兵庫県の幼虫ガイド
H089. コシアキトンボ Pseudothemis zonata
コシアキトンボ終齢幼虫
写真1.コシアキトンボ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長20mm前後.2009.4.18.
<特ちょう>
 コシアキトンボはトンボ型の幼虫です.体全体が黒っぽいいろをしています.あしは白と黒のまだらもようがはっきりしています.翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.触角(しょっかく)は糸のように細くなっています.腹部の横のとげ(側棘:そっきょく)は第8,9節にあります.背中のとげ(背棘:はいきょく)は腹部の第2−10節にあります.第10節の背中のとげは小さいので見落とすことがあるかもしれませんが,気にする必要はありません.腹部の第2−9節に背中のとげのあるトンボは,兵庫県では,このコシアキトンボだけです.

コシアキトンボのそっきょくとはいきょく コシアキトンボの触角と背中のはん点
写真2.第8,9節に側棘が,2−9(10)節に背棘があります. 写真3.触角は糸のように細いです.


<さがす場所のヒント>
 コシアキトンボは池の住人です.夏の暑いときに活動するトンボです.日かげが好きで,池のまわりに生えている木のかげをよく飛んでいます.メスは,写真4のように,水面にうかぶ植物の茎(くき)に卵をはりつけますので,葉や茎が水面にたおれているようなところにやって来ます.幼虫は,植物の根元や落ち葉の間にもぐりこんで生活しています.終齢幼虫は秋から次の年の春の間に採れます.

コシアキトンボの産卵場所.
写真4.産卵にやって来たメス.日かげで,水面にたおれている茎や葉に卵をはりつけるようにして産みつけます.