れませんでしたので,採集確認をしました.キタイトトンボらしいメスは,種名が確定できなかったので,持ち帰りました.

▲アオイトトンボのオスとメス.

 こんな曇天でもトンボは動いていることが分かったので,もう一つ近くの公園の池をのぞいてみました.たくさんのイトトンボが活動していました.北海道では,気温が20度もあれば,こんな曇天・強風でも,トンボが活動しているのですね.ただしトンボは,すべてクロイトトンボ,産卵もしていました.北海道まで来てクロイトトンボはないだろうとも思いましたが,気をよくして,今日の目的の池沼に行ってみることにしました.

▲曇天・強風・寒さの中,クロイトトンボはたくさん活動していた.

 しかしながら,この沼ではトンボの姿がほとんどありませんでした.大きな沼ですので強い風がもろに水面に吹きさらしています.それでもアカネ属のトンボが飛び立って風に飛ばされるように飛んだので捕まえてみると,マユタテアカネでした.たくさんのマユタテアカネのテネラルな個体が見られました.その他はシオカラトンボが1,2頭.神戸と変わりませんね.待っていても天候は回復しそうにありませんので,曇天の探索モードに切り替えました.風が当たりにくい木の陰などの草むらに集まっているはずです.

▲マユタテアカネのメス.

 しばらく探すと,まず見つけたのがキタイトトンボ.北海道では普通種ですが,神戸から来た私にとっては,目的の一種です.そのあとすぐメスも見つけました.はじめこのメスはアジアイトトンボに見えたのですが,よく見ると全然違います.いちおう,北海道特産のトンボを見られたのでほっとしました.これ以外には,ルリイトトンボ,エゾイトトンボが見られました.

▲草むらにたむろしていたキタイトトンボたち.
▲ルリイトトンボのオス.
▲エゾイトトンボのオス.

 これ以上はいくら探しても見つかりませんので,明日に期待して,今日はこれで終えることにしました.車で道を移動しているとき,エゾシカに会いました.

▲今日のゲスト,メスのエゾシカ.
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No.704. 北海道のトンボたち(1) 2019.7.14., 17

北海道へトンボを見に行ってきました.家族旅行のついでにトンボも見てみようというわけです.もっとも家族旅行といっても夫婦二人だけですが.いきなりですが,結論的にいうと,ひどいトンボ観察行でした.7月19日から7月25日までの6泊7日の調査のうち,晴れたのは24時間だけ.あとは,曇りで寒く強風が吹く日がほとんどでした.地元にいればまずトンボを見に行かないような日ばかりでした.そういうことでほとんど成果なしでしたが,これはブログですから,そういうことの報告でもいいでしょう.

今日は,家族旅行の中で見たトンボたちを紹介しておきましょう.7月14日に富良野でジンギスカンを食べたのですが,開店を待つ間の散策でノシメトンボを見ました.このうちオスの方は,右前翅にノシメ斑がないちょっぴり異常な個体でした.北海道で見るノシメトンボも神戸で見るのと変わりありません.

▲ノシメトンボのメス.近くに水のあるところがないので,移動してきたのだろう.
▲ノシメトンボのオス.右前に先端に褐色部分がない.

次は,7月17日に知床五湖のガイドツアーに行ったときのトンボたちです.場所を明らかにしていますが,国立公園で世界遺産,ヒグマがうろうろ,しかもガイド付きでないと入ることが出来ない場所ですから,問題ないでしょう.それに普通種ばかりです.この日は朝から晴れていたこともあって,トンボたちの元気な姿を見ることができました.ガイドツアーは五湖から逆順番で回ることになっています.まずは五湖.

▲知床五湖の五湖.
▲これは何が羽化しているのだろう? 多分ルリイトトンボだと思うのだが...
▲これは正真正銘のルリイトトンボ.
▲ヨツボシトンボのオス.

五湖を訪れたときは日が十分に差しており,トンボたちが飛び交っていました.カラカネトンボが池の周囲を飛び,カオジロトンボも飛んでいました.カオジロトンボの写真は失敗しました.ヨツボシトンボが今頃いるというのはさすが北海道ですね.ルリイトトンボも4,5頭見られました.次は四湖.

▲四湖.

四湖も五湖と同じようにたくさんのトンボがいました.ルリイトトンボ,カラカネトンボ,クロイトトンボ(北海道にもたくさんいました)などです.ガイドさんの指示で動いているので,勝手なことが出来ず,思うようには写真は撮れません.皆さんは記念写真を撮っているのですが,私はトンボばかり見ています.

