続 トンボ歳時記
No.646. スナアカネの探索.2018.10.14.

今日は兵庫県南部地用は晴れの予報,北部は午前中雨!,ということで,南部で同じトンボの再挑戦もいいのですが,今日はそれは止めて,飛来種の探索をすることにしました.今日はスナアカネを探しに行くことにしました.じつは,今季すでに2回ほど,タイリクアカネのついでに,もしいれば...,という感じで出かけていたのですが,今日はスナアカネをメインに考えて出かけることにしました.出かけた先では,同じくスナアカネを探しに来ていた知人と出会いました.

▲はじめはスナアカネだとは気づかず,撮影後にそれと分かった.

上の写真は,明らかにスナアカネです.しかしこれを撮ったときは,やや離れていたので胸の部分がはっきり見えず,タイリクアカネかもと思ってとりあえず撮った1枚です.撮影後拡大して確認すると,スナアカネだったので,あわてて撮影をと思ったときには,すでに飛び去っていました.よく考えてみれば,タイリクアカネはあまり棒の先に止まることはありません.スナアカネを疑ってみるべきでした.

さて,到着してすぐに来ていることが分かったので,あとは探すだけです.しばらくあちこち探しましたら,知人が池の向こうの方に止まっている個体を指さして,「あれはスナアカネだと思う」と教えてくれました.確かに止まり方といい,色といい,大きさといい,スナアカネらしい感じです.しかし,深くてそこまでは行けません.

▲池の向こうの方の枝先に止まっている,スナアカネらしい個体.

しばらく様子を見ましたが,どうにもならないので,石を投げて飛ばすことにしました.ところがこれが大当たり! すぐ近くのボチャンと落ちた石に驚いて,この個体が飛び立ったのです.そして向かって左の方に飛んでいきました.そこで,飛んでいった方へ行ってみますと,なんと,水面をホバリングを交えて飛んでいました.「この飛び方といい,色といい,大きさといい,スナアカネに間違いない」と,知人と二人で確かめ合いました.

▲水面上をホバリングを交えて飛ぶスナアカネのオス.

やがて,この個体は,岸辺の草に止まりました.でも止まるのは短時間,飛んだりとまったりの繰り返しです.とにかく刺激しないように,カメラの撮影可能な位置に止まるのを待ちました.位置的には逆光ではありましたが,何度かカメラが届く位置に短時間止まってくれました.短時間というのは,止まっている植物の茎が細く,風で大きく揺れるからのようです.

▲禾本科植物の穂に止まるスナアカネのオス.

▲枯れた葉の先に止まるスナアカネのオス.

▲枯れ茎に止まる.いずれも風で揺れるので安定が悪いらしい.

しかし粘り強く待っていますと,すぐ近くのヨモギ(だと思う)の花のてっぺんに止まりました.ここも風で揺れてはいますが,気に入ったみたいで,長時間止まっていました.撮影もしやすい場所で,やっと,スナアカネだとはっきり分かる写真が撮れました.

▲風に吹かれて翅が上に持ち上がるので,胸側の模様からスナアカネとはっきりと分かる.

▲ヨモギ(だと思う)の花のてっぺんに,こういう感じで止まっていた.

▲顔の拡大とまではいかなかったが,頭胸部の拡大写真.額がさくらんぼ色をしている..

この個体以外にも,もう1頭,また先ほどの池の中の枝先に止まっていましたので,これがスナアカネだとすると,2頭来ていたことになります.

さて,スナアカネを探していて歩き回っているときに,交尾しているタイリクアカネを見つけました.他の静止写真といっしょに最後に紹介しておきましょう.

▲タイリクアカネのオス.

▲タイリクアカネのメス.珍しく?樹上に止まっている.

▲タイリクアカネの交尾.産卵は見ることができなかった.

ここ以外にいった2カ所も含めて,午前中だけという探索でしたが,まあ,成果があってよかったです.あと,アカネ属の飛来種と言えば,オナガアカネ,タイリクアキアカネ,マンシュウアカネなどがあります.しかしこれらは日本海側に行った方が成果が出そうです.本当に今年の秋は日本海側の晴天に日がない.行く気は満々ですが...