トンボ歳時記
No.218. 飛来種を求めて日本海側へ (2)兵庫北部. 2010.10.17.

現地に着いたのは12:20ころです.今日は天気がよく,日が陰ることがありませんでしたので,この時刻でも全く問題ないような感じでした.この場所は,かつては広大な湿地でしたが,乾燥化が進み,夏などは全くの草原状態になります.しかし先日来日本海側はよく雨が降っているので,水がたまっていることを期待していました.

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▲観察地の風景.水がたまって湿地状になっている.

何しろ相手は飛来種ですので,今さえ湿地状の景観があればよいわけで,春や夏に乾燥して幼虫が育たないなんてことは関係ありません.現地は見事に水がたまりりっぱな湿地状の景観になっていました.

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▲まずは外道から.
 上:アキアカネ.中左:オオアオイトトンボ,
 中右:アジアイトトンボ,下:シオカラトンボ.

アキアカネがたくさん飛んでいました.でも,もう産卵の時刻は終わったようで,オスやメスがあちこちに止まって休息していました.シオカラトンボ,オオシオカラトンボ,ギンヤンマ,アジアイトトンボ,アオモンイトトンボなど,夏のトンボがまだ生き残って活動していました.

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▲ナツアカネの連結打空産卵.

13:00過ぎでしたが,ナツアカネが草原で連結打空産卵を始めました.今年はナツアカネの連結産卵を撮っていなかったので,慎重に撮影しました.水田で撮るときは,イネが茂っている状態で撮ることが多いので,自由に近づくことができませんが,ここは草原ですので,その点は自由に撮影ができました.

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▲リスアカネ.交尾とジョロウグモの巣にかかって絶命したオス.

湿地の際の山裾の部分では,リスアカネがたくさん活動していました.産卵もしていました.あと,ノシメトンボも飛んでいました.でも今日の目的の飛来種は...,いましたいました.オナガアカネのオスです.

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▲オナガアカネのオス.

やっと見つけました.朝から活動して,見つけてほっとしました.まだ若い感じのする個体です.これ1頭だけで,かなり探しましたが,その他の個体は発見できませんでした.

これに気をよくして,もう1ヶ所別のところにまわってみましたが,やはりアキアカネだけでしたね.今日は1日動き回って,オナガアカネ1頭だけという成果でした.まあ,相手は偶産種ですから,こんなものかもしれません.