▲ルリイトトンボのオスたち.
▲北海道のクロイトトンボのペア.
▲ホバリングを交えて池の周囲を飛び回るカラカネトンボのオス.

晴れていた空模様が,次の三湖に行くに従って,曇り始めました.三湖は結構大きく,曇り始めたせいかトンボも少なかったように思います.いたのは,なんとシオカラトンボ,そしてエゾイトトンボでした.

▲三湖.
▲シオカラトンボのオス.
▲日陰の部分に止まっていたエゾイトトンボのオス.

二湖についたときにはすっかりと曇ってしまい,トンボは本当に見られなくなりました.北海道のトンボは,神戸でいえば秋のトンボたちに似て,日が陰るとすぐに姿を隠してしまうようです.それでも高いところをオオルリボシヤンマらしいトンボが飛んでいました.

▲二湖.
▲オオルリボシヤンマらしいヤンマが上空を飛んでいた.

この二湖から一湖へ行く途中,ヒグマに出くわしました.30mの至近距離で,ガイドさんもクマスプレィに手をやるほど緊張感が走りました.そのときは私はあまり何も感じませんでしたが,今思うと,かなり危ない状況だったのかなぁと思います.ということで今日はここまで,次回からはトンボ観察行の記録を紹介します.ほとんど期待しないでください.

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No.703. カトリヤンマの羽化.2019.7.4.

先日採集してきたカトリヤンマが羽化し,カトリヤンマであることが確定されました.カトリヤンマの幼虫は特徴的な形態をしているため,まず間違うことはありませんが,それでも念のためというところでした.

▲カトリヤンマの幼虫が,上半身を素面から出して止まっている.7月3日.

上の写真は,採集後すぐに,特に翅芽が膨らんで羽化間近な個体を,飼育ケースに入れたところの写真です.3頭写っていて,一つは支持棒の裏側に止まっています.ヤンマの幼虫は結構人などの動きに反応し,このように支持物の陰に隠れようとします.右側の翅芽が白っぽくなっている個体は,もう胸部の気門で空気呼吸を開始しているのでしょう.上半身(胸部)が水面上に出ています.左側の個体は腹部先端を空中に出しています.まだ直腸呼吸をしていて,羽化が近く代謝が盛んなため空気から酸素を取り入れているのかも知れません.

▲水面から完全に出た状態.7月4日.
▲羽化したカトリヤンマ.7月4日.

羽化したカトリヤンマは放してやりました.すると,裏の木に止まったので,一枚写真を撮りました.

▲羽化直後のカトリヤンマのメス.

幼虫採集をすると,こうやって羽化が観察できるのですが,羽化しはじめを見つけてしまうと,結局羽化が終わるまで見ていたりして,数時間の観察ということもあります.

追加になります.7月6日,オスが羽化しました.

▲カトリヤンマのオス.7月6日.
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No.702. ナツアカネとカトリヤンマの幼虫.2019.7.2.

今日は,ホームページの充実のために,カトリヤンマとナツアカネの幼虫を採集に行きました.なんと,友人の案内で奈良県にまで出張しました.これらの幼虫は,水田で発生することが多く,かつては,どちらかというと非常に採集しやすい幼虫でした.しかし,今の兵庫県の水田の多くは,ほとんどトンボが発生しない状態になっています.おそらく使用薬剤の関係だと思います.

今日行ったのは,以前から継続的に薬剤を使っていないという水田で,ほんの十数分も採集したら,多数のカトリヤンマ,ナツアカネ,アキアカネの幼虫が入りました.これがかつての普通の水田の姿です.さらに,ホソミオツネントンボもたくさん網に入りました.先日あれほど苦労したのに,ここでは,到着後1分しないうちに数頭の幼虫が採れました.他には,アオイトトンボ幼虫や,キイトトンボやマユタテアカネの羽化が見られ,その他のタイコウチやコオイムシなどの水生昆虫もたくさんいました.まさに生きている水田でした.

▲ナツアカネの幼虫. 腹部第8節の側棘が長く,第9節後縁を越える.
▲ナツアカネの幼虫.
▲ホソミオツネントンボの幼虫.尾鰓の上縁・下縁に3つずつ褐色の小班が見える.
▲ホソミオツネントンボの幼虫.
▲カトリヤンマの幼虫.腹部背面の正中線に黒いスジが見られる.
▲カトリヤンマの幼虫.

以前は幼虫をよく採りに行きましたが,最近は本当に行く機会が少なくなりました.どこをすくっても,幼虫が入らないからです.久しぶりに昔を思い出したひとときでした.

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