トンボ歳時記
No.316. 秋の高原のトンボたち. 2011.9.25.

今日は昨日の疲れもあって,近くの池へオオキトンボを見に行こうと出かけました.しかし,やはり池は満水で,オオキトンボの好きそうな湿地状の池岸はまったくなし.すぐに諦めて,ルリボシヤンマを見に行くことにしました.

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▲今日の観察地.高原はススキがいっぱい.

高原はものすごい人でした.秋だからなのか,安近短で集まったのか,落ち着いてトンボの写真を撮る雰囲気ではありませんでした.しかし高原にはもう秋の気配が漂い,アキアカネも姿を見せていました.

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▲アキアカネのオス.これ以外にもそこそこの数が見られた.

でもやはり多いのはヒメアカネ.昨日の黒沢湿原と同じく,こういう湿地状の高原にはヒメアカネはつきものという感じです.そんな中で,ルリボシヤンマを待っていた水たまりで,メスが産卵を始めました.近寄れないのが残念ですが,木道の上から草の間で産卵するヒメアカネを撮りました.

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▲ヒメアカネの産卵.

さて,肝心のルリボシヤンマですが,オスはそこそこ飛んでいて,ときに2頭が接近遭遇し,つかみ合いの闘争劇を演じてくれました.まだ時期が違うのでしょうか,それとも摂食を兼ねているのでしょうか,悠然と長時間ホバリングするという動作はありません.

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▲ルリボシヤンマのパトロール飛翔と産卵.

産卵にも,1頭だけですが,やってきました.少し上からの向きの写真になってしまいました.実はこの後いったん飛び立ち,真横のアングルになりそうな位置に止まり直してくれたのですが,私の動きが早すぎたせいか,産卵せずに飛び立ってしまいました.メスはしばらく後にも入りました.ただこれはオスに追われてすぐに逃げ出してしまいました.

ところで,今日はゲストがいます.キリギリスです.この高原には大げさでなく「無数の」キリギリスがいて,あちこちで産卵していました.木道のすきまに産卵する個体が多く,オスが寄り添っているものも結構いました.

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▲キリギリスの産卵.上はオスが寄り添っている.下は砂利道に産卵するメス.

さて,トンボはこれ以外には,シオカラトンボの姿が見られた程度でした.2時間ほどいて,トンボの動きが感じられなくなったとき,引き揚げました